トンネルに入ると僕と弟は息をとめた。
車窓越しに流れていくオレンジ色のランプをながめていた。
出口はまだ見えない。

出口が遠くに見えはじめた。僕と弟は苦しくなりはじめ、
父はアクセル ....
そらは まわっているよ
あさやけ あおぞら
ゆうやけ よぞら
くりかえし くりかえし
そらは まわっているよ

このちいさなまちも ゆうぐれ
かたすみのみちを
おとなも こどもも
う ....
スプーンに 乗っている
人待ち指 

のぞきこんでは
大きな眼ばかり

いたずらに
一周させて

どうしても
のみほしてしまいたい
ポーズは

さっき
はじめた
紫さんから見た
僕の瞳は
紫色


黄土くんに聴こえた
僕の声は
黄土色


臙脂ちゃんが読んだ
僕の言葉は
臙脂色


乳白さんが触れた
僕の涙は
乳白色


 ....
床屋から戻ると少年はいつも
美しい母の鼻先に
散髪したばかりの頭を近づける

あら、大人のいい匂いね

それでも早めの夕食が終われば
母は仕事へと出かけていく
男の人のもっといい匂 ....
くちぶえがきこえた

まだうまくはしれない
こいぬのよこで


のんびりはしれ
ってうたってた



くちぶえがきこえた

やくそくをわすれた
おもいでのかいだんで ....
                    122時 @ハト通信

かわぎしにひざをついて
みずをのんでいると
なみまを
わたしのかおがながれてきた
あわててすくいとると
ゆびのあいだか ....
あなたがここを去るとき
わたしはなにもいえない

かんじんの瞬間に、そっとだきしめたり
なみだを流すこともできない

なにも知らないまま
ただ 目を覚まして
朝食をたべて
どこかへで ....
ずっと 遠く輝いてる 星は
もう ずうっと前に 輝いて

今 私がみてるものは 過去
光 とどいているのは 願い

いつまでも まにあわなくて
いつまでも まっていられる

ずっと  ....
あの人は頭にツノがありました
ある日
頭にツノがあって大変ですね
と言うと
あなたはツノがなくて大変ですね
そう答えました
あれを初恋と呼んでいいものか
今でも戸惑います
ただ、あ ....
夕暮れは果てしなく
寂しさの道程を教える


そして
時 人 色 音・・・


全ての条件に
いつでも僕らは
揺り動かされている
ことに気づく



それでも
 ....
落とし穴に落ちている人たちはいつも助けてという

手をさしだすと隠し持っていたナイフで傷つけられる

ロープを降ろして「これをつかんで上って来い」というと

落とし穴のなかでみつけた五円玉 ....
夕暮れの後の雨はどこも優しい
平静な音が響いて
空間が深まっていく、窓の外
思い返すほどに
心落ち着いていく


世界は円になっている
そんな
額面通りにはいかないらしい
言葉が繰 ....
水族館の水槽の
分厚いガラスのような
向こう側で十一月は
無色に捕らえられていた


人々は皆
無色のパントマイムで
街を往く


色という色は
呼び寄せられた十二月のマンホー ....
見知らぬ少年が大きくなり
間違えていないか
何度か数えなおしてみる
口あとの残った譜面や
カロリーの低い清涼飲料水
忘れるたびに覚えていく
右手では保つことのできない
左手のもの ....
古いエレベーターの揺れの中で
僕の細胞は{ルビ篩=ふるい}にかけられた


だけど残った物はどれもこれも
ロクでもない代物に見える


チンと扉が開いて
気は進まないが後ろから
押 ....
1998年5月8日午前3時29分45秒に到る少し前、
S・・・は、冷蔵庫から卵を取り出して、それを持って走った。
S・・・の部屋の電話が鳴る。
Q・・・は空を見上げて、上空の風が強いことを確認し ....
雨水がさらけ出したものは
きっと未来
微量の酸に溶かされて

口には出せない罪だから
沈殿した
醜い鍾乳石

自分達の罪だか ....
とても淋しい人と会って
とても淋しい話をした
とても淋しい店でした食事は
そこそこに美味しかった
それからとても淋しい歌を歌って
とても淋しいさよならをした
目の高さで手を振ると
そ ....
携帯電話を持って5年
その間友達はできたと思うが
ただメモリーに入っている人 というだけだった
一過性のつながりは
携帯メモリーリンク切れ現象を頻発

携帯メール すぐに受け取れる
メー ....
 

