泣いている文字は、
餌を欲しがる豚みたいだ。
間もなくすっかりゼロになる。
総体として私たちは息をする。
羽と羽をこすり合わせる事も、しばしば
飛ぶためには必要な事。
 ケンタッキー州はニワトリでいっぱい。
歩いていくことはできない。
アイツ等はアナーキストの自由を説いた。
その一方で、むなくそ悪い音楽を口ずさむ。
砂埃が立つ。十メートル。いや、二十メートル。
ここから見ると、通り過ぎる石ころは驚くほど速い。
幸福よりも興奮を選ぶ世代―、路上に転がる
ポリタンクから危険な液体が流れるように。
 洋服屋の娘は、ハンドバックが見つからない!と
二階の窓からその他一切を放り投げている。
落ちてくる花瓶や本 ....
物体の起源をめぐる言葉が尽きない
カルシウムの時代―
十月、化石を探すにはうってつけの季節
ポケットのついたズボンをはいて
腕組みをして、ぼくは歩いている。
ジュラシック!
君より小さすぎ ....
大工は黙々と
もくもく雲を
鉋で削っている

おが屑のような 白い雲
見晴らしもよく
遠い山脈は 透きとおって見える

黄昏 誰も彼もが眼の上に
反芻いようのないことに
さよならし ....
ヒゲが生えている。地面に。
まぼろしだとしても、ふいに
奪われるとこまってしまう。
剃刀を持っているのだ。
近頃の僕は―
食事をほとんどとらない
俺の胃袋の上方で、鐘が鳴る。
すると、92からなる元素が慌てふためく。
突然、ひだひだが収縮する。凸凹めがけて
粘着質の液体がおしよせてくる。
 俺は唾を吐く。
反 ....
雨がふっている。窓に滴が垂れる。
昨日までずっと眠っていた男が、長屋から降りてくる。
おしゃぶりをくわえて。それは二人目の母親が
くれたものだが 彼女はもう生きていない。
男はまだ眠ったままの ....
猫に追われたネズミが、
Oの形をした穴の中へと逃げ隠れた。
はみ出していた尻尾のせいで
Qに見えなくもななかったのだが、
はたしてそれは問題となるのだろうか。
答えは猫の胃の中だというのに? ....
光沢感のあるベロアトップスの列車が、
ボーダ柄の線路の上を走るシルエット。
三分も経たない内に、次の
大きな国旗形のバックルの形をした駅に止まった。
「ブーツイン」「ブーツイン」
小麦色し ....
魚の形をした山脈。
冬ともなれば、日本有数の豪雪地。
あたりに人気のない山小屋の中で
なまはげがひそひそと話し合っている。
明日の献立は何にする、とか
お面の色を変えてみようか、とか
かぼ ....
思いもかけず月がふくれあがる
―コオロギが膨らましている。
また一匹、また一匹と 
たくさんの虫たちの鳴き声が、
あるいはそこに
誰かの小さなささやき声も混じって、
月にあいている無数の穴 ....
「ぶち猫も欲しがってら。」
ばあちゃんの言うとおり、窓の外で三毛猫が
僕らが食べる蜜柑の行方をじっと見ている。
けれど本当に三毛猫が
蜜柑を欲しがっているかは知らない。
一体全体、僕は(きっ ....
タオルに拳銃が包まっている。
「拳銃が欲しいの。」と、彼女は言った。
革命したいんだってさ。注射でも
打ったかもしれない。
 男が町を歩いていると、
彼女と思しき女性に呼び止められた。
先 ....
静かなところに
土手か あぜ道か
そこらに
とりたてて めでたくもないが
ハーモニカの記念碑を建てよう

