一日についた溜息の数
戯れに数えてみた
一昨日で七回
昨日で十回
今日は八回
忙し ....
夜を急かすように
遠く点滅を続ける塔の先端の赤にも
この街の川は知らん顔で今夜も
静かに月を映 ....
鏡の内部を うろうろ
していたら 自分のことばかり
うっとり 写生する人の
真ん前に 出てし ....
ウサギがピンクに
雲がオレンジに
画用紙が七色に
そんな不思議な
ハイカラ眼 ....
ひとりでどのくらい走ったのだろうか。地平には果てがない。アクセルを踏み続け、車外の狼と平行して草原 ....
うららかな 鳩のような日
もう季節は移り変るという開放感で僕は
浮き上がる
僕は (手ぶらで) ....
しとしとと
{ルビ煙=けぶ}るように春雨が充満して
気付いたら季節は僕らの目の前を
風のように ....
キミに聞きたいことがある
だけど聞けないことがある
こんな想いを抱えて十月
未だに ....
雨粒
ぱく り
うんと高いビルの一番上のレストランなんかより
うんと美味しいって知って ....
今起きている現実は
収束と発散が同時に行なわれ
ともに引き付けあいながら
バランスを保っている ....
定期的でもなんでもなくて、たまにふと思い出したように入るメール。
色のない眼で読みながら、無意 ....
行き場を失った夢は何処へ
諦められた夢たちは
困った顔して居場所を探す
鮮やかに彩られてい ....
跳ね橋が大仰に躍りあがって
銀色の甲冑が通りから姿を消すと
野の草は踏みにじられ
海辺での音の ....
味方が一番近くにいる。
アカ シロ キイロ
濡れるまばたき
闇のコマ送り
向き合い吐く息の
どこまでが僕のも ....
傾いた四月の窓枠に
腰をかけて
うかれる風の様子を
ぼんやりと眺めていた
風は僕 ....
おまえはきいろいねとむかしいわれた
そういうあなたはびょうきみたいとしかえした
あうたびにだきあ ....
これはたぶん
とくいのポーズ
なんだか
亀じゃないみたい
{引用=
久方の (日の光がのどかな春の日だ)
光のどけき春の日に ....
狂った眼で
おまえが拳を震わせている
恐い と思う
そして 負けない と思う
....
立ち止まる少女 頬をほんのり膨らまして
空白が過ぎる 歩道の横に青い家 白い
カーテンが揺れてい ....
東へ行けば犬が跳ね
雨が降り
子供は傘をささずに
自転車で走り抜け
車は水しぶきをあげて
....
歯をみがく
歯のすべての面を
みがくように
歯をみがく
いくら丁寧にみがいても
....
コイツいっぺん殺したろか
しょっちゅう思うのは
殺しても死ななさそうだから
安心だなんて安っぽ ....
舞う君の
姿にこの瞳を
奪われて
映る世界は
光に染まる
粉散らし
光に煌めく
その姿
天女 ....
冬になったら
彼が凍ってしまって
まるきり目を覚まさなくなったもんだから
やさしく体を開 ....
・
好きと嫌いが
ギアの上で揺れていました
わたしはちょっと迷いましたが
結局ど ....
彼女を死なせてしまった罪なんて背負って生きないでって
君は泣きながら僕に言ってくれた
空は ....
体が熱い
熱病にかかったようだ
一ミリも動けない
君を想う気持ちがこんなにも苦しいもの ....
この星から遠く離れていても
君を忘れない
詩に深みが出るように
ハチミツのような心に愛 ....
いつの間にか骨が凍っていたから
熱っぽいあなたの言葉で
解凍された体液が流れ出る
うっとりとす ....
青空を白く
音の粒がわたり
とどめようとする目は
まぶしくまばたく
坂を下る陽
....
起き上がれ
この声で
うずくまる貫く閃光
言葉なくとも
迷わずまっすぐ、届け、彼方へ
花を
花を摘みます
何度経ても
懐かしいと思う
春先
まだ小雪がちらつく
今
....
ツチノコを一夜干ししてゴボウかなぁ
吊革も揺れもくしゃみもおんなじ速さ
いもうとがミミズ ....
かさぶたを剥がす勇気を持てないまま 大人になって
涙目の思い出も忘れて
心の水気が渇いてしまう前 ....
あたしのほしい車を買うには
あたしの貯金は
ちょっと足りない
なのでう〜んと悩んでいる
磨い ....
太陽を越えようか。
どこまでも。
神も理屈も。
無視してさ。
たまには立ち止まって
振り返ってみようかな
たいした事はない人生だったけど
心なしか誇らし ....
