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哺乳瓶を手放した甥っ子が
コップに注いだリンゴジュースを飲み干した。

父に手を合わせ
今すぐにでも伝えなくてはならない。

病院の待合室
「いつか、孫と一緒に飲めたらいいね。」と
願 ....
大きな口を開けた君は
生クリームの付いた苺をほおばっている。

半分が残ったホールケーキの上
苺が欲しくて
「もっと食べたい。」と腕を伸ばせば

ふっ。。と笑ったおじいちゃんが
一口食 ....
ころん・ころん。と揺れる小さな頭

母の背中でねんねを始めた頃合で
父はそっと孫を抱き上げ
つつーっ。とタレ堕ちそうな顎周りの涎を
愛用の手拭いでさっと拭き取る。

すーっ。すーっ。と寝 ....
妹が甥っ子をあやすとき
そこには亡き父がいて
二人の顔を眺めては
歌って声をかけつつも
小さな頭をなでながら
いつでも笑って
あやしている。
冷たくなった父の手の上に
菊の花をそっとのせて
石で棺に釘を打ち付けた
冬の昼下がり。

微かに差した日差しの中で
手を振る父の姿が見えた。

それは
我が子を育む願いのように
手 ....
取れたてのトマトを氷水で洗い
大きな口でかぶりつく。

暑くなり始めた水場の前で麦わら帽子を被り
冷たい水で顔と手を洗う父と私は
虫や暑さと格闘しつつ
畑仕事に精を出す。

太いきゅう ....
昨日届いた今年の新米。
白く輝く米粒が
すくい上げた両手から零れ落ちる。

その日の晩
一粒も残さないで食べなさい。と
母はしゃもじを握って何べんも言った。

白い湯気を顔中に浴びて
 ....
話がしたい、話を聞いてもらいたい、と思ったら
泣きたくなった。

今は一個のどら焼きを
一人で食べている。
分ける人が居ない
半分のどら焼き。
間違えて淹れそうになったお茶に気が付いて
 ....
父の匂いがした。

押入れから出てきた赤いニット帽
洗濯をしないで忘れられたまま
今はもう居ない持ち主の匂いを残していた。

「ただいま。帰ってきたよ。」

見えない姿と引き換えに現れ ....
作りたての甘酒が美味しくて
ふうふう。しながら夢中で飲んだ冬休み。

早くおかわりがしたくて
ようやく席に着いた父に
「もう一杯ちょうだい。」と
私はねだる。

少し困ったような父の顔 ....
父のことを思い出すと
少しずつ少しずつ悲しくなる。
閉じたままの瞳/黙って外した酸素マスク
沢山話しかけても・きつく手を握っても
返事を一つも返さなくなったから。

父のことを思い出すと
 ....
私は、怖い話や怪談が大好きだ。もしかしたら、詩よりも怖い話や怪談が好きだと言っても過言ではない。怪談関係の作家に、怪談史家・小池壮彦(こいけたけひこ)さんと言う方がいる。その怪談を前後の歴史から読み解 .... 最後の瞬間
かける言葉は無かった。

ただ
流されるがままに
「ありがとうございました。」と
言っただけ。

「お父さん死ぬな!!!」と
耳元で叫んだ人の話を聞いていたのだが

 ....
父の眼鏡が光を取り込んで
天井に反射をした淡い粒子が
「帰ってきたよ。」と呼びかける初夏の午前中。

庭では母と娘が
来たるべき新盆に備え
草取りをしている。

うっすらと積もる雪の中 ....
返事の無い玄関先。

「ただいま。」と言って

父の姿を待つ。

去年の今頃は/一ヶ月前までは

奥のリビングから父の歩く気配がした。

今は私から靴を脱ぎ

畳部屋の父の祭壇 ....
こたつを囲んで

テーブルを囲んで

昔と変わらぬ景色の中で

暖かな鍋物をつつく。

だし汁を浸した白菜

ぷりっぷりの海老と鶏肉

ビールで流し込む

つるっつるの白滝 ....
生まれて来ることの無かった叔母さんの魂に

「どうぞ召し上がれ。」と
今年一番の桃を

ざるいっぱいにお供えした。

蝋燭に照らされて

光沢を放つそれらは

早く食べてもらいた ....
繰り返す中に人生が始まり

いつの間にか、落ちてしまった・・・・。

(何かあるなら・何かするなら・生き残るよ・・・・。)

誰かの入れ替わりと

自分とが重なり合う刹那

鮮血で ....
生きているだけで、戦争だ。



言った君の様に

戦う場所は、ここだ。



思った…。。。

くじけないで・くじけないでと

読み上げた

柴田トヨさんの声を聞 ....
開いた唇から落ちるのは

無意識の反動で

顔を伏せた瞬間

「それでも良い。」

の一言が

(覚えのない傷を、増やしたのかも知れない。。)

…気が付いたのは、いつの頃か ....
「もうすぐ、死にます。」と言われたら

誰に何を伝えよう。。

お父さん・お母さんには
「ごめんなさい。」

兄弟・姉妹には
「よろしくお願いします。」

友人・恩師・知人には
 ....
「お願いします。。何卒よろしくお願いします。。」
(甘い夢を抱くなら、来ないでくれと叱られました。。)

○ひたすらにコピーを取って
○ひたすらに運転をして

外回りの約10分間

ほ ....
区切りを迎えると

ぽつぽつと知恵が出てくる。

(ああしたい。こうしたい。)

歳を重ねる度

いくつ位

実現するのだろうか?

○描いているだけの事
○終わった事
 ....
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近状報告__- 梓ゆい自由詩321-5-12
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ほほえみ- 梓ゆい自由詩219-10-8
子守歌- 梓ゆい自由詩118-12-10
お見送り- 梓ゆい自由詩418-12-10
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