荒れ狂う波、
爆裂の散乱に
黄金は霞み
天空の青、落下する
傾く太陽に
輝く大洋は
次第、波を鎮め
統制する黄金の色彩、
取り戻され
荒れ狂う
は、
静まり返る
と、
....
風の強く吹く未明、
時の窪みに座り身を沈め
深い深い森から射す光、
無力感と空虚を抱えながら
ひたすらに集中し待ち続けて
展開される大地の宏大なパノラマ、
遠く遥かに凝 ....
金星が見えたよ、
暮れゆく空の
透明な青に
輝き出で
それは確かな遠さの刻印だ
燭台の
蝋燭の炎は
ゆらゆら揺れて
聖書は漆黒の闇に
白い枠組みに包まれ現れ
....
響きあるもの
ただあるもの
意味なき宇宙の
ただあるもの
響きあるもの
宇宙のあるもの
響きに潜むもの
ただ在るもの
意味超え宇宙の
ただ在るもの
響きあるもの
宇宙に潜む ....
薄暗い闇のなかを
自由に躍る
漆黒の闇の切迫
予感しながら
夢はみない、
希望はない、
絶望はない、
ただ此処に留まり
この薄暗い闇の位相に、
自由に躍る
真夜中、 ....
愛しい、という感情
愛しい世界、というオドロキ!
アジの開きが店頭に並べられ
幼子は母親が店内で勘定を済ましてくるのを
待っていた
アジの開きを弄りなから、
長らく長らく待 ....
ぶらんぶらんと
そらをみる
ゆらんゆらんと
くもながれる
つきぬけるあお
あおいでいる
わたしはこれから
いなくなる
あかるみに
あおぞらはなつ
あかるみに
あるものあるもの ....
燃え立つ光、アフリカの太陽
肉を感じ、自らを感じる
愛の交わり、この肉を産み
名もなき通り*1を歩いて歩いて
一足の靴*2、色褪せ輝き
造形され、濃密に 在る
過ぎ行く時に、
....
優しく、激しく
ひたすら開かれ
しなやかに躍動し
風は吹いて、風に晒され
熱 巡り
肉を、魂を、
熱 貫き
込み上げるものを、
沸き立つものを、
突き止め突き離し
....
やわらかにゆれて
秋の日差しが
大気をふるわせ、あたため
ひたすら横になる
わたしの苦痛を
くつろがせ、やわらげ
柔らかに眼差す
秋の日差しが
わななく肉を
....
ぽかん、ぽかんと
生きている
危機に瀕しながら
生き生きとして
地を踏み締め
天を見上げ
海を想う
夕陽に燃える
水平線、
湾曲して
波逆立ち
溶けていく
....
俺はこれから
床屋へ行く
伸びすぎた髪を掻き上げる
五本の指に、
確かな熱の伝導
今日も青い青い空が包む
街は人々は光彩に躍り、
肉の激痛は未だ始まらず
俺は大地を蹴っ ....
ゆだねあかす
ときのながれに
ずんとしずみ
ふんといきる
その場に座り込み
明けた空を臨めば
今日は無気力、
と書いてある
脱力して
ふぅと息吐き
なんていうことない
....
暗い森に置き忘れてきた
太陽を取り戻す
深い森に沈んだままの
陽の光を取り返す
捕縛されて
汚されて
捕縛して
汚して
人生はゲーム、
いつの間にか
取り憑かれ
取り ....
痛む眼、病んだ肉体
青い空、道行く人々
街は今日に開かれ、
ぽつん、ぽつりと
言葉をあらわし
わたしは私を突き放つ、
晩秋の街並みに
繋がり起立し
深く浅く息を継ぎ ....
不安定が鼓動を刻む、
冷え切る肉が曝される、
狂いそうになり
静まり返り
狂いそうになり
白壁を凝視し
りんかくを失うわたし
実感が離れていく存在
冷えるねぇ
今夜は ....
白い途をとおって
月の光は
やって来る
ぽっかり
内部から浮かぶ
ように
ひょっこり
内部から立ち上がる
ように
しんとして、しんとして
染み渡り浸透する
肉を掻き分けて ....
層なす雲が
冷気とともに
やって来る
空の青み、
ぽっかり
空け
うっとりゆっくり
歩を進める
わたしの
透明な足を
掬っていく
宙に浮かぶように
宙を彷徨うように
....
「冷たくても、冷たくなくても、神はここにいる」カール・ユング
厳然と老いと病と死のリアル
病み疲れ独りになり響く光
象徴を思考しながら湧く感情
すべて在りこの世界の内ただ全 ....
船に乗る
あなたの影、
月の光に運ばれて
白々と
伸びる途、開ける未知
流動し、輪郭形造る光彩に
非物質の神聖 響きわたる
船に乗る
あなたの影、
月の光に運 ....
ひかり、ヒカリ、光、
溢れ
木々の葉群れは紅に
輝き
移り変わる世界を
見つめる眼、
碧天に溶け
帰来する透明な
この意識に、
秋、黄金となり降って来る
漆黒の
闇に浮き立つ
開いた聖書
燭台に燃える
蝋燭の炎、揺れ
繋がらない世界の
剥き出しの相貌、
切迫する
静けさの響き、
辿り着けない城、
界は奥まり広がり
わずかな手掛 ....
白髪が
人差し指に
引っ掛かり
もつれる時、
深い森は唸りをあげ
不安定な内面を抉る、
汗ばむ手のひら
崩れる砕氷
青い天空は相変わらずに
その豊かな乳房を揺らし
通り ....
朝の光、溢れ
青の天空、雲一つ無く
血流、脈打ち
わたしが居る
踏み切りを渡る銀輪の輝き、
若者たちの声のさざめき、
赤子はベビーカーの中に寝入り、
杖つく老人の覚束ない足取り、
....
ああ、みえる
銀線、無数の半透明
見える、視える
降りしきる雨、
ああ みえる
*
静まりゆく肉に
心は落ち着き
委ね預ける時、
進行の裂け目が
垂直に開く
なに ....
熱、肉に貫入し
顔面、割れ
激痛、破裂する
立ち上がる声、ビート、歌
この独りに、
たゆたいながら
やさしくうねり
こまやかに
ふる、震え、フル、降る
流れ落ち ....
天空の青は相変わらず、
腰を折った老婆が歩む
杖つきながら這いずるように
一歩一歩の肉の意志、
ママチャリを押す母の手が子を包む
地に足を付け刻まれる時、
天空の青は相変わらず ....
真っ逆さまに落ちていく
真っ逆さまに舞い上がる
地平を水平を方向を失う
ただアオ、
一面の青、
広がって
進む時は裂け
在るもの 異様に浮き上がり
突然出現する赤ん坊の ....
秋、どよめく朝に
人は来る 人は去る
石のぬくもり、地の恩寵
川辺に彼岸花 赤々と群れ
戯れる犬、子供
名指され得ぬ天の標的に
生、とうめいな矢を放つ
ささやかな雨は降り
こまやかな雨が降り
時は溶け
時は進む
あなたは在った
あなたは消える
あなたはいない
軽々しく生きて
重々しく生きて
あるもの在る、 ....
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