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触れる息づかいの細かさが、
粉雪となって降りしきる夕闇の皮膚。
染みのように足跡が
水平線に向かって伸び、
従順な獣のようなひとときが、
手ざわりに消えていく。
顔のない人々が、
薄い膜 ....
ほら
こうして
鈴をつるしたフラスコの
空気をだんだん抜いていく
鈴の音はやがて
震えるだけの記号となって       

あのフラスコにわたしは
どうしても
ティンカー・ベルを入れ ....
小さな鳥
青空は狭くて
泣き声は飛ぶ

都会の喧騒が過ぎ去った朝は
いつも汚い


それは満員電車の人だかりに
揉まれるばかりではない

空ろとけだるさと真新しい光が混ざる朝は ....
夕暮れの川辺に浮かぶ
黒い人影は芝生に腰をおろし
ちぎれ雲に目を見やり
ぎたあを抱いて

  ぽろろん ぽろろん ・・・

黒い人影の胸には穴が空いており
ぎたあの体つきとどこか似 ....
青空に戦闘機が飛び交うようになってしばらく
故郷をなくした
自分ん家はもちろん
ピンポンダッシュしてまわった近所の家も
鬼ごっこをした公園も
灰の舞う黒い大地に変わってた

国民の激励と ....
ゆるやかに弩放たれ、
手のひらが裂けてゆく。
破れていく皮膚がいろいろな声とともに散る。
なにものかを握ろうとしていた形そのままに、
散乱していく限りなく薄い感触は、
体温を残す残像となって ....
おれが人間味を失いはじめる
二日月の一日
おれは昼行性のホモ・サピエンスらしく
眠ろうと試みている

もうすぐ明け方になるらしい
九月なかば
エアコンのない部屋は
こんな時間にもまだま ....
終わらない夏に迷い込んだ

遠ざかる海の青と君までの距離と

どうしても掴めない明日への{ルビ道標=みちしるべ}

灰色の街は誰も居ないよ

壁の落書き程度の罪と罰

遊泳区域の檻 ....
八月、うずくまっている

土のうえに手を置いて
雨がその地面を濡らさないかどうか、君と賭けをする
そうして動けないものだから
悪いものたちがやってきて
首の後ろあたりに留まっていく

 ....
いまそこにピアノ教室があったの、って
水銀のけむりのようなわらいかた

こどものバイエル 残酷な風景に寄り添う
音楽
あなたが舌のうえのやわらかいスイッチを押す

(どんどんだめになる) ....
古い倉庫、砂埃に覆われたコンクリートの床は
汚れた床とは二度と呼ばれることはなく
砂埃ごと床として在って
鉄パイプの配置もダンボールの配置も
いつしか放置に変わって


私は ....
倉吉病院にきちがいを連れて行くと5000円もらえる
倉吉病院の裏山には隔離施設と秘密の沼と竹林があって山を越えると
東伯郡になって梨園に出て夏になるとおいしく食べられる
竹林の奥の井戸のトタン板 ....
散歩の途中で
くしゃみをすると
塀の向こうから犬に見つめられて、困った
立ち止まって見つめ合ってみるけれど
悪いことをした
わけではなく

少しだけ難しいことを
難しく考えてしまうから ....
鉄塔の
鉄塔の遥か
はるか
遥かじゃないすぐ上だよ
あれはヘリコプター


『本当に手に入らないから!』
「本当だよ」
『入らないから!』


手に、
すべ ....
昔、親戚で夏休みに
「みきちゃんがおっぱいさわるのでいけん」と言われて
蚊帳で
あみあみの仏さまの絵や
あみあみの今まで死んだ歴代のおじいちゃんやおばあちゃんや赤ちゃんの写真をみて
お母さん ....
今日は外食にしてくださいと妻が言うので
日曜日の夜、家族でファミレスに出かける

いらっしゃいませ、何名様ですか、お煙草はお吸いになられますか
矢継ぎ早にウエイトレスのお姉ちゃんに聞かれて
 ....
桟のきしむ音のする
ほこりっぽい網戸をひくと
あごの線にそう
あどけないおくれ毛が
すずしく 揺れた

たとえば を
話すとき
そのよこがおは
やわらかそうに 笑うのだけど
うっか ....
うす紫に、きれいに染め上がった、
放課後の、
(優しい文脈を結んで)
ぼくは 図書館で、
大好きなきみの名前を、
水文字で書く。

