きみはぼくを情熱家だと言う
それで多くのものを得たとも
多くのものの襟を正したとも
でもだ
これだけは覚えておいて欲しい
英語でいう“passion”には
受難という意味があることを
....
朝 陽光と爽やかな風に気づいて
眼を醒ます
ふらりと入った喫茶店の
偏屈そうなマスターの淹れる珈琲がすこぶる美味い
擦れ違った女性の残り香は
懐かしい女性のディオリッシモ
他人 ....
あのひとの笑顔も覚えている
あのひとの号泣も覚えている
あのひとの親切も覚えている
あのひとの冷酷も覚えている
あのひとの口癖も覚えている
あのひとの矜持も覚えている
あのひと ....
もうしんどいんです
いろんなことがです
毎朝起きる度に今日もまたかと
ニンゲン遣るのかと気が滅入るんです
別に仕事に不満がある訣でもないんです
人間関係で悩んでいる訣でもないんで ....
いつも想う
女は宇宙のようだと
いつも感じる
女は永遠のようだと
いつも覚える
女は有でもなく無でもない空なのだと
或る男は
女は楽器だと言った
でもそれは男が如何に愚かであるかを ....
いつも温和なあなた
これからもっと暑くなりますよね
不快指数も上がりますよね
クールビズなんて糞食らえですよね
きちんと糊の利いたシャツを着て
ネクタイもきちんと締め夏物のスーツを着 ....
最近CFを観ているとすべてとは言わないが
腹が立つ以上にむかつきを覚える
理由はアイディアのひと雫もないからだ
そうかなと想うひと一度CFをじっくり
ご覧になって下さいませんか
殆どが駄 ....
決して揶揄の意は込めずこの国は平和だと想う
ただAKB48にぼくは興味はない
安倍政権の外務大臣は興味がお在りになるようだが
狂気とは大きな悲しみを背負い
その上にまた大きな悲しみを背負ってしまう人間の
一種の魂の救済なのだとぼくには想えるのだ
しかし断じてそれは神の慈悲でも慈愛でもなく
滅びようとする魂が為す自 ....
株価はいま乱高下だが一時1万5千台に乗った
今年の大手企業の夏の賞与は去年よりアップするらしい
大阪の中心地の北区で28歳の母親と3歳のこどもが餓死した
そんなアベノミクスに浮かれる隙間で消 ....
ぼくはサイゴンの中央広場で公開処刑を視た
ベルリンの壁が崩壊する前の年にポーランドを訪れ
クラクフからトラバントのタクシーで3時間余り掛かる
アウシュビッツ=ビルケナウ絶滅収容所にも赴いた
....
小3の時お袋が内職の金で
買ってくれた少年向きの一冊の本
読み始めたら辞められなくなった本
高校性になってからそれが
コーネル・ウールリッチの
《黒衣の花嫁》だと知る
お袋は僕のい ....
無傷のままで生きていけるほどこの世はやさしくはない
ぼくのなかで何かが世界を拒絶している
ぼくのなかできみらを強く拒絶している
理由かい?新聞かTVを視れば分かるだろ
敵前逃亡と呼ばれても結構
卑怯者と蔑まされても結構
ぼくはぼくを守 ....
ほんとうに良い仕事をする人間はいるんだ。
いつの世にもどこかにそういう人間がいて、
見えないところで、世の中の楔(くさび)になっている。
(山本周五郎 柳橋物語より)
....
ホラーなのにホラー映画を観るひとの気が知れない
或る深夜観たいものがある訣でもないのにTVを点けた
想わず眼を見張ったそこには見慣れた歩行器を必死に
掴もうとするいつかのぼくがいた
もちろんそれはぼくではなかった
ぼくと同じ脳梗塞で倒れ ....
ひとはね
かんたんにじさつできないこころとからだをもって
うまれてきているもんなんだよ
いませんろにとびこもうとするきみ
いまだんがいのしたのうみにおちようとするきみ
いまこうそうびるか ....
後戻りはよく情けないとか
卑怯者のすることだとか
軽蔑の言葉すら浴びせられ
強い口調で諭されることも
卑怯だとまで言われることがあるけれど
そう言うひとたちにぼくは問いたい
高く跳躍す ....
霖雨が好きだ
騒がしい街を沈黙させるから
落陽が好きだ
燃え尽きる前の灯りのようだから
吹雪が好きだ
すべての存在の輪郭を消してしまうから
昨日が好きだ
もう二度と訪れはしな ....
世界はつねに一歩進んでいる
それは信じないだろうけど
佳い方向へとね
そう想えば
そう感じれば
いつかこの世界は変えられる
そうサッチモが歌った
この素晴らしい世界へとね
....
為すべきことはこの世には存在しない
彼女の歌は歌ではなく
叫びだった
彼の歌は歌ではなく
囁きだった
彼女は27歳で
薬物中毒で逝った
夭折だ
彼は82歳で
心臓発作で逝った
天命だ
でもぼくらは録音で
....
だれもが不公平を一度でも感じるなら
不公平も一種の公平ではないだろうか
Special Thanks to M
ふとChagallの“恋人”を観たいと
新幹線のグリーン車に乗り
倉敷の大原美術館へと向かう
じっとその絵の前でChagallならではの
黄緑色をじっと1時間くらい観つづけた後
また新幹 ....
我等が言葉を失った刻 何を語るのだろう
我等が視力を失った刻 何を視るのだろう
我等が聴力を失った刻 何を聴くのだろう
我等が嗅覚を失った刻 何を嗅ぐのだろう
訪れるのは静寂か虚無か
我 ....
歌えるのに歌いすぎない歌手がいることを
ぼくは知っている
吹けるのに吹きすぎない奏者がいることを
ぼくは知っている
書けるのに書きすぎない作家がいることを
ぼくは知っている
そしてまた ....
果たしてひとつの抗議であり得るだろうか
もしかしたらそれは命に対する敗北ではないだろうか
障害児をもつ親は幸せなんだよ
もちろん なってみなければ
分からないことが一杯あるけれど
人生って奴は
いつでも だれにとっても
脚本もなくリハーサルもない
ぶっつけ本番なんだ
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