なにか食べたい
あまいあまいお菓子が食べたい
昼間デパートで見た
おいしそうな匂いのするクッキ ....
いつか一緒に死海に行こうと
あの人が言うものだから
いつかっていつだろうかと
わたしは鼻をくす ....
トイレ掃除をするあいだ
いろんなことを考えていた
今日の汚れはしぶとくて
....
君
がんばってる
うしろ ななめ上
気にしすぎて
追われているから
君
がん ....
道はどこだ
君にたどり着く道はどこだ
どんな小道だって
目を凝らして見つけよう
君にたど ....
きらきらした
ローズクォーツの欠片を
人差し指と
親指で 摘んで
のみこんだ
鋭角に磨 ....
海岸からは海岸が見えなくて
これでは砂漠と同じです、あなた
水があるだけよ
ただ水があるだけの ....
うなり 波
粒のあつまり
粉の道と坂
星と指の跡
灰に鉛に明るい ....
紫陽花のトンネルくぐる梅雨だめし ビニール傘が今日は好き
プラスチックの指輪をかざす薄 ....
商品棚に並べられた
きれいなゼリー状のものに囲まれて
カイちゃんが笑ってる
時々ふ ....
退廃的に胸は動いて
物語に首を絞められる
どこにもない物語の
粘膜が私をのんで
溶かそう ....
安全地帯で
おままごと
バラアーチの真下
鬱陶しいほどの香り
白い食器はママのお古
お庭の ....
写真テーマによる五行歌:
1)
アイルでは国花であるという
三・十七には国中が緑に包ま ....
シャボン玉だから忙しい
十階建ての非常階段の一階ごとにセックスする
....
わたしの
からだの
なかに
ながれる
オレンジ
の
いろ
わたしの
はだを
あ ....
玲瓏の雲がたなびく
岸辺
ゲノムを運び終えた生き物たちが
崩れた山のように
積み重なって倒れ ....
ひとは、ただ生きることに満足できなくなった
鳥の羽をむしりとって背中に付けてみたが飛べ ....
もしあたしがのっぽになったら、
高いところのものを自分で取ってみる。
もしあたしがのっぽにな ....
透明な糸が
のびていく
あてもなく
まっすぐと
洗い髪の先端が
とぎれる音と
あなた ....
眠れないまま過ぎてゆく
夜明けとともに
境界線の不在を知る
そのために
昼を住処としたわ ....
090523
ワタクシは
そこで暗転
私は ....
夢であったひとと
夢のなかで くらした
どこにいるときも いっしょで
なにをするときも い ....
初めての朝は海の中で目覚めた
期待に似たものに満ちた光と
生まれたままの姿で
あの人と二人 ....
中二の国語の授業で先生が三篇の小説を朗読してくれた
そのうちのひとつは中間試験に出題されたが
あ ....
どんなにダメダメでも
ダメじゃないよ。大丈夫だよ。そんな日もあるよって言ってくれる。
ありが ....
そして扉の向こう側になにかがあふれている
閉じていた扉をあけるとそこには透明な顔ばかりがあっちやこ ....
キミのあいさつは
風が頬をなでるみたいで
キミの哀しい歌は
心の奥で優しく響いて
....
白く灯るシグナルに
息をのむ
メールは、きみ
こころがふるえる
ばかみたいに
....
土管にスカートをはかせたり
スカートに土管をはかせたり
博士に土管スカートさせたり
スカートに ....
さだまらないか 手品みたいな希望の星 地球
早々と逝ってしまった あの人のぬくもりを
....
紅い頬を削がれて
恥じらいもなく現れた
少女の実を
次々と切り分けて
皿に並べて ....
もう
これ以上
苦しめないで
一生懸命な
その
横顔が
....
どう見ても
人でしかない
葡萄を見ていた
同じ売場で
何度も見てるから
店 ....
現代詩以前にも詩は数編書いていた。
今読み返してみれば、季語ならぬ詩語を並べて詩風にしただ ....
さよなら
といってしまうと
追いかけてこないこと
わかるから
エレベーターの中の
25秒間 ....
まだ遠い夏を
まだ梅雨さえ来ない5月の空に描いて
貴女は揃えて広げた掌に息をかけ
ふうっと、飛 ....
南の風が
町を抜ける頃
温い昼下がりの射光と白い風景画の塗り籠めた下絵の上に停まった季節の翳り ....
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