愛称倉庫
A道化




古い倉庫、砂埃に覆われたコンクリートの床は
汚れた床とは二度と呼ばれることはなく
砂埃ごと床として在って
鉄パイプの配置もダンボールの配置も
いつしか放置に変わって


私はそれらの間に私を配置して
私が運び去られるのを待っていた
小さな男の子になりたかった


無関係な誰かの、鉄パイプの正しくない使用法までもが
どこからか、振り下ろされるようにして私に積もる
痛みを欲張りながら、痛いのは嫌だから
二度と従われることのない指示の貼り紙の手書きの文字に
小さくても誤りを探す、不合理でも納得したがる
さもなければ小さな男の子に
だって痛いのは嫌だから
ああ、もう、去って、廃墟と呼んでもいいだろ?
さもなければ小さな男の子に


けれど
空想が現実となっても高が知れているもの、ここは
古い倉庫、薄く砂埃に覆われたコンクリートの床は
誰にも床と呼ばれることがなくとも
私ごと床として在って


まだ少しだけ、小さな男の子になりたいけれど
もうそろそろ
廃墟と呼んでもいいだろ?



2004.09.10


自由詩 愛称倉庫 Copyright A道化 2004-09-10 14:59:19
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