しずかにたたずむ ひとは
風の流れる さやかな笑みを
薄紅色の肌ですいこみ
未練なく放熱し
終りをうちあけて

やわらかに傾いた
音色の日差しにつつまれ
緑は青青と奇声を発しながら
 ....
色づいて


色づいて色づい て



会えた
わたし

(現象する
音声に燃えていく
{ルビ紅=くれない}する
空ろな現存の呻き
青ざめる{ルビ夜=よ}

鋭くかげる新月に
引かれる心音のにじみは
血管を震わせて
蒸発してゆ ....
言葉は、からだとともにある。

私がいる限り、声は絶えない。










※(私は私であり、私でもある。)
もう
鋭いところまで、
来てしまっている。

人々は、
気付いているのであろうか。
虚空は、
妖しく、うねりながら明滅している。
あさっての老人は、
{ルビ落葉=おちば}に手を合わせ ....
雨あがりの空ろな声は

流れる雲のきらめきか


雨に湿った
{ルビ濃紫=こむらさき}の瞳がとなえる
つながりの腐蝕は
しっぽり燃える送り火で
季節を含む
風の滅びゆくさまを映す
 ....
灰色の世界に
黒き髪を濡らして
よどみない雨にかたむく
私という空間
よりそう透明に色が映り
声が風に舞い上がる

つながっている命の音色は
かすれることもなく響いて
光に染まる闇の ....
サフラン色の吐息をつめた
紙風船に
虚空の稚児は
灰色の笑みを浮かべている

道なりに歩いていると
小さな星がすすり泣いていたので
モザイク柄の
傘をさしてあげた

陰った景色は
 ....
一篇の詩に洗われて生まれてきた

風のかおりにつつまれて
身をさらし風化して
たわむれの声を聞く

{ルビ盲=めしい}た愛を引きずって
無欲な耳は
{ルビ戯=そばえ}を咀しゃくする
 ....
ひよこひょこひょこかえるのこ

けろけろわらう おじょうさん

さんごぷくぷくうみにさき

さきみだれるわ さくらのら
うなじのあたりが
ピリッピリしている
神経痛かな
いや、それとも
いつものアイツ

アイツは時折姿を見せる
いや、肉眼では見えないのだけれど
幻覚でもない

ソイツは時も場所も問わ ....
私には保証書がない
雨は灰を帰すから
空が大地が、きらめいている
くやしい
鮮やかすぎる日中

それでも静かにお茶する。
珈琲の苦さが、じんわりと重みのなかを通過して沈み広がる
夏でも ....
薬指で唇をふちどる
慣れるということはない
深々と 息を吸う
いっそ無心に吸う

わたしのごちそう
仰ぐ因子
風を口にふくむ
上昇する本能

ここは分解の森
わたしは湾曲した小さ ....
恥ずかしい

忘れていたなんて

どうかしてる

生まれたこと
末端の夜で
日常にある
輪郭のない
さびしさを
手繰り寄せる

その顔は
か細くゆがみ
青白い灯火に
照らされて{ルビ寝=い}
さまざまな角度で欠けている

ほおいほおい
呼 ....
サービスで付いてきた
しおりの柄が気にいらない
本の中身は上等なのに
どうにもこうにも
これではいけない

気にいったしおりを
自分で作ろうか
それでは本に失礼ではないかな
それでも ....
遠のいていく
夢の終りの予感

連続する瞬間の
寓話的イノセンス
遠のいていくわ

音楽的無添加な透過

指の形良く
挟んだ煙草と
くゆる
正視の冷却
覚めてゆく未知数
 ....
洗濯物をたたむうちに
不意に可笑しさがこみあげてきた

昨日までの
それまでの
汚れを落した衣服の形
そうだとしても
ひとつひとつ
笑顔や葛藤や
その他{ルビ諸々=もろもろ}の生活を ....
ふふふっ
気が狂れたかのよう
真夏
圧縮される
熱気にしぼむ
しぼむ沈殿

