さようなら、晴れる人

暮れ際の暖かさ、名残、手のひらの名前を
呼んでいる、聞いている、思い出している
花びらの震える下で潜り抜けた門を
指先で触れるくらいの気配で通り過ぎる
一度過ぎた言 ....
掌に乗る
生命の記憶の
なんと軽いこと
ひょうしょうじょう
あなたは
とてもきれいな
おほしさまを
みつけましたので
ここにそのえいよをたたえ
いっしょに
てをたたきましょう
ならんで
かわらにねそべりましょう

 ....
午前1時
上手く眠れずに

煙草を吸おうとして
小さな丸い換気口を開けると

コォー コォー
とガランとした舗道を
駆ける風の音がした


清らかで濃密な
午前1時の音だ
 ....
錆びた両手で 砂をすくう
そんな行為を繰り返すうち
僕は生きることも死ぬことも忘れ
ただ こうして 此処、という場所にいる


世の中には 神様があふれかえっていた
それぞれを信仰す ....
話せば
話すほど
遠くなり

集まれば
集まるほど
孤独になる
てのひらにドアを取り付けた
白くてとても素敵なドアなので
一度遊びに来てください
と、旧い知り合い数人に手紙を出した
一通が宛先不明で戻り
それより早く金を返せ、という返事が来た以外は
い ....
とある図書館では
借し出しをするときに
「ありがとう」
と言う
「ありがとう」
だなんて

本当は
「ありがとう」
というのは
僕のほうで
これで煙草も
買えるようになった
 ....
うさぎは
「じぶんが
あいされていない」と
かんがえたので
みずうみに
みを
ひたしました

つぎのひ
ぽっかりとうかんだ
うさぎのからだをみた
どうぶつたちは
このようにしゃ ....
ひがのぼり 

ひがしずみ 

またひがのぼり 



そんなまいにちを 

まいにちみているのに 



どうしてぼくはそのとき 

におびえてしまうんだろ 
 ....
  冬の木漏れ日の中で懐かしい歌を聴きました
  懐かしくてももう泣けない自分がいました
  それが寂しくてそっと瞳を閉じました
  太陽が淡く輝いた冬の日のことです


  太陽 ....
地球規模のかくれんぼは

神様が勝ちました

ところで鬼たちは

何処へいったのでしょう?
夜中、目がさめて階下に降りると
君が僕を積み上げていた

たどたどしい手つきで慎重に積み上げ
途中で崩れると
ふうとため息をついてまたやり直す
時々どこか気に入らないようで
何か ....
食欲の秋
だからといって
食べ過ぎ注意

そんなことしてると
相手の言葉を飲み込んだのにも
気づかない


いや
どう飲みこむのと聞かれても
とり とんだ
おもいたって
くものうえまで



とり はばたいた
どこへいこうか
かんがえながら



とり とびつづけた
きぶんがよくって
どこまでも



と ....
ロックなポスターを剥がして花の絵を飾ったら
深窓の令嬢になれるかしら と考えているタバコ屋の看板娘
小さなガラス窓の奥に座る姿は ある意味「深窓の令嬢」?




ホッとひと息 サンタク ....
「ことば」が足りない
そう思ったので
「ことば」を
さがしにいきました

小鳥にききました
「小鳥さん小鳥さん
  ことばはどこにありますか」

小鳥はすこしうたうと
どこかへ
 ....
体中の細胞がいっぺんにしゃべりだしたら
そんな素晴らしい詩はない

分裂を繰り返しながら受け継がれるのは僕だ
どこかで乾燥して剥がれ落ちるのも僕だ

みんなも感じているのだろうか
恐 ....
闇はひどく疲れていたようで
ほとんど私の話しを聞いていなかった

私もひどく疲れていたので
そんな闇を思いやれずにいた


そしてやがて静かに私たちは
重なることなくそれぞれに ....
空が剥がれ落ちていた

無音を描きながら

時間を奏でながら



空たちはみな地に落ちて

染み込んで消えた

あっさりと自由に




せめて僕は

空 ....
寒空の 声が殺せて 頬濡らす
   此処露は泣かぬ ものかと耐えて
おばぁさま おばぁさま お花が咲いておりますの
のんのんさまの おひざもと
のんの のの花 咲いて おりますの

おそばに おられましょうか?
さっきまで
うなりをあげてたヒーターが
お構いなしに突然黙る
きっと勤勉なセンサーは
こう告げたのだ

 もう十分
 暖かくなりました
 わたしの仕事はここまでです、と

寒々とし ....
どうしたんだろう
今夜はひとりがさびしい
よくわからないけど
鍋焼きうどんでも作ってみようかな
彼とは別れちゃったし
次の合コンは新年明けてから
友達は彼と一緒みたい
やっぱりうらやまし ....
えんぴつの上についてる
消しゴム は

何を書いてるのか
知らないけど

間違いは 消す

正解も 消す
グレープフルーツを半分に
ぱっさり、と
切ってごらん
まんなかにはいつも
記号



ぎゅう、

しぼったら
記号のしずくが
溜まるから
飲んでごらん
沈殿するのは
 ....
*は空に飛び出すと
*は*であることがいつも不思議なようだ
僕は両腕を精一杯伸ばして
それから海を囲って
さざ波にブリキ色の半月を映してみる
*は丁寧に覗き込み
綺麗だねと言う ....
十七時の鐘の音は凍え
涙声にもよく似て

僕は此処に
居たたまれなくなる


そして
此処ではない場所へと
小走りで急ぎ出す僕の
おでこに

何も無い様にしか見えない宙に
飛 ....
もしもきみが

きみのぜんぶを

すきじゃなくても

それはあたりまえのこと


だってぜんぶは

だれにも

みえないんだから
冬空の始まりは
少し疲れた
白い横顔

鳥にも雲にも光にも
他人行儀なそぶりで


けれど其処には
秋の最後の雨と
昇ったいくらかの
私も居るのだろう


その頬はふいと
 ....
玉兎さんのおすすめリスト(389)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
さようなら、晴れる人- 霜天自由詩1305-2-20
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午前1時- 松本 涼自由詩4*05-1-31
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記憶- たもつ自由詩1405-1-21
いつも大事なところで言い損なう- 煙と工場自由詩405-1-21
さようならの一つくらい言えるようにはなっていたい- 煙と工場自由詩1305-1-17
そのとき- 松本 涼自由詩5*05-1-7
十三月記- 嘉野千尋自由詩45*05-1-7
永遠に延長戦- 煙と工場自由詩305-1-4
身辺雑記より(七)- たもつ自由詩2205-1-4
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とりとんだ- 松本 涼自由詩4*05-1-3
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- 松本 涼自由詩7*04-12-29
冬の空- めぐみ俳句3*04-12-29
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*- 望月 ゆ ...自由詩12*04-12-19
*- たもつ自由詩6*04-12-19
メッセージ- 松本 涼自由詩5*04-12-15
ぜんぶ- 松本 涼自由詩5*04-12-8
冬空- 松本 涼自由詩6*04-12-6

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