『忘れないね
私も ずっと
あなたのこと 見てる
ずっと
ずっと……』
ただ
それだけのことばに
託された
大きな やさしさ
涙が
と ....
すべすべした冷たい壁に体を這わせる
赤い唇がささやくようにふるえる
足元に布がまとわりついている
いらないとふと思い
次の瞬間にはその記憶さえ捨てた
窓が無い部屋の中で
白い壁が続く無機質 ....
{ルビ二十歳=はたち}の頃から
四時間未満の睡眠を
二十年つづけたら
六十歳になっていた
自分は
長く起きすぎた
....
その丘は
いつも 風が吹いているので
僕は 立つことの意味を 考える
その丘からは
遠くの川の流れや 大きな樹が作る木陰
彼方の波立つ海が 見えるので
僕は 立ち続けることの意味を ....
ちょっと昨日の返事が言葉足らずだったような気がして。
「読み手の気持ちを考える」
これはすごく大切なことで、やっぱりいつも大切な恋人や友人や家族に手紙を書くような姿勢であった方がいい ....
下弦の月と春の風
始まりもせずに終わりそうな恋心
明日あなたの名を知れば
僕は煙草をやめちまうだろう
明日あなたと目が合えば
僕は嬉しくなるのだろう
明日あなたと話せれば
僕 ....
イエスは言った
私があなたを愛したように
互いに愛し合いなさい
友のために自分の命を捨てること
これ以上に大きな愛はない
仏陀は言った
愛情から憂いが ....
私という人間の核である
“自分らしさ”“自分の生き方”と
悪病巣食う体との間で
激しく揺れ動く
“私”という命
....
棒の如きもの・元日
元日、まだ家人の目覚めぬうち
ひとり庭に降り立ち寒気に浴する
「去年今年貫く棒の如きもの」はあるか
鵯がひときわ鋭く啼く、「私」を糺すように
(引用:高浜虚子、 ....
わたしは ねぇ
ひとって最終的にはひとりだと思って生きてきたの
今でもそう
生まれてくるときも 死んでゆくときも 誰も誰かと一緒にはいられないわ
其処から先はひとりでゆくし ....
マリー・ベル、君の殺意は、とってもとっても突き抜けている。
君によく懐いていたあの子を笑いながら首絞めて殺っちゃうなんて。
僕には、君の殺意が理解できないよ。
なんの感情もナシに、なんの理由もナ ....
夕暮れが好きだ
いかれたケイタイカメラの
曇り空モードで撮った
青い青い夕暮れ
日が暮れるまでの
2時間くらいが好きだった
学校が終わって公園に行く
なにからも自由だった時間
....
ゼップ・マイヤーと
口にした僕に、
「ああ、アンツィングの猫ね」
と君が応えた日
僕の心は、
君に
フィスティングされた
立ち止まる少女 頬をほんのり膨らまして
空白が過ぎる 歩道の横に青い家 白い
カーテンが揺れている 微風に誘われて
春の兆し 桃色の折り紙 鶴を真似る
飛べない羽 海上で踊る光の群れ やがて ....
歯をみがく
歯のすべての面を
みがくように
歯をみがく
いくら丁寧にみがいても
数時間後には
忘れている
だからこそ
細かいところまで幾度も
歯をみがく
....
久しぶりにおばあちゃんに絵てがみを出す。
庭から取ってきたホトケノザ。
よくある絵てがみみたいに葉書いっぱいに描くというのは、
なぜだかどうも私にはできない。
一般的にいうとやや遠慮がちな、
....
お誕生日、おめでとう。
あなたと知り合ってから毎年、3月10日になると
そっとあなたを思い出します。
今日はいい日だったかな。笑顔だったかな。彼女は祝ってくれたかな。
あなたとはじめて ....
確かあれは華の咲く頃
夢も醒めてしまうような青の中から
僕らは最期の空を網膜に焼き付ける暇すら なくして
空虚な 其処 に
放り出されたのでした
――虹は失せたのでせうか…
君はそう問うたが
僕の ....
学習ルームであの娘を殺した君のお気に入りのカッターが僕の首筋に当たっているね。
ちょっと切れてキラキラキレイな血の筋ができているね。
いいんだよ。血のにおいは嫌いじゃない。痛いのも嫌いじゃない。
....
BarRayRayは、
レイ・ビルディングの最上階にカウンターだけの小さな店を構え、
れいれいが店を仕切っている
れいれいはオカマだから
ママなのかマスターなのかよく分からぬが
....
君の涙が
僕の目に
零れ落ちて
共に
泣く事が
できたとしたら
....
ネット詩ってのは
現代詩とポエムの恋だ。
どこまでも落ちてゆく。
難しいこと考えても、しかたない。
もっと単純でわかりやすくで、いい。
じぶんの心が、晴れかくもりか、雨。
それくらいなら、すぐわかるでしょ。
ややこしいことなら、なおさらに。
難し ....
気の早い都会の桜が
春北風(はるきた)に身を震わせている
空とつながって
少しだけ自由になる
{引用=
22番のバスに乗って
窓のそばに立って
18世紀だか19世紀だかの建物の列を横目で見て
ラファイエットで購入したお洋服の紙袋抱えて
前に立ってるおじさんが
....
聞き捨てならんな
お前はあれを首と呼ぶのか
2メートル以上はあるあれが首か
そりゃキリンにだって首は要るだろうよ
持ってたいだろうよ なくしたか無いだろうよ
頭と胴体のあいだにキュッと一本ほ ....
足の指が動くよ
もうこれで
ひとりになった
緑色のマグカップと
それから少しのお金
最後まで残る大事なものは
君がいないあとに
手に入れたものだった
日当たりが
....
しろいそらから
八百万のちいさな
ちいさなほしが
散弾され、落ちてくる。
かれらはまず
手をふってぜつぼうする、
それからとぶ、およぐ、まぜる、
それからたびにでてひとり ....
まだ青系の光が外を支配している
舗装したての車道
履きなれた運動靴で
全速力
走り出す
足首に感じる
くっついては押し出すように離れる
アスファルトの粘着質
足のまわりの音を掻き消 ....
苦手な人が多すぎる。
ちょっと前までは人に嫌われることが怖かった。
同時に人を嫌いになることも怖かった。
人を嫌いになるなんてそんな自分はいかんやろと思っていたからだ。
たぶんな。
あほちゃ ....
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【未詩・独白】いまだ詩ならざるもの あるいは独白
作者みずからが未完成であることを認めた詩作品たち
このカテゴリの作品には以前は批評を禁止していました。今後もなるべく批評は遠慮くださいますようお願いいたします。
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