結局は
みんな
愛のために
詩を書いている
透けるまで薄着して森のわたしためす
集まる紙風を背中でせき止める
不審な針を持ち歩く動きを落日に焼く
筆跡集う闇市に服着せて隠す
雲が昨日工場を飲み子供らの嘲笑
羽根付き ....
港で毛並みのいい犬が火を吐いている
母屋の息苦しさと隣り合わせ箪笥軋む
茂みの兵に気付かず船膨らみ撃たれる
揺らぐ門の前に立ちペットボトル覗く
細かい交差の中火となる鉄幾重に伸 ....
大惨事一歩手前の午前五時
夢をみた忘れたふりして髪とかす
紙に描くきみの似顔絵まっしろで
白さゆえ冬の空見て思い出す
意味はないなくていいから知らんふり
夢枕そろそろお前 ....
この町では
野良猫一匹
待ってない
表示偽装毒物混入次は何?
輸入品頼る日本も問題だ
振られても振られ続ける宿命か?
我侭な君にお仕置きする子猫
砂巻き上げ騒ぐ海ひたと光に遭う
ラジオ壊れて六歳児の名を呼び続ける
指の腹を故郷に向けて押しとどめる
雨に濡れた前髪に目と水たまり
本当は白い青葉を冬に透かす
怯える者の ....
図書館で 独り頁を 捲る夜
埋めらんない 手帳の空白 君のため
許してる ごめんと聞ければそれでいい
一瞬の恋にも五分の魂を
席を取り
悦は束の間
狸寝入り
板前の 仕事仲間を 褒めちぎる
俺たちの 海がコギャルに 奪われた
ピカピカに 光る新型 メカたまご
七日には 予定があります ごめりんこ ....
肉まんをほお張る夫の雪だるま
雪兎踊るは妻の腹の中
この「本文」っていう白い枠見ると濡れる
詩人なら解決すんな馬鹿
女子高生12個のボタンを弦に1曲
100億の言葉は1つの声に負ける
アイフィール ....
鏡のない部屋で山火事を知っている
三角の絵の前に浮く栓から泡
においする村を静かに人呼ばわり
土壁に脆い鴉が鳴いている
空席の朧に縋り尽くす妻
友の内側に鳴り響く湖底があ ....
二回目のテスト結果を信じます
天然度百パーセントを吹聴す
吉の日に占いサイトで過ごしてる
Bっぽくないわたくしの父は誰
双子らと占星術の因果律
....
じっとして
動かないでいたら
首が折れた
きたない手
にぎっていたよ
17歳
通知玄関に溶けている朝の日差し強く
うなじ洗う何も言わず 砕けてゆく舟で
縦に長い穴ですれ違うぬくい犬
息整う窓にうなだれ来る竹林
海に近い頬へ甲羅の痕つける
白日に広げ ....
パネルの群れ従え死す鳥パネルは北へ
公園にノコギリ引き右肩に担ぐ
模型都市あらゆる白い布以外
鉄降る夕方ガス立ちこめ手探りの赤目
眠りを這う温い蛇舐めた目さめて黒
ふめつ ....
心臓の裏から散る紙吹雪赤
時差で今発煙筒を挙げている
刺した画鋲の並行世界で画鋲抜く
引き裂く手の感覚思う丘の上
人魂がある草原はずっと青
何を思えば月のように浮かんでい ....
{ルビYou Suffer=ユー サファー} 硝子の飯喰え {ルビYou Suffer =ユー サファー}
You Suffer {ルビ心=ゴミ}と石くれ You Suffer
....
・2007-09-09
頭脳線ふたつに裂けてゆく体
あっぽうと呼ばれて赤くなる林檎
煙草から目薬にして十日間
この中にまわしを取った奴がおる
・2007-09-1 ....
そのジョーク
醤油顔
なら
許すけど
反省がたくさん出来る三面鏡
一駅を歩いた分がお小遣い
働いて石鹸汚し働いて
小春日や謝っておく手短に
配っても配っても煙突
冬銀河こたつの上にあるとい ....
流域に微笑むかしらがのお婆
湯が森にしたたる空の背中から
ストーブに寄る祖父千度目の感応
逸脱した章の一部に爪を下ろす
濡れかかりに廃墟を突き出るホバークラフト
眩しい森 ....
欺く地図逆さにし折る鶴の形に
光る雲なんか見たことない黒い水の排出
やまくさかんむりさんずいへんひとはしらはし
町並みを星が遮ることもある
渦なれどなぞるには感覚を要する
....
差し引いて削っても足りてない
薄い封筒重ねていく青ざめたスクリーン
花うしろひらく色すみればたふらい
水面の鳩分裂し沈む石
絶えず笑う女と袖を結ぶ習わし
搾られる以前の果汁内包する墓
雨に浸るきれいな ....
踊る阿呆見る阿呆つれて飛んでゆけ
雨くわえ曇すててゆく鳥の群れ
風ふいて燃えないゴミの笛ひびく
人のこと言えない自分ふくれゆく
言えぬまま言おう ....
ちゃんちきち、
しゃくりしゃくしゃく
ふわ、ふわり
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【川柳】17音律「5.7.5」を基本とした川柳作品のみ受け付けます。川柳批評は散文のカテゴリへ。
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