風が 風が吹いたなら
地球にたくわえられた音が
プァ プァ
聞こえるような
 ....
郵便屋を呼んだのは誰だ?
赤いバックをぶら下げた男が
急患にかけつけるさながら、
息を切らせて階段をかけ上がってくる。
そして屋上の
フェンスの下に置かれていた
一通の手紙を手にする。
 ....
「それが一番大事」が、
車のラジオから流れている。
はたしてそれが一番大事か?もちろん、と
ぼくはくちずさむ。
「あの人も唄っていたよ」助手席に座る妹が
すれ違った車の運転手を指差して
笑 ....
次々に文字が浮かんでくる。
あるいは、沸いてくるようで
こらえきれずに咳をすると、
吹き飛んでしまう。おかげで
小さな唾の飛沫が染み付いている。
意識するとそれは`PLAY´でもある。
椅子に座った子供が一人、
キンタマをいじりながら
コップに入った水を
ゴクゴク飲んでいる。
 何世紀にもおよぶ戦争。訪れる大災害。
人類の歴史が始まって以来、失われてきた命。
世界の終わりが記されていた預言書。が、
引き出しに入っていた 小さなテーブル。
その上で、写真立てを囲むよう ....
唇の端を赤くした車が止まる交差点で
平行するというより、円還していた
二つの車輪が―、つまり自転車が
ひとりでにゆらゆらと通過していくような
微かな摩擦熱で火がつくような真夜中に
ティーエイ ....
気の触れた亡霊たちが、棺おけの中で水浴びをしていた。と、
バレエダンサーの男は怯えながら言った。それからこう付け加えた。
およそそれは夢だったのかもしれない、と。
そんなことはどちらでもよかった ....
三時になるとベビーシッターの女は
「おやつ」の入った戸棚を開く。そして
それを取り出すと、大きなお尻で扉を閉めて
床に座って足を投げ出し、それからだ。
彼女は瞼越しに日差しを感じながら、まるで ....
昼下がり、蝉のバッチをつけた男が
ショウウインドウを覗き込んでいる。そこには
アンティークのオルゴールが置かれていた。
しばらくすると、店員がやってきてネジをまわした。
すると蝉が鳴き始めてあ ....
記憶喪失の男が、電話ボックスのなかで
世界を止めるダイヤルを回し続けている。

正午頃。―その日はとても暑かった。
路上で倒れた女がえっちらおっちら運ばれていく。
その後彼女がどうなるか、私 ....
ぼくの恋愛感情は
小学6年生だった

授業のチャイムが聞こえたならば
急いで席に着かなくちゃならない

なのに先生である彼女は休みがちで
せまい教室でぼくは自習ばかりしていた

そこ ....
跡形もない道の上にやってくる、まっつぐな照明シグナル。
一体、幾つの尾根を越えてきたのか?数えもせずに―、
しんしんと、それは鏡のような無銘の星々から飛躍する。
彼方からの鋼鉄の遠吠えに、
お ....
狭いスクリーン。ジャンボジェット機の窓に
たくさんのおつむが映し出されていた。けれど私は、
そこに登場しない場面を見ていた。
きみの瞳のなかから。
そう!その通り
未だ窓は狭く世界は広い―
いかにも抽象は馬鹿げているようにみえるが
抽象の後ろを「馬鹿げた」がついて歩くだけのこと
そして「馬鹿げた」の後ろを盲人の「似非」が歩く 
ずっと そのまま 近づくと 灯台は 火葬場の煙突
煙 ....
プテラノドン(335)
タイトル カテゴリ Point 日付
ペテンの詩一篇自由詩2*05/10/14 0:59
ケンタッキー州はニワトリでいっぱい自由詩1*05/10/14 0:46
転がる石ころ自由詩2*05/10/11 18:44
アーケード自由詩3*05/10/11 18:21
十月の化石自由詩2*05/10/8 8:40
「雲と大工」自由詩3*05/10/7 10:07
「剃刀」自由詩2*05/10/7 5:40
「なじみの—、92元素」自由詩1*05/10/7 4:55
夢から覚めた男自由詩1*05/10/5 18:35
Question自由詩2*05/10/3 0:10
着まわし力抜群!この秋大活躍するトレンディアイテム続々登場! ...自由詩6*05/9/21 1:28
なまはげ話自由詩1*05/9/21 0:00
夜のなか自由詩2*05/9/19 1:44
蜜柑の味自由詩6*05/9/16 22:57
チンピラ自由詩1*05/9/16 11:10
ハーモニカの記念碑自由詩5*05/9/15 20:01
サイン自由詩1*05/9/14 21:09
帰り道自由詩3*05/9/6 0:04
「壁」自由詩2*05/9/5 5:01
「夢」自由詩2*05/9/5 4:55
「テーブル」自由詩0*05/8/30 0:44
真夜中自由詩1*05/8/26 4:28
「夢判断」自由詩0*05/8/17 3:27
ベビーシッター、その周辺自由詩2*05/8/13 11:55
「蝉」自由詩4*05/8/10 15:49
なんてこった!自由詩3*05/8/8 22:12
落書き自由詩9*05/8/3 19:21
夜にとぶもの自由詩3*05/8/2 4:43
「飛行機」自由詩4*05/7/28 22:56
METAL FINGER自由詩1*05/7/23 3:16

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