宙空の先のビー玉の喧騒
夢はわちゃわちゃ過ぎていき
白雲もくもく青空に湧く 

夏の街には太陽燦々
老婆と少女が手を繋ぎ
踊り廻るよ、廻り躍る

死の標的を撃ち抜いて
生の覚醒に眩め ....
渦巻くような痛みのなか
見上げた空はただ
青かった
渦巻くような祈りのなか
見上げた空はただ
無関心だった

夏に
黄昏ゆく世界は
息を呑むほど美しく
わたしという存在が溶解し
 ....
最後の一歩を踏み出すとき
人は独りだ

脳髄には光が溢れ
宇宙が爆発する
生への情熱は未だ
止むことなく
眼下に広がる青い青い海原をみる

最後に眼を瞑るとき
人は独りだ

午 ....
緑の枝葉がやすらっている
熱風に揺らぎ艶々と
太陽は宙空で爆発を繰り返し
燦々と大地に光を注いでいる
俺はとっくに国を追われ
家来をなくし彷徨っている
光の午後を、人々にまぎれ
細切れの ....
雨が降っていた
こころの雨が

青空が広がっていた
うちゅうの青空が

雨も青空も澄んでいた

異様に大きな紫陽花の花房が
熱風に揺れて光っていた
それはこころとうちゅうの境だった ....
曇天が
肉の激痛を包み込む
濃密な青の紫陽花が
熱風に揺れている
後頭部が脈を打ち
心臓は早鐘だ

わたしの自我が震えている
わたしの自我が震えている

一段高い生を掴むため
た ....
落下していく
陽の光が
雪降る宇宙に呑み込まれるとき
青い芝生の上で
独りは独りと出逢い
あなたはわたしに必要なすべて
と、かすれた声で言う
酷い耳鳴りだ
眼底に激痛が走り
脳髄を直撃する
たましいは何処にも行けず
ただ曇天の光が拡散する

肉に縛り付けられ
肉に縛り付けられ

荒い息を繰り返す
暗く深い井戸の底で
わ ....
ぎらぎらと陽が照っている
草木が緑に燃えている
世界はゆらゆらと揺れている

折しも二匹の紋白蝶が
絡み交わり輪を描き
白々と視界を過っていく

いったい何処へ行くのだろう?
自ら描 ....
やさしい
やわらかな
音に包まれ
反復のうち
落ちてゆく
夢の底

青い波、残響する宇宙
たましいのふるさとを歓び
肉の苦痛から解放され
ただひとりに戻る

蝋燭の炎が青白く燃 ....
手押し車を押す老人
たいまつの火は燃えている
異郷のこの地にひとり立ち
遥かな地平を凝視する

わたしはふるさとを持たず
同じ道を通い帰る
痛む脳髄を密かに抱え
それは静かに歩いていく ....
ひとりの月が穴を穿つ

地球のでこぼこに

孤独な肉は
激痛に裏返り

あなたとわたし

夢をみる

虚空に向かい
美しい悲鳴をあげながら
黄昏に沈む太陽の輝きを
僕ら、掴めるか
それは
永遠の光芒だ

肉の痛みの隙間を見つけ
意識の深層に分け入る
記憶が渦巻くイメージが波打つ
遠い声が懐かしく響き
ひび割れた過去を繋ぎ ....
美しい旋律が
肉の激痛を洗う
対極が宥和を促し
浮遊するたましいを
肉は縛り付ける
執拗に

脳髄にテツスイを
脳髄にイカヅチを

肉の激痛に
引き裂かれ
日は沈んで
わたし ....
今を静かさが支配している
静かさは私という不安を抱き留めている
私は静かさのなかで震えている

静かさのなかですべては始まるから
静かさがすべてを支配するから

私は吐きそうになりながら ....
今日は雨降り、光るタール

行き交う人々が音もなく去る

冷え切った身体は光を求め

今日一日の反復を思う

ナニカガなにかを越えていく


積み重なる郷愁が
未知なる世界への ....
脱色された
独りの夢の光景を
激痛走る眼底に、夜な夜なみる
甘美な不安に誘惑され
背後に控える兵士の顔は灰色
迷走する宇宙に終わりはなく
僕を自由にして、僕たちを自由にして、
不安に身を ....
すべて、滅びるために
すべて、花開くために
人は永遠の登攀を試みる

高みへと

 森の眩暈するような紫陽花の青のなか
 陽が落ち夢という夢の宝石箱が
 辺り構わずぶちまけられるまで
 ....
からだが冷えている
外は雨だ
アスファルトは黒々と濡れ
行き交う人々はそれぞれの目的地を持ち
僕はただ震える

