梅林へ続く道を風に聞く
鼻詰まり梅のかおりがわからない
昼過ぎに出かけて青天を悔やむ
良い影を供に飛行機雲を追う
あおぐ小春日和にすくまぬ手足
思い人などいなくとも春の音
ぽかぽかとしか言えぬ陽にぽかぽかる
あやうくバス行き過ぎる我影な ....
今日は好き明日のことは明日聞いて
そばにいて うんと言えないあなたは優しい
捨てられたタバコの空き箱思いを馳せる
ネックレスわざと忘れたわけではないけど
サッカーに嫉妬していた ....
吠えたちて 主人を守る けなげさよ
増水で 花火大会 流れけり
足元に ネズミ花火の くるくると
ゴキちゃんを 踏んでは流す 涙かな
些かの所労もなくて時過ぎぬ
トラブルの中で浮かぶる友の顔
友人と呼びにし友よ秋深し
友達ととぬだちの差夢二尺
友達というならやめて友達を
秋深しどんぐり拾って歩いてる
....
冬空を元恋人が散ってゆく
変な虫乾いてる神聖な歩道
何人も好きになってわたし散り散り
寒空に陽が当たっても眠る虫
ひとりで呪ったり赦したり無駄無駄
歩くに寒く転がるに風よわし
....
押し入れで眠るギターは夢を見ず
遺伝子の螺子が切れたと誑かす
学部長もう迷宮が足りません
ぼんやりとして逆流を踏み外す
止むを得ず総人口に含まれる
この石はあと何時間もちますか ....
スイカ種 ププッと飛ばす 人の顔
スイカ割り 叩いて気づく 頭かな
スイカ割り 割れた姿は 流血事
こらカラス 俺の西瓜に 手を出すな
すいか待ち カラスに喰われ こんちきしょう
....
重そうな空たおしたら蠅まみれ
光るなら先に教えろ糞稲妻
政治屋の住む通りだけ雪は無し
消えるのは己れが先か火が先か
おまえらがおまえらかどう ....
こし周り いとしい子らの 喰いのこし
死ぬのなら宿題やってからにして
経験が尻の穴から漏れてゆく
からっぽの腹に詰め込む黒い綿
目の玉が飛び出てるから押し込んで
これナイフ食べやすい大きさに切る
眠れない
だけど必ず
朝は来る
憂鬱な
気分にさせる
冬寒く
もう駄目だ
明日になれば
....
聞こえる穿つ音星空に連結する
鴫死す幾たびかは女の群
戸がある不埒な佇まいに兎の介在
風に晒す砂の柩の航路に蛾
雑な渓谷横たわる眼の下から吐息
疾く運ばれ溶ける緑脳裏で阻 ....
ピアノ弾く
指先踊る
バレリーナ
三度の飯を三角に並べて呼ぶ声
水張る桶に垂直に竹槍背後尖らせ
ナッツ噛む海辺は巨大な透明な墓
迂回して絶える血筋の脆い煮沸
傘潰したトンネルに死後鉄パイプ詰めに
泡に寄せ ....
しんしんと 降るは涙か 粉雪か
ひりひりと 空を握る手 掴めない
しくしくと 胸のこの辺 君もそう?
どくどくと 感じているよ そろそろね
ぽとぽとと 背中に書いた さようなら ....
まじない交わす曲がり道射す日とがらす影
振り子の振り幅そっくりに積むごみの管
鴉の纏う銀朝焼けの一カ所に脱ぐ
家族ローソク持ちビルから材木突き落とす
有無の調べが聞こえる窓辺の ....
うさぎの眼 泣いてないよと 睨む{ルビ金星=ほし}
通学路 さようなら僕 吐き捨てて
明日から 殺してしまえ 皆悪魔
{引用=先生見てくださいこれが現実です。}
エロオヤジ 宴会隊長 ひかれてナンボ
わが妻をカマキリと思い頭差し出す
パンツ脱ぎ「の」の字を描けとムスコに言われ
交際費稟議おりずに自腹切る
クリスマス サンタのコスプレ今年 ....
囲まれてクマのプーさんマワされる
お茶の間でドラえもんを押し倒す
オバQを脱がした夜の熱にうかされ
ポケモンを発光させて暖をとる
降り出しにうずくまる背を滴る石
姫が繊細なこころを殴っておしまいにする
ビル食う 草の巨人 林業はさぞかし
火の元に花咲き火の粉が列なす河
泡雪崩平野で拮抗する海女へ
叔 ....
別所温泉にて
浴衣着の 季節外れの 朝顔や
朝霧の モヤが立ちこめ 神秘的
帆を立てて 荒波越えて {ルビ夫婦=めおと}まつ
【御船の松を見て ....
散歩しよう晴れた日には眼鏡を外して
道の晴れた側を歩く君のふくらはぎ
君の横顔に幸せな光が降っている
エイプリルフールにきみを好きと言い
はらはらと花も団子も散 ....
水打たれ倒れる薪 街の火がゆらゆら
反射面多彩に円をえがき地階の水
風に旗食蛾に耽る部下隠す
意中の目からビーム・矢印・分母より増え
鮮やかなトラック走査線で歪む
薪割り ....
買イものNiにイくんだヨ、asita
ほんとうに
嬉しそうに
きみは言った
じゃあ、おれにも
なんか買ってきてくれ
と、おれは頼んだ
♪う〜ん♪♪♪・・・・・
ウ〜♪♪ン〜 ....
のちの世に現る大つむじへ遷都
空洞に発律した胸開く響き
絞め終えた腕青紫まだ蕾
円盤消ゆ数年後の同じ景色へ
生命に結ぶ糸縦穴に垂らす
白夜の森に吊られたくす玉鈍く映る
....
ネズミ寝ず ミミズ見ずして 寝耳に水
どうしよう 後ろも前も 牛同士
虎穴入り 虎捕らずして 虎を撮る
太陽さ ギラギラ赤く ウサギの目
時経って ....
女と猫は、
呼ばない時に
やって来る。
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【川柳】17音律「5.7.5」を基本とした川柳作品のみ受け付けます。川柳批評は散文のカテゴリへ。
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