マネキンと違う体型秋刀魚焼く  二十年来使ってきたざるを買い換えた。そのざるには欠点があり(それは使い始めてすぐにわかったことだが)持ち手になる場所にほんの少し金属が出ているらしく、私はなんどもそれによって手を傷つけてきた。傷とい .... 哲学書一冊借りて秋刀魚焼く 夜が明けたら
真っ白の世界
魔法使いが杖をひとふり
呪文を唱えた
犬は喜び 庭駆けまわり
猫のあたしも
心躍る

歩道橋ですれ違う子どもはみんな
いつもよりはしゃいで見える

い ....
誕生日気づかれなくて秋刀魚焼く もう二度と歌は歌わない
そう決めたのは
合唱コンクールの練習の時
隣の子がクスッと笑ったから
以来本当に僕は歌を歌わなかった
音楽の時間は口パクで通したし
歌のテストの日はズル休みをした
 ....
肉体だけが失われた
魂だけになった人々のすむ世界は
遠くて
案外近い、のではないか

たとえば
風の吹いてくる方角に向かい立ち
乾いてゆく眼球の映す景色が
そのまばたきのたびに
一枚 ....
ひとっ風呂浴びるたいときにゲリラ雨 冬庭は音符を奏でる

花の終わった残骸は
案外気難しく
やっと植木鉢から引き抜けば
無数にめぐらせた白い根は
持てるかぎりの土をかかえこんでいる
ああ うたはここからも
うまれてきてい ....
母から聞いた遠い日の思い出話です

貧しい農家だった父と母は
農耕馬に馬橇を引かせ
町の市場へ暮れの買い物に行きました

正月のための食材を買い
家族の冬のビタミン源として
おそらく当 ....
痛む喉気遣いながら栗を剥く 真夏の鳥取砂丘には
ただ一本の樹さえなく
にぎわう人と数頭のらくだの黒い影を
その茶色の肌にゆらしていた

運動靴を履いてきたけれど
砂に足をとられて歩きにくい
切れる息
額から滴る汗 ....
イヤイヤの社員旅行で拾う栗 渇いた落ち葉を踏んで歩いた
湿ったアスファルトに
暗い空から
時折雪がこぼれてきた

かじかんだ手で傘の柄を握り
歩いたことのない道を選んで
なるべく迷子になるように
帰る方角 ....
   晩秋の頃
   血を吐くように
   楓は赫く染まる
   握り拳ほどの肉塊
   女は躯に楓を孕んだ
   命の蘇生
   輪廻転生する魂
   春になれば
    ....
投げるから捕ってねと言い虚栗 視線知る暮れゆくふりの匙加減いずれ闇夜の独りの踊り


上弦の月に委ねた言葉はもう私を離れ空に散らされ


青と白の珠が光に埋もれてく散開星団に積もる埃


星の死は時を経て ....
 突然の驟雨に匂い立つ森が私を呼んでいる。
 どうしようもなくお前たちに会いたいがそれが出来ない。
 胸苦しさが止まらない。
 次に生まれてくるなら私は森になりたい。

 何かに生かして ....
秋の雲じしゃくあそびの砂鉄かな 時々思考が靴擦れしてしまって
開いた口が痛い痛いと叫んでしまう

時々思考がふやけてしまって
歯ごたえのない口になってしまっている

時々思考が気化してしまって
きかない筈の口も ....
 
太った

ぶくぶくと

心はやせていくのにね



 
あなたが水草だった頃
わたしは産まれた
あなたは水草の味がした

ここにつどうすべてのいのちは
いのちをきょうゆうしている
だから
それをざんこくなどとおもわないでおくれ

あなたは ....
憧れの地を目指し
長い旅に出たはずだった
針葉樹林が空を突き刺し
波頭が眠たげにまばたいて

気球に乗った少年が
スローモーションで手を振っていた
漂う筏に寝そべって
分厚い書物を読み ....
朝、駐車場の前に
犬の糞が落ちていた
私は舌打ちをして
それをテッシュに包んで
ゴミ箱へ捨てた

二日後、駐車場の前に
また犬の糞が落ちていた
私は憤慨し殺虫剤を撒き散らし
水を入れ ....
 今日という日の終わりに君の事を想うよ。
 僕の枕元に降りてきた天使。
 信じるってことを忘れていたよ。
 寂しさなんてどこかへ消えていったよ。

 今日という日が終わろうとするその時に ....
マタハラの国じゃ子どもを増やせない シールズのシールド剥がれ落ちてきた 海辺の街で育ったので、食卓にはよく魚があった。
その中でもいわしは定番で、母は何十匹も小さないわしをさばき、わたしたち姉弟三人は刺身が大好きで、先を争うようにそれを食べた。
その際に出るいわしの骨 ....
予想を遥かに上回り
伸び過ぎて
手に負えないほど
細い支柱に幾重にも絡まった蔓を
所々自分で縛った紐をほどきながら
根気よくはずしていった

はじめは
知恵の輪をはずすようで
楽しか ....
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ありかさんのおすすめリスト(223)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
マネキンと違う体型秋刀魚焼く- 北大路京 ...俳句215-11-28
夜更けの紙相撲「記憶にさえ残らないものたちへ」- そらの珊 ...散文(批評 ...10*15-11-28
哲学書一冊借りて秋刀魚焼く- 北大路京 ...俳句415-11-27
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誕生日気づかれなくて秋刀魚焼く- 北大路京 ...俳句615-11-26
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薄暮の街で- そらの珊 ...自由詩19*15-11-25
ひとっ風呂浴びるたいときにゲリラ雨- 北大路京 ...川柳215-11-23
冬庭の音符- そらの珊 ...自由詩18*15-11-22
林檎の思い出- Lucy自由詩15+*15-11-21
痛む喉気遣いながら栗を剥く- 北大路京 ...俳句415-11-21
すなやま- そらの珊 ...自由詩16*15-11-19
イヤイヤの社員旅行で拾う栗- 北大路京 ...俳句415-11-19
散歩《2015年11月18日》- Lucy自由詩15*15-11-18
【_楓_】- 泡沫恋歌自由詩18*15-11-18
投げるから捕ってねと言い虚栗- 北大路京 ...俳句515-11-18
汚染された夜の踊り- 深水遊脚短歌1*15-11-17
曇りの日- ヒヤシン ...自由詩10*15-11-17
秋の雲じしゃくあそびの砂鉄かな- 北大路京 ...俳句515-11-16
思考と口の相関関係- 乱太郎自由詩15*15-11-16
ぶくぶくと- 殿上 童自由詩13*15-11-15
水草と魚- そらの珊 ...自由詩18+15-11-15
憧れの土地- Lucy自由詩9*15-11-14
【_犬の糞_】- 泡沫恋歌自由詩12*15-11-14
眠れずじまい- ヒヤシン ...自由詩9*15-11-14
マタハラの国じゃ子どもを増やせない- 北大路京 ...川柳715-11-14
シールズのシールド剥がれ落ちてきた- 北大路京 ...川柳115-11-12
いわしの骨からあげ- そらの珊 ...散文(批評 ...715-11-11
晩秋のクレマチス- Lucy自由詩16*15-11-10
無駄遣いマイナンバーでカバーする- 北大路京 ...川柳115-11-10

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