下駄をはく爪さき紅くはにかんだほら朝顔がしじまに惚れた
           
              

   かなしみのかなしみの声聴こえたら痩せた背中の骨なぞらえる ....
下町の団地の小さな台所で
母が作ってくれたホットケーキには
必ず人参のすりおろしが入っていた

海を隔てた異国の地で
日曜日の朝私が作るパンケーキも
やはりほんのり柑子(こうじ)色

 ....
詩人の方々
告白します
手元にある数十冊の詩集
八割以上は古本屋で買いました
おまけにほとんど百円コーナー
いくつかの本には裏表紙に
詩人のサインと送った相手の名前
生々しく痕跡本です
 ....
壊れ 乞われて 雨水 休む
歩道に映る目 とんじぇだなあ

傘さし濡れずに 草 飛ぶ蛙
追ってたたずむ とんじぇだなあ

黒雲 ちぎる手 強い風 往く
片手 ぶらぶら とんじぇだなあ
 ....
三尺寝とあるラジオの夢を見る  ところで洋子のことだと思いながら
 お父さんは鉄板上のオムソバを前にしている
 オムソバを最初に発案した人は神様じゃなかろうかと
 焼きソバを卵で包むという所業など
 もはや神の領域に達して ....
土曜日の午後
コーヒーショップに子象が入ろうとしたが
ドアに胴体がはさまって
そのまま動けなくなってしまった
店の外から象使いの少年と通行人が
しっぽを掴んでエイヤッと引っ張っている
 ....
LDだの、ADHDだの、自閉症スペクトラムだの
九歳になったお前に 世間は余計な名前を被せたがる
だけど お前に授けた唯ひとつの名前、
それはマリだ
英語ではMarie
表記上 e が入る
 ....
夜がしのびこんできた、体内に、夢の続きがみたくてごみ箱をあさった、夢のなかで、あんたの首筋から鎖骨にかけてのへこみに野花を飾って、希望とかなんとかについて語るわたしたちの唇に寂しい思いをさせないように .... 力の抜け感に 心地よく応えてくれる スミレ色の風
我の張る もろい盾をすり抜ける 経験値の皺くちゃ

階段の装飾を磨いて あなたが上がりやすく
踊り場の窓には スミレ色の風が心も透き通るように ....
きょう美術館でシャガール展は観なかった

美しい青が踊り

悲しくなって微笑んだ

僕は僕の人生とミスマッチしている

一人の時にだけ呼吸する

奇妙な半魚人だ

夏に生まれな ....
太陽のしたり顔を避けて
君の水辺へ下って行きなさい
蜉蝣の翅のように影を透かしながら
夏の斧で頭を割られるその前に

美しく人目を避けながら
地下のカフェへ逃げ込みなさい
壁画を歩く蛇の ....
平和な殺戮は淡々と行われる
青臭い血の匂い 寡黙な絶叫
ゆるやかな風は心地良く運ぶ

住居を追われ逃げ惑う虫たち
ピンポイントで狙いを定める
鳥たちは戦闘ヘリ

うららかな陽射しの ....
乾いてる軒下暮らし梅雨の日もそれが定めとうな垂れて

ほんとうに美しい玉葱の芯どうしてもほら泣いてしまいます

玉葱の玉を採ったら葱だらけでもそれは夢{ルビ二兎=にと}を追うひと

玉葱の ....
 
路地裏を通り抜ける豆腐屋のラッパは
夕暮れによくにあう

かくれんぼの時間が削り取られて
ひとり帰り ふたり帰り 
隠れたまま鬼から取り残さて
気がつけば夕闇につかまっていた
どこ ....
ポプラが空を掴む
悲しみにざわめきながら
母の袖を引く幼子のように

風の指先がかき分ける
激しく 優しく
トランスする巨人たち

幾千万の囁き
言の葉は巻貝を廻る
古の涙から ....
コーヒーを飲んでいると
窓に伝書鳩が降りてきた
うん? 私に宛てて?
指にパン屑を乗せて差し出すと
小さな嘴でせわしく啄ばんでくる
ふふ 可愛いやつ
光沢のある胸を撫でてやると
クク ....
竜骨座の主星カノープス 大小のマゼラン星雲 月に遊ぶ人魚 南天の星々は僕を魅惑する

散文的な日常 それも嫌いではないのだが 僕はほんらい空の生き物らしい

ただ地上では羽をもがれたバッタのよ ....
何故自ら受難者になる必要があるのか?
四度でも五度でも席を譲ればよいではないか!
そして今日は沢山の人を助けられてよかった、と
胸を張って夕焼けを見ればよいではないか!

