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「焼ぁ〜き芋ぉ〜、
 石焼ぁ〜き芋、焼芋ぉ〜」

日も暮れた
裸木の並ぶ川沿いの道を
赤ちょうちんの焼芋屋が
ゆっくり ゆっくり 歩いてく

後ろからもんぺの{ルビ懐=ふところ ....
揺れている――
火が、無人の家に続く砂利道のそこここで、
揺れている、原野の風の行き来にあわせて
揺れている、枯れかけた草の群れが、
火が跳びはねて渦巻く、
日没前の世界に


揺れて ....
夜のレモン。
堤防の上で君と、レモンと

夜のレモン。
夜のレモンを齧る、少し寒くなってきた。

夜のレモン、なぜこんなにも、ごつごつと、緑色で、
死体のまぶたのような、ぶ厚い皮でおおわ ....
いつかあなたが送ってくれた風の便りは
愚直に曲がった目に滲む文字で語られていた

あなたが求める
友愛と平和を・・・
その冬の暖炉を思わせる声で

もっと語ってほしかった・・・
もっと ....
祭りのごとく花を蒔き
塩を蒔き
くうとなき空飛ぶ鳥に
豆を蒔き米を蒔き
菓子を蒔き食うや食わずの
子らには餅を蒔き
子らは走りきて掴みあい
奪いあい
わらうか
視子は
 ....
その皇子
東へ進軍し
その剣
雲を斬り
丘を割き
沼を埋め
戦に次ぐ戦
謀殺に次ぐ謀殺
返り血の乾く間も無く
川にかかれば妻を売って渡り
海峡にかかれば妻を売って船を買い
船を打 ....
 点滴を打たれながら、病室の窓から海を眺めていた。看護師が言うには、わたしは雪の降り積もる中、マーメイド海岸でひとり倒れていたらしい。音もなく波が白くよせている。意識が戻って二日たった。熱が下がらない .... *
僕たちは午後から出発した
地面に句読点をつけるよりも速く
きれいな風が僕たちを追い抜いていく
足もとを通り抜ける

小さな音が風を追いかけていく
白いページにやがて日が傾き
それぞ ....
 

  寺山修司とは3,4度同席したことがある
  池袋のホールだったと思うが
  机を前に座っていた なんの会か忘れたが
  本の中の写真にぴったりだと思った
  鉤鼻が特徴だった だ ....
たかさ
みぎがわにならんで
ひだりにならばない

ちくはぐ

たいおん
あみこみでてをつないで
はなすしゅんかん

ちぐはぐ

キスのあじ
したでなめあって
あいす、あめだ ....
りんごの花咲くゆうべのこと。

蛇は指環をくれた。
言葉の代わりに指環をくれた。

指環をはめると、
ぐじゅぐじゅといやな音がした。

左手は灰色に変色し、
潰瘍だらけになり、
皮 ....
高層ビルの近くにいるやつは震度21がきたとき全員死ぬ
ピザの斜塔のようなものがないサバンナでも毎日鹿がチーターに食われているんだから、死ぬんだよお前らは
アリコの保険に入ったやつは全員死ぬ
死ぬ ....
奪われたものは奪われたままに夜は消え
春をいろどる明るい粉は素知らぬ素振りでダンスする
海はかたちあるものを映すことができずただ光を反射し
あまりに眩しいので虫たちはみな死に残るのは切り絵だけ
 ....
  氏ねと命ぜられて
  氏者よ
  おまえはどこに逝くか



輝く油膜を見つめている
四日頃の月が
黄砂にけむり
ここは沼のほとり

膝のうえにゆっくりおりてくる
天か ....
私は大地だなんて今更そんなこと歌いながら歩いてゆく
まひるの高速道路さすがにちょっと危険
でも引率する彼女の後ろにはぞろぞろと娘たちがついてくる
娘たちは美しかったり美しくなかったり
あるいは ....
街は暗がりを望む
茶色のパーカーに、黒いブーツ、
ベージュのバッグに、光らないピアス