季節は梅雨
何も無い不安に僕はおののく
僕は此処に留まらなければならない ....
なんにもない
向こうに
何かがある

王国は滅びゆき
魂の故郷は常に輝き

孤立は一掃され
孤独は俊立し

私たちは
ともしびを失った亡命者

脳髄の導火線に火をつけろ
脳 ....
荒涼とした
この地に独り立ち
おまえの傷ついた足を洗う

地獄にも似た静寂が辺りを覆い
暴威の呪われた異邦の声が響く

冷えた原色の広がり、渦巻く虚空の闇

おまえは微笑む
い ....
静けさ
ちょこんと
座っている
気付けば
夜底に
座っている

私は寝床を整える
不眠の昨夜を払うように
新しいシーツで敷布団を包み
黄色い朝の喧騒に
心の奥処の祭壇が
荒らさ ....
曇天の
日傘をさして
人が行く
マスク模様の子供たち
手を引かれ進みゆく

人は何処へいくのだろう
遥か遠い懐かしい場所
さ迷いながら目指すのか
この明るい宇宙の片隅で
ゆっくり廻 ....
ぱっくりと
無の深淵が口を開く

僕はただ宙づりで
空の青みを凝視する

いつか紺碧が割れるのを
澄み渡る宇宙が開けるのを
清明がたましいを充たすのを
遠く隔たり祈りながら

〈 ....
そのとき
両脇に親が眠り
その真ん中に
自分が横たわっていた

三歳の私は夜中突然目覚め
それから眠れなくなった

〈今、両脇で死んだように眠っている親達がいなくなったら
自分はこの ....
青く微かに揺れる紫陽花
呆けた顔して立ち尽くす人

全てが忘却された雨上がりの朝、

男は綺麗に髭を剃り
キャベツを買いに街に出た
ふくよかな体つきのサウンドが
自らに重なり溶けて
一瞬青ざめ
ゆっくりと身をもたげる

擦れる不協和音とひび割れた赤子の声
夢の中に解き放たれ
途方に暮れた街を転げ廻りながら

記憶 ....
小雨は
薄日を乗せて
銀の色

濡れて
照り映える
ふくらはぎ

白く優しく季節に溶け

小雨は
薄日を乗せて
銀の色

遠く
夏の予感を
膨らませ
哀しみの大地は驟雨に濡れ
ぽっかり空いた穴を癒して

いずれすべてが終わり
いずれすべてが始まり
刻まれる時に僕ら抗えないなら

ただ奥まり静かに見守っている

時が僕らを変えていく ....
空が曇り始めている
白髪がだいぶ増え
床屋の前掛けに落ちてゆく
時は着実に過ぎ
すべて、すべてを追い越し
追いすがるすべはなく

そして雨が降り始める

間断なく、容赦なく
そして ....
ひだかたけし(2717)
タイトル カテゴリ Point 日付
夏空(改訂)自由詩9*22/6/28 19:43
OPEN THE FLOODGATES 自由詩5*22/6/27 20:37
海原と天使たち自由詩11*22/6/26 19:28
王冠自由詩3*22/6/25 18:30
熱風自由詩3*22/6/24 17:17
肉2自由詩2*22/6/23 17:18
独りと独り自由詩2*22/6/22 18:32
自由詩322/6/21 18:34
夏日自由詩322/6/20 18:04
スマイル自由詩5*22/6/19 19:21
ふるさと自由詩6*22/6/19 12:47
悲鳴自由詩222/6/18 19:57
光芒自由詩422/6/17 19:07
引き裂かれて自由詩4*22/6/16 19:04
静かさ自由詩522/6/16 12:17
遠い声自由詩5*22/6/15 19:14
夢の果て自由詩222/6/14 21:03
登攀自由詩222/6/14 18:47
午後模様自由詩522/6/14 13:19
何か自由詩522/6/13 18:11
足を洗う自由詩5*22/6/12 19:10
静けさ、ちょこんと(再録)自由詩4*22/6/11 18:09
日傘自由詩322/6/11 10:36
深淵と青空自由詩5*22/6/10 18:24
ループ自由詩4*22/6/9 18:44
お買い物自由詩522/6/9 11:00
アムニージアック自由詩3*22/6/8 19:42
銀の雨自由詩622/6/8 10:14
自我自由詩422/6/7 18:34
床屋にて自由詩822/6/7 12:50

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