氷の針が心臓に突き刺さって苦しいと思うとき 海から全ての海水が巻き上げられてぼくの口へ吸入器のように入れられるとき きっときみはひとつの歌を口ずさむ ひとつの祈りを口ずさむ、ひとつの海の駅名を口ずさむ .... かけるくんは
呼ばれてもいつも返事をしない

返事だけではなく
一言も喋らない
いつの頃からだろう
皆がどんどん言葉を覚えて
いろいろ喋るようになって
かけるくんの言葉がないことに
 ....
   
 生きたまま花の化石になりたい
 という少女がいて
 街は、霞のようにかすかに
 かそけく 輝いているのだった

 ちちははの眠るやわらかな記憶の棺たち
 少女は母似の瞼をとじた ....
かかえきれないほどの
言葉を(かかえて)
あまりの重さに
不意の重さに
落してしまった
嬰児の頭蓋骨が
ゴトッ と 鈍い音を立て
床に落下する

 「ちょっと待って
  いま言葉が ....
夏休み延長延長延長バレンタインがそこまで来てる  
言葉はいつも裏切るから

唇をあわせて

せめて、ぬくもりをちょうだい



 
深雪晴見上げた頃は恋でした 火がないのに
いつでも
沸きたてのお湯が出てくる
昔、むかし
食卓の上に
魔法瓶という魔法があった

ただいまと
帰ってくる
冬のこどもたちのために
とても温かい飲み物が
瞬時に ....
生きたいと鳴いてるように夜の雪  
冷たい手

あたい、冷え性だから

温めてやるさ、ずっと、ずっと、



 
温泉にポニーテールの雪女 人の不幸を祈るようにだけはなりたくないと願ってきたが 
ふとくちずさむ怜子

噴水はその尖端から凍りゆく わたしも液体を手放してゆく

目を閉じてうしろむきにすすみます一メートルがわたしの限 ....
関取は横の動きが苦手だしそこを突かなきゃ負けそうな恋  この時期、雪山での遭難は多い。日が暮れて警察、消防、自衛隊などによる捜索が打ち切りになったり、吹雪のために彼らが動くに動けなくなったときがウチらの出番だ。彼らのようなオモテの人たちは自身が遭難したり .... 勘違い続けて雪の遊園地 手のひらにヒヨコのおもちゃ雪月夜 「自尊心よりも、自分が期待されている役割を読み取り、それに近付くために努力を惜しんでいないということか。」
「そう。志はとても高いわ。私のみてきた数多の訓練生と比べれば一目瞭然。あなたも感じているん ....
お互いに天気の話しかしない低い位置から見てる東京 誰だプールにピラニア放ったの

俺の金魚が喰われちまってる

金魚のハナコが喰われちまってる
忘れない364日は忘れても一月十七日だけは

耳掃除している人の眼球は見ることのない穴を見ている

てのひらで雪ひとつぶがとけたあとあたしのからだに吸収された

最終便は出たあとです告げら ....
 
名もいらぬ



一個のエキストラ




 
孤独だと言えず大きな雪だるま スプーンに一杯だけの重い雪  弓道の防具で、右手にはめる革製のてぶくろみたいなものを「かけ」と呼ぶらしい。弦を引く際に、主に右手親指を保護するためのものであるとか。
 その革は子鹿のものであることが望ましいそうで、かけとなりう ....
楊貴妃の骸を喰らう猫の恋 霜柱踏んだ昔の三叉路で明けの明星目印に進む


習慣の高速再生壁打ちの言葉駅まで溢さず走る


喋り方ゆっくりしてるあの人とキャッチボールで肩慣らしする


引き込み線の形残 ....
泡になる人魚を深く吸い込んで永遠を手に入れてしまった 七草を七つ言えないまま食べた 珈琲の混ざった粘膜に唾液が滲みる
先刻の鳩の血液も蹴り足から鼻腔を貫いたか
公園で撒いたパンにありついた鳩を執拗に追い回していた
追手の鳩を蹴ったのは気紛れ
砂糖のない珈琲では消えない後味
 ....
 
ほんとに星になっちまったのかい スターマン

空で待ってくれてたんじゃないのかい スターマン

でも泣かないでいいようにソウルを残してくれたんだね スターマン



 
ありかさんのおすすめリスト(223)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
塩の柱- 白島真自由詩31*17-3-20
かけるくんの空- 深水遊脚自由詩9*17-1-15
花の化石- 白島真自由詩28*17-1-10
骨の記憶- 伊藤 大 ...自由詩116-5-16
夏休み延長延長延長バレンタインがそこまで来てる- 北大路京 ...短歌116-2-3
せめて- 殿上 童自由詩15*16-2-1
深雪晴見上げた頃は恋でした- 北大路京 ...俳句316-1-30
おとぎばなし- そらの珊 ...自由詩2316-1-28
生きたいと鳴いてるように夜の雪- 北大路京 ...俳句416-1-25
ずっと- 殿上 童自由詩13*16-1-25
温泉にポニーテールの雪女- 北大路京 ...俳句1016-1-24
或いは絹ずれの音- そらの珊 ...短歌11*16-1-24
関取は横の動きが苦手だしそこを突かなきゃ負けそうな恋- 北大路京 ...短歌216-1-23
Miz_14- 深水遊脚散文(批評 ...2*16-1-22
勘違い続けて雪の遊園地- 北大路京 ...俳句416-1-22
手のひらにヒヨコのおもちゃ雪月夜- 北大路京 ...俳句316-1-21
Miz_13- 深水遊脚散文(批評 ...1*16-1-21
お互いに天気の話しかしない低い位置から見てる東京- 北大路京 ...短歌316-1-20
※誰だプールにピラニア放ったの- 北大路京 ...自由詩8+16-1-19
雪だより- そらの珊 ...短歌5*16-1-18
エキストラ- 殿上 童自由詩13*16-1-18
孤独だと言えず大きな雪だるま- 北大路京 ...俳句616-1-16
スプーンに一杯だけの重い雪- 北大路京 ...俳句516-1-15
夜更けの紙相撲「かけがえのないもの」- そらの珊 ...散文(批評 ...716-1-15
楊貴妃の骸を喰らう猫の恋- 北大路京 ...俳句416-1-14
三叉路- 深水遊脚短歌4*16-1-14
泡になる人魚を深く吸い込んで永遠を手に入れてしまった- 北大路京 ...短歌316-1-13
七草を七つ言えないまま食べた- 北大路京 ...川柳716-1-12
鳩を蹴る- 深水遊脚自由詩10*16-1-12
スターマン- 殿上 童自由詩20*16-1-11

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