おしゃれが好きな君は
街と同化するように
暗がりを望む

そんなに暗がりにとけこんでしまったら
 ....
母国語を持たない人々の
差し出す別のコトバが
手渡されたそのとき
息吹の記憶をよみがえして
ひとときある音色をなす。
冷たい壁の手触りを確かめながら
第十三使徒
死都
ネクロポリス
暗い地下道をたどって行くと
薄汚れた鏡に
見知らぬ男の姿が映し出された
肩をすくめた黒マントの中に
密かに呼び出される空 ....
はがれていく皮膜に
縫い込まれいく記憶。
遠ざかる人影は、名前のない体温を
そこここに植え込んでいく。
宛先不明の伝言を抱きしめた少女が
それらを踏みしだきながら全速力で走る。
風の強い午後だった
僕は屋上の金網にもたれて
空っぽの青い世界を眺めていた
広大な草原を思わせる
羊雲
羊雲
心の翼をそっと広げ
空の青みに溶け込んでいった光の子供ら

遠い異国の丘 ....
夕暮れ部屋の中で
君はキットカットと
出掛ける支度に夢中
俺は鱈のムニエル作りに夢中

いつものまな板の周りに
時々の鱈が甘塩で二切れ
その親愛なる白身を
俺から奪わんとするエノキとシ ....
海岸草原のみどり
はまなすの赤
萌たつ草の焔の中に
風露草のうすもも色

原生花園をぬけると
落ちていくように
空がりょううでを広げて
濃紺の海がひろがっている

道東の海は冷たく ....
皮膚のすぐ下は清冽
流れゆく血が私を
結びつけているのだ
家と人と肉と そして
全ての生きているものたちと


血によって私は
辿り直されることを許す
血によって私は
絶えず内 ....
目をみひらいて
うっとりと
車窓にもたれ
ねむっているきみ

きみの瞳にはただ
つらなる山々がうつっている
きみが演ずるはずの絢爛たる舞台は
いつ 幕を上げるというのか  ....
カーテンを閉ざしていても
朝の光が私を射しつらぬく
身体にまとわりつく夢の片々と
汗くさいパジャマを脱ぎ捨てよう

熱い味噌汁 炊き立てのご飯
納豆にはネギをたっぷりと
毎朝 ....
足の間の掃除屋よ
食らえ
やつらの粉雪を

たとえ向かいのお肉屋に
逆さまのおまえがぶらさがり
やつらがおまえを買ったって
板の上では食われるな

足の間の殺し屋よ
おまえの野生で ....
どうしても空を飛びたいらしいので
象が踏んでも割れない筆箱をあげると
「二郎さーん!」と言って地面に投げつけた

私は冷や汗をかきながら
「確かに弟ができたら二郎と名付けるつもりでした」
 ....
ネオンの中にまぎれてばかりやと
体に悪いって信じててん

今日なんか変なルートたどってるねん
あのままじゃ、きっと
なじみのないBARで
40代の男の近くに
しらじらしく座りそうやったわ ....
 冬は好きではない。失業してから外出が減った。TVを見るか寝ているかだけで、二ヶ月が過ぎた。TVでマーメイド海岸のCMを何度も見る。海面から顔を出し泳ぐマーメイドの姿。面接や職安にも出かけるが、就職先 .... ゆかりのある人たちのむれをぬけて
すべる大地を軽くふんでいく
遠くに小さなあかりがあって
それは僕たちのようにもみえる

あ、いま僕たちって言った?
声が聞こえた気がして立ちどまる
無音 ....
窪ワタルさんの自由詩おすすめリスト(426)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
婆ノ衣- 服部 剛自由詩13*04-12-19
火の断章- 安部行人自由詩1304-12-14
『夜のレモン』- 川村 透自由詩904-12-8
今宵_夜空には釘の音が響きわたり_〜追悼・武力也〜- 服部 剛自由詩7*04-12-7
花蒔き- 田代深子自由詩904-12-3
東征- 片野晃司自由詩2504-11-22
海の上のベッド(連作集6)- 光冨郁也自由詩8*04-11-22
もしも僕が白鳥だったなら- カワグチ ...