始まりの朝
衿野果歩

初めての朝は海の中で目覚めた

期待に似たものに満ちた光と
生まれたままの姿で
あの人と二人浮かんでいた

私はすごく幸福で
そうして少し悲しかった
こんなに幸福な朝は
二度とこないと知っていたから

始まりの朝はあの人の部屋で目覚めた
青いカーテンに透けた光が
嘘みたいにキレイで

生まれたての赤ちゃんが
始めて見る光に似ているのかなと思った
希望に似たものに満ちた光を
いつか忘れてしまうのかな


自由詩 始まりの朝 Copyright 衿野果歩 2009-05-23 10:17:06
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