触れた目差
冷たく遠く
{ルビ一時=ひととき} 水面をみあげるよう

腫れた
光に色も絶え絶え
こ ....
小鳥の瞳に恋をした
少女は
空にキッスして
ことばを失った


{ルビ喃語=なんご}が空を切る
みてみたい
星の誕生する瞬間を
流動する熱い肌

なめらかですべやかな肌
それでも
笑えるしあわせ不仕合せ

今晩のおかずは何?
魚の視界
鳥の羽ばたき
貝の呼吸
ひとりのつぶ ....
亡霊にとりつかれている

幽霊がいるという話ではない
夏の{ルビ最中=さなか}の冬といえばいいのか
忘れることができない過去
どこまでもついてくる
忘れたことまでも
ついてくる

遺 ....
熱い吐息に
幼い印象の前髪は
こころなしか
ゆれてしまって

ほほえんでいればよかった
時空の過失
それがゆるさなかった

遠く
白鳥座の
あれはなんだったか
暗く重く奥ゆかし ....
ひとしれず
くさかげのはいいろに
ある男女のすがたあり

わたくしと
しねる?
    ああ
それがさいごの会話だった

涼やかな目
はいいろが 濃くなる
しなやかでとげとげしい ....
魚になった
私の名を
呼んで下さい

{ルビ愛=かな}しみの風に 微笑みながら
道の空を泳ぐ

白い時に影を落しました

雲に溺れた{ルビ暁月夜=あかときづくよ}
{ルビ白露=しら ....
「 雷 浴 」



あめは
 ふっている が
あつ すぎて
やけに
かわきやがる

かみなり
 を よぼうか
かみなり
 を あびたい




          ....
私の
家の裏には
杉林があって
その向こうには
すこしばかりの空があって
夏になれば
蝉時雨が満面に鳴り響いているのです
しばらくそれを
みつめていると蝉の声が深く
静かに命を説いて ....
オニヤンマは、
空の道をもっていて
すうっと、
夏の光の騒がしいすき間を
無邪気な笑みで通りぬけていく。

この間、
{ルビ明日=あした}の出来事を
うすく
ニンマリ
なんて笑うの ....
どちらから

わたしの見ている世界は一つではないらしい
多次元的(あくまでも「的」)に
連なった酔った琴線

縁側の夜で
わらう猫
どちらから

白の黒さから
歪んだ笑み
しか ....
{ルビ理由=ワケ}もなく泣いた 空の{ルビ下=モト}
見あげればとどかない青い空

手をのばしせつなさ鮮やかに弾けた
絶望の声 咲く花
切望の音 行く風
流れる時をつなぎとめていたい
螺 ....
こしごえ(1126)
タイトル カテゴリ Point 日付
晩夏にて自由詩13*05/9/1 7:33
ほおずき携帯写真+ ...5*05/8/30 17:03
無から未詩・独白6*05/8/30 10:05
携帯写真+ ...4*05/8/29 16:09
ブランコ自由詩16*05/8/26 10:37
季節自由詩6*05/8/25 15:34
くりかえす自由詩7*05/8/23 17:41
失恋自由詩29*05/8/22 15:09
詩子(うたこ)自由詩13*05/8/21 8:49
ひよこ咲く自由詩3*05/8/21 8:17
アンチ苦笑自由詩6*05/8/19 13:09
「かふぇてらす空路(そらじ)」自由詩15*05/8/18 13:43
花火自由詩6*05/8/17 11:07
カサブランカ携帯写真+ ...9*05/8/15 15:03
眠る空自由詩15*05/8/13 12:27
サービス自由詩14*05/8/8 10:57
繁茂する微熱自由詩13*05/8/8 7:57
笑う形自由詩16*05/8/6 14:13
呼吸の永住自由詩5*05/8/5 11:46
青い声未詩・独白4*05/8/4 8:10
空白自由詩6*05/8/3 15:29
それから自由詩2*05/8/3 12:55
九月自由詩3*05/8/1 15:44
とうろう自由詩8*05/8/1 13:45
自由詩3*05/8/1 13:19
「雷浴」について散文(批評 ...5*05/7/31 12:39
蝉時雨自由詩17*05/7/29 19:39
、ゆく未練自由詩5*05/7/29 14:25
それは不意におとずれた自由詩4*05/7/28 16:11
ワケ自由詩4*05/7/28 14:34

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