満員電車の中
三 ....
風の愛撫に
はらり ほろり
八重桜が泣いた

すらり と知らん顔
真新しい翅を輝かせ
トンボは行ってしまう

墓地への細道
静かな午後

まだずっと若かったころ
感性は魚のよう ....
笛吹きケットルが壊れて
笛吹かずケットルになってしまった
笛を吹かない笛吹きケットルは使い難くて仕様がない
ケットルを買い変えようと思った矢先のこと
突然 笛吹かずケットルが言った

   ....
風になびくしなやかなロン毛
枯れ木のような長身の体躯
痩せた頬 ニヒルな口元
あいつは武蔵野の小平市あたりの
砂塵の中から姿を現わすと
背にしていたソフトケースから
フェンダー・ストラ ....
両翼を広げて谷間を覆う様に飛んで行く



渓谷に遊べば

すくい上げたのは 6月の空

まだ 冷たいね

あー
ホウノキの葉
何枚の葉が あの子を支えているのだろ

 ....
あるいは鯨の骨 沈殿物 太古の海辺
神殿の蛇 翼竜達の叫び 彫刻のまどろみ
忘れ掛けた部屋 壁にかかったタペストリー

美しく研ぎ澄まされたもの 日常を剥ぎ取る鋭利 独占された愛
失望の日々 ....
 し ご と を し の ぎ

  こ こ ろ こ か げ に

 み え ぬ わ き み ち 

  と き が と け だ し
 

 
美しく病んだ六月の背中で
僕らは夢か ....
あっちゅと畑で取ってきた
モンシロチョウの卵は
タイミングが悪く
キャベツの葉が萎びるまでに
孵化しなかったので
学校で廃棄処分になりました



モンシロチョウの卵を
 ....
インディペンデンスを望んだ亀は地平線に向かって歩む
燃え尽きない幻想を追って疾走する夢を見ながら
彼に自嘲は似合わない悲壮がよく似合うのだ
孤独な亀は金色の月をのぞむそして嘆息する

世界は ....
 
肌をなぞってください、つーっと、

電気がはしるまで

そしたら、きっと忘れてあげるから


 
ある日クローゼットを開けると
床の上に散らばったネクタイの塊が
視界に飛び込んできた
どうしたものか…?と一瞬迷ったが、
とりあえずそのまま扉を閉めた

数日経って再びクローゼットを開ける ....
イヤイヤと横に首振る扇風機
灰泥軽茶さんのおすすめリスト(1083)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ひとつぶ- 石田とわ短歌11*13-8-17
柑子色のパンケーキ- 夏美かを ...自由詩29*13-8-17
告白と言い訳- ただのみ ...自由詩24*13-8-11
とんじぇ雨- 砂木自由詩10*13-8-5
三尺寝とあるラジオの夢を見る- 北大路京 ...俳句313-7-25
木枯らしお父さん- 平瀬たか ...自由詩10*13-7-24
あんた誰?- 壮佑自由詩25*13-7-23
マリはマリなのだから- 夏美かを ...自由詩40*13-7-21
空白になったら曲がれ- ざらざら ...自由詩1013-7-21
スミレ色の風- 朝焼彩茜 ...自由詩613-7-15
きょう美術館で- ただのみ ...自由詩28*13-7-14
地下のカフェで- ただのみ ...自由詩24*13-7-10
草刈り考- ただのみ ...自由詩24*13-7-1
玉葱なひと- たま短歌25*13-6-29
日暮れ刻- イナエ自由詩25*13-6-27
風と踊るもの- ただのみ ...自由詩19*13-6-26
風と共に去りぬ- 壮佑自由詩17*13-6-26
南十字星- 梅昆布茶自由詩1413-6-26
名詩『夕焼け』の娘の感受性- 夏美かを ...自由詩26*13-6-15
墓地にて- ただのみ ...自由詩28*13-6-13
笛吹きケットル- ただのみ ...自由詩21*13-6-9
遥かなるギターバトル- 壮佑自由詩16*13-6-7
ホウノキ(朴木)の花が咲く頃- ぎへいじ自由詩18*13-6-7
研ぎ澄まされた- 梅昆布茶自由詩713-6-6
散策迷路- ただのみ ...自由詩19*13-6-5
モンシロチョウの観察2- 鵜飼千代 ...自由詩24+*13-6-5
孤独な亀- 梅昆布茶自由詩713-6-4
そしたら- 殿上 童自由詩23*13-6-3
クローゼットに潜む魔- 夏美かを ...自由詩25*13-5-31
イヤイヤと横に首振る扇風機- 北大路京 ...俳句413-5-28

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37