ぐるぐるまわる世界で
立ち止まるなんてこと
しなきゃよかった
空が広がって



     何人もの君への想いを
     愛しているかもしれないこと
     と唇から綴 ....

 おなかがすいたらごはんをたべよう↓
 よ              そ
 た              で
 な              も
 か              い
  ....
見知らぬ街の
見知らぬ看板に
見知らぬ字で
見知らぬ言葉が
書いてあったんだよ

と見知らぬ人が
僕に話し掛ける

気弱な僕は
あなたを知らない
と言えなかった
もじれつ のはいれつに
ふるいに かけられた
おでこーろん 

さややかに よこにも
つるきん たてにも

とろく とろ とこ
ちいちゃな いしは 
はじきとばし おー

お ....
ももももも
と地べたから不安が
盛り上がってきた


ししししし
と思わず僕の足は
竦んでしまった


ややややや
と不安は僕の足元から
身体を這い登ってくる


こここ ....
船の停泊しない
図書室には
匂いがない

ブラインドの隙間から
斜陽
カウンターに落ちた
向こうで
司書が背中の羽を
二度動かす

白い付箋のはられた
いくつかの椅子は ....
はめこまれた
月 太陽
けれど 遠い所の土地だ

体でいけない場所だから
波おこして 乗るように
向かう

まわるカレンダーの
赤い丸は 
ボタンになっていて

指先から舟にな ....
                  「メリーゴーラウンド」 12

  ごめんね

見覚えのない人たちが
みんなわたしのことを知っている
という状態が
こんなに落ち着かないなんて
想像 ....
黄昏砂浜
半分埋もれた懐中時計は
壊れて逆回転をします
長針の影が伸びてきて
足元までは届かないまま
夜に溶けていきます

思い出と名のつくものは
一歩踏み出せば届きそうなところで
 ....
地図を書けない花は
恋しと小石の違いを
伝えられないのです
玉兎さんのおすすめリスト(389)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
息をとめて- 渡邉建志自由詩10*04-12-2
そら- こむ自由詩304-12-1
さら_さら_さら- 砂木自由詩10*04-12-1
紫さん- 松本 涼自由詩4*04-11-29
ヘアー・トニック- たもつ自由詩1504-11-26
くちぶえ- 松本 涼自由詩14*04-11-25
かお- アンテ未詩・独白404-11-24
手紙- ャュ自由詩304-11-19
花の星- 砂木自由詩14*04-11-18
童話(初恋)- たもつ自由詩42*04-11-17
とぼり- 松本 涼自由詩3*04-11-16
たすけて- 馬野ミキ自由詩16*04-11-11
スロウダウン- 霜天自由詩1204-11-9
無色(十一月)- 松本 涼自由詩5*04-11-8
晩秋- たもつ自由詩1004-11-5
エレベーター- 松本 涼自由詩4*04-11-2
世界- ふるる散文(批評 ...5*04-10-29
はき出された未来- たりぽん ...携帯写真+ ...7*04-10-28
淋しい人- たもつ自由詩4004-10-26
コミュニケーション不足によるセンター問い合わせ中毒- マスイジ ...自由詩6*04-10-26
着想- AB(な ...未詩・独白604-10-26
おなかがすいたら- いとう未詩・独白1304-10-26
他人- 松本 涼自由詩6*04-10-25
かおんのしゅっぽっぽー- 砂木自由詩13*04-10-25
だけど- 松本 涼自由詩5*04-10-21
図書室- たもつ自由詩3704-10-21
しずく_の_まどろみ- 砂木自由詩9*04-10-21
ごめんね- アンテ自由詩6*04-10-21
懐中時計- ワタナベ自由詩13*04-10-19
緑のしっぽっぽー- 砂木自由詩7*04-10-10

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