おしまいの先で出会った物語
文脈で星を繋げる帰り道
余白のなか 猫がすやすや眠ってる
あなたは源氏の白旗に付くか?
それとも平氏の赤旗に付くか?
平氏は清盛のとき、保元、平治の乱に
勝利し、一門栄耀栄華を極めたが
命を助けた頼朝、義経等の挙兵により
壇ノ浦に一族運命を共に ....
何度観ても飽きない
バレエ団、プリマ・バレリーナ、演出
振付、舞台装置、衣装が違えば
また違った楽しみ方ができる
はじめて「白鳥の湖」を観たのは
大学生のときだった
ソビエト(ロシ ....
カーブミラーに映されている神社は
かつても
これからも
一度も存在しない
*
残された靴を
一室に全て保管してあるという
棚には老若男女の区別なく
薄墨色をした ....
風に叱られた旅人が
背を向けた空は
どこまでも追いかけてくる遠ざかる空
色の無い窓めがけて
覗くように聴こえてきた音と音と音と、
その音達の、遠き想い出
いつしか、
ひっ ....
孤独に身を置きたい
そして独りに徹したい
寂しさの中に生き
時の旅人となり
詩にうずもれたい
不幸の時のほうが
独りの時のほうが
いい詩が生まれるという
喧騒からはなれ
....
秋の思惟が
コスモスの群れ咲く上を流れている
うす青く光りながら
ゆるやかに流れている
それは誰の思惟なのか
知らない……ただ秋にふさわしく
さびしげにうす青く光って
ゆるやかに流れ ....
本当に心底悲しい時
ひとは涙を流さない
悪魔とはいつも
冷たさにふれて
その姿を現わす
冷たい仕打ちで生まれる
殺意という悪魔
冷たい言葉で生まれる
憎悪という悪魔
冷たい態度で生まれる ....
錆びないように油をさして
繰り返し終着駅だと叫ぶ
スピーカー越しの君の眼は
老いた牢屋の有刺鉄線
B玉をはじくように嘗め回し
避雷針を倒して遊ぶ
此処は{ルビ何処=いずこ}の鬼 ....
十人十色と言うが
実は三人ぐらいは
同じ色の人がいるから
七人七色なのだ
人は彩られて
生まれて来る
虹には白がないように
生まれながら
真っ白な人はいない
人との重なりかたで
....
台風の奴が過ぎ去っちまえば、
我が意識はまた、パソコンあさりを再演し始める。
母の一周忌が過ぎてからでいいと思うのだが。
6万ぐらいで、メモリーを16gbにしてとか、
hdは、1tでいいか ....
ひとはそれぞれに
生き方や経験だけが醸し出す
そのひとだけの香りを漂わせる
堤防決壊の原因を説明する
専門家の話は
誰が聴いても納得できるものだ
ボトルネックとかバックウォーターとか
蛇行の外側に加わる遠心力とか....
こんな簡単な ....
優しさだけがある人のなかに 太陽がおちて 夕焼けが終わった
冬の空より退屈な人ね
ひなた雨がいう
そういう雨も そうとうに退屈なかおをしていて おれも ついおおきなあくびをした
....
電車に乗ると自宅の電気が消えた
おかしいなと思い電車を降りて電気をつける
大丈夫そうなので再び電車に乗る
今度は台所の水が止まらなくなってしまい
電車を降りる
蛇口を逆にひねると水は止まり改 ....
沈黙に座す
死の腐臭を嗅ぎながら
沈黙に座す
未知の芳香を浴びながら
ひたすらに
草を食む牛
只在りて
〈牛〉は無意味な滑稽だ、
のんびり泰然とそこに居て
私は食まれる草 ....
愛なんて嘘だけど
でもとても綺麗な嘘なんです
また人生も嘘だけど
でもとても美しい嘘なんです
だから悩まなくていいのです
愛だって人生なんてみんな嘘なんだから
愛や人生に悩む必 ....
画用紙に緑でおとうさんを描く
ひまつぶしに雲のかたちで遊んでる
きみの日はきみに出会えた日のことだ
ヨーイ ドン
校長先生のピストルで
ランナーはみんな逝ってしまった
あれからぼくは
どこを走っているのだろうか
豆腐屋がある
醤油屋がある
精米所がある
お寺があり風呂屋があり
....
君が好き
の、
なかに
キスしたい
とか
いやらしいこと
もっといやらしいこと
それ以上にいやらしいことをしたいっていう
エッチな気持ちが入っているかどうか?
正直に答えると、
....
虫の音が
その訪れをささやき
雨粒に溶け込んだ
その香りが
地上の汚れを
清めながら
焼けついたものすべてを
冷やし
夏の暑さを
....
この世のものとは思えない
美しさ
妖気がただよい
みる者すべてを
ひき込むような
透明度
世界中のあらゆる街から
すべての失われた恋が
....
そよかぜが
うつくしい少女に
恋をした
その長い黒髪に
ふれたとき
あらいたての
シャンプーの残り香のような
フローラルな香りが
ただよい
....
ボンヤリ鬱状態でコーヒーを飲みながら、
トーストが焼きあがるのを待つ。
そういう時間を味わうのもオジサンは好きなのである。
不寛容なジジイでいたっていいじゃねえかバカ野郎。
爽 ....
草原で踊りもせずに、海岸で泳ぎもせずに読書に耽る人を馬鹿にしていた、そんな夏に
好きになった少年が
寂れた展望台で静かにひらいたタイトルをひそかに探して
わたしはあまり踊らなくなって、あまり ....
季節はいつの間にか
窓の景色として生まれて来る
わたしは、
季節を食べることもできる
触れることもできるし
ときには、憎むことさえできるのに
馬車のように疾走る季節を
掴ま ....
恋心がヒラヒラと舞い降りてきたのだろう
その頃わたしは夢をみない文学少女だった
なんて可愛げのない十三歳
だったんだろう
素直に夢はみればいいじゃない
語ればいいじゃない
それ ....
{引用=*筆者より――ちやうどこの時期、十二年書けずにゐた詩作が復活して三ヵ月が経ち、十二年分のマグマの噴出が落ち着いたこともあり、いま読み返すと力が抜けてゐる感があつてそれが良い方にも悪い方にも出て ....
春の神はいそがしい
あるときは冬の姿になり
次の日には
夏の暑さを装う
雪どけの水に
色あせた枯葉たちを
はこばせ
恋人たちに 別れた秋を思いださ ....
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