ヨーグルト味のキャンディー
黒のパーカー
ファンタグレープ
コンバース
....
図書館前のCDショップで 貴女の姿を見つけました
....
光って闇に落ちるガラスの中で
ゆっくりやさしくながれるメロディの
音符との闘い
....
さがしてみても
しっぽは見つからない
まるで
気泡のような午後だから、
いつの窓 ....
つゆのおもてを奏でるような
かすみの語り部、
八日月
白々しくも、
ゆか ....
8本目の電車
見送る僕
閉ざされた踏み切りに
興味等ない
進むことこそ
....
地殻に居眠りする風の群れ
襟元合わせれば
擦れた羽音
すり抜けた鼓動の列の空
眠らないと ....
あなたが口を開ける
中には空が広がっている
雲が浮かんでいる
舌がある
少し乾燥している
....
扇形は三角形の仲間に入れてもらえなかった
たった一つの辺が曲がっているだけ
ただそれだけの理由だ ....
久しぶりにおばあちゃんに絵てがみを出す。
庭から取ってきたホトケノザ。
よくある絵てがみみたいに ....
木漏れ日の降り注ぐ駅前の並木道で
信号待ちをしている君を見かけた
髪型と服装以外何も変わって ....
こん、こん、こん
夜、眠れないでいると
いつも扉はたたかれる
来たですよ
梱包王で ....
白くつめたい指が摘んだ菫の花束
破綻をつづけるイノセンス
誰にもわからない時を刻む時計
虹色に ....
明日は
地球最後の日
あなたは
きっと忙しいから
今日
少しだけ逢いましょう
私は
....
"i"
嘘の恋も重なれば
いつか本当の恋になるんだろうか
なんてテ ....
俺の手には零れ落ちるものばかり
めげずに何度もすくっているのだけれども
ことごとく零れ落ちる ....
附加し物 遍く賊と 地行く者 獄吏又尚 附加し這う者
死人群れ 旗掲げると 行軍と 生きてさら ....
ねえ もう桜
見上げた空には
花びら
去年とは違う君
去年とは違う僕
川面の色
遊 ....
ぼくは今
2つの分かれ道の前に立っている
1つは水へ
1つは土へ
水は乾いた心に潤い ....
誤解だとしても君が怒ってるんなら
悪いのは僕なんだろうね
ごめんよダメな僕で
....
首の後ろ
うなじあたりに
赤いボタン
押したら
何か変わるらしい
それなら
....
山川駆けて 広いおとこに
影陽捕まえ 強いおんなに
薪をかさねて 干したら眠れ
井戸の ....
真夜中にコンビニに行くのは
森に分け入っていくときの
あの感じに似ている
とても疲れている ....
東京の街に出てきました
あいかわらず僕はなんとか大丈夫です
と誰かに歌った人がいました
そ ....
地上12階から遠望する 驟雨沛然 死ねないシネマ
顔をしかめて しめやかに濡れる ショパンという名 ....
流れる車両に身を委ねて
世界に逆らって辿り着いた駅は
{ルビ鈍色=にびいろ}
還る人々 ....
首筋から
次々と抜け出していく
幾筋もの熱の糸たち
あなたを前にほどけて泣いてしまう
朝 ....
僕の孤独に舞い降りる
何度も繰り返し響き渡る
揺るがぬ真実
生を紡ぐ理由
宇宙を貫き通すリズ ....
マテリアルな世界で
確かに便利になった
俺達を囲む電脳世界
なんでもかんでも気軽に ....
灯台の積層レンズから
ここにいる、と叫ぶ声は
遠くからは星
近くからは秒針
海霧に照らし出す ....
何にもない、何にもないってよ俺たち
肩を寄せ合って
それで夢ばかり詰め込んで
どんどん広がって ....
雨が降るよ
こんな深い夜に
追い討ちをかける様に
雨が降るよ
雨音は単調な二音の ....
懐かしいノートを 取り出した
短い詩と ともに 行ったり来たりする心が
眠っていた
そうだ ....
もっと北の国では、雪が降るという。
ここでは雪は降らない。
でも、風が吹く。
そして、空 ....
人ごみに押されて流されながら
また目的に届けない場所に戻っていく
欲しいものは少しだけ先にあ ....
太陽を覗く
開いたばかりの瞳
裏側にあるものが見えるか
嗚呼眩しすぎて
嗚呼霞む ....
その時何を考えていたかは
とうの昔に忘れてしまったが
其処から見ていた景色が
哀しい程美しかっ ....
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