水文字。
右でもなく、
左でもなく、
遠いほうの ....
乾いても艶のある 路面のまどろみ
その古い染みが 曖昧な午後の一部を
停留させている


触れる路面の端
時折覗いていた窓硝子割り砕き
尾長はばたばたと喘ぐ


徒然と ここに
 ....
降りてくる。
それは不意に、
エスカレーターで、それともエレベーターで、
あるいは手すりのない広い階段を。
鏡に映るわたしの姿が歪む。
墜落する軽気球。

わたしは呼ばれてい ....
天根の辻で水をもらう
日の暮れるには早い刻で
このまま休みたくもあり
まだ行くかとも計り
いつまでもたばこをのむ

新開通の鉄道がここいらを
過ぎ越してさびれた土産屋
小唄の焼 ....
私は知っていた
この部屋に積もる埃全てに意味があることを
皮膚をかきむしってもかきむしっても
私の皮膚がぽろぽろとこぼれるばかりで
わずかに血がにじむだけであることを
睡眠薬の眠りは決して
 ....
私の名前は「架空」です
私が現実に生きる本名と
人々とふれあういくつもの場面は幻です
パソコン画面の内側に
果てなく広がるさわれない空間で
足をつける地も見つけられずに
呼んでいます
 ....
久しい友との再会にグラスを重ね
ふくれあがる泡のビールを
渇いたのどに流し込み
赤らんだ 頬のほてりも醒める頃には
だんだん 寒くなってしまう 

友と別れ
夜の浜辺に呼ばれ
造りかけ ....
三十はとうに越したが
精神年齢がそれほどいってるかは疑わしい
とにかく子どもは二人ほどいる
「ほど」の部分に何があったかは想像に任せる
下腹はよれたTシャツを膨らませ
ジーンズはさっき下の子 ....
スチュワーデスさん、とスチュワーデスに声をかけると
私にはケイコという名前があるんです、とそっぽを向かれる
今度こそ間違いの無いように、ケイコさん、と呼ぶのだが
ケイコは押し黙ってしまう ....
太陽は権力の匂いがする
すべすべした君の肌から黒いレモンが香る。

ひかり、降る
ひかり、降る
兄貴は行ってしまう真夏の海、連絡船

君は喪服で
あに、と僕と一緒に座っていた。
あの ....
また まだ
ほらまた
同じように
同じこと
同じことば
同じことばかり
またかけたもう
かけた
ほらまたかけたし
にかけのことばで
もう忘れて
忘れている

ぐるぐるのロ ....
みえない身体のなかで
手が縮こまる
青く染まった
泥の歴史を反芻しながら
鳶色に滴る見える手は 
(見えない手は)
(見えない何本もの手は)
みずからを固くだきしめて
ひびわれた胡桃の ....
最後の夜なんだからどうせなら
もっといい男と過ごしたかったよと言うと
そりゃ俺も同感だもっといい女がよかったよと
答えたその男をみると
なぜかそいつは夫でも昔の恋人でもなく
遠い昔に仲がよか ....
窪ワタルさんの自由詩おすすめリスト(426)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
盲目の贄- ななひと自由詩304-9-20
真空フラスコとティンカー・ベル- umineko自由詩45*04-9-20
静かな朝- はらだよ ...自由詩204-9-18
落陽ノ刻- 服部 剛自由詩8*04-9-18
上京A- F (from send ...自由詩404-9-18
展開する身体- ななひと自由詩604-9-17
夜風に吠える- 佐々宝砂自由詩404-9-15
此の夏は何時もよりも暑い- 有邑空玖自由詩2*04-9-14
悪いもの- キキ自由詩904-9-13
こどものバイエル- なを自由詩1204-9-11
愛称倉庫- A道化自由詩704-9-10
光線- 馬野ミキ自由詩29*04-9-9
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48号鉄塔_- 馬野ミキ自由詩6*04-9-6
りえちゃん_「下敷きで光を」より- 馬野ミキ自由詩704-9-4
ハンバーグをめぐる冒険- 山田せば ...自由詩1204-9-3
残暑にねむる- 自由詩704-9-2
水文字- 青色銀河 ...自由詩12*04-9-2
曇天- 掛川かる ...自由詩304-9-2
シャマンの唄- 佐々宝砂自由詩5*04-9-1
天根の辻- 田代深子自由詩704-8-31
Shaman's_Love_Song_2- 佐々宝砂自由詩304-8-31
Real_Voice_In_White_Space- 服部 剛自由詩5*04-8-30
波打ち際で- 服部 剛自由詩6*04-8-27
午後の喫煙- 佐々宝砂自由詩6*04-8-26
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