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街に雨が降っている
いくつかの記憶が断片のまま転がっている
僕は君に呼びかける
かえってくるものが自分の谺にすぎないと
知っていても
それは君がいなければ
生まれなかっ ....
君は淡いたそがれを纏って
窓にもたれていた
蜃気楼も虹も流星も
いつか共に見たその窓
その面影が
いまもこの部屋を染めている
君の言葉の記憶が きれいな水の雫のように
滴り落ちて 私 ....
夏にだけあらわれる
小径の奥に
ひっそりとした場所
そこにやわらかな墓標がひとつ
あたりを囲む緑のざわめきの中に
なぜかいつも感じる
揺籃の気配
その中には多分 壊れた玩具の ....
水の上に花が咲いている
花の姿が水にゆらめいている
それをながめながら
幾重にも愛を囁きながら
幾重にも別れにふるえているような
このひとときに
いちばん告 ....
チューブから絞り出されるのは 炎
いくつもの炎がのったパレットから
その人は筆に炎をとり 絵を描く
パレットはいくつもの炎をのせながら
焦げることもない
筆もまた
炎をのせられたキャン ....
春の遠くに薄雷が鳴って
さみしい とか
かなしい とか
形容しても詮なく
雨は降り
菫の花を濡らし
己が
いともたやすく傷つく
ということに
また傷つきながら春の長雨
形容 ....
気配を交わす
凪いだ水面に立ちこめる霧のような
気配を交わす
かたちあるものは
言葉にしたものは
どんなにいとおしくても
見つめつづければ
ゲ
シュ
タ
ル
ト
....
踊れ
踊れ
誰も皆{ルビ仮面=マスク}をつけて
踊れ
踊れ
とめどなく流体化する世界の中で
踊れ
踊れ
どのリズムで
どのメロディーで
それは好きに選べばいい
踊れ
....
僕は夜明けをあまり知らない
けれど夕暮れならたくさん知っている
薔薇いろから菫いろへとグラデーションする夕暮れ
金色の雲が炎えかがやく夕暮れ
さざ波のような雲が空を湖面にする夕暮れ
不吉 ....
秋の思惟が
コスモスの群れ咲く上を流れている
うす青く光りながら
ゆるやかに流れている
それは誰の思惟なのか
知らない……ただ秋にふさわしく
さびしげにうす青く光って
ゆるやかに流れ ....
やわらかな月の宵に
ものうげなアルルカンがあらわれる
ここに来てくれてありがとう
匂菫の花束をあげましょう
少し遠くの霞んだ墓地では
姿のないコロスたちが歌ってる
アルルカン その歌に ....
不思議
深く眠りながら
果てしなく醒めている心地
見えない舟が 横たわる僕を乗せて
透きとおる彼方へと 漂ってゆくよ
夜は青く
あえかな香りが僕を包む
この流れのほとりには 何処まで ....
壊れた時計をいくつか
この部屋に飼っているので
どうやら時空にちょっとした罅が入ってしまったらしい
ふいに宙の思いがけないところから
時ならぬクロッカスの花が咲いたり
誰のものとも知れぬ指た ....
アラガイsさんの塔野夏子さんおすすめリスト
(13)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
call
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塔野夏子
自由詩
6*
25-1-17
窓のある日々
-
塔野夏子
自由詩
3*
24-10-17
やわらかな墓標
-
塔野夏子
自由詩
11*
24-7-21
水_鏡
-
塔野夏子
自由詩
9*
24-6-9
炎彩画
-
塔野夏子
自由詩
8*
24-5-11
薄_雷
-
塔野夏子
自由詩
3*
23-4-19
気配を交わす
-
塔野夏子
自由詩
3*
21-3-11
マスカレイド・デスパレイト
-
塔野夏子
自由詩
5*
20-5-15
夕暮れ見本帖
-
塔野夏子
自由詩
5*
20-1-13
秋の思惟
-
塔野夏子
自由詩
1*
19-10-23
早春のアルルカン
-
塔野夏子
自由詩
6*
15-4-7
見えない舟
-
塔野夏子
自由詩
7*
12-2-27
出現者たち
-
塔野夏子
自由詩
13*
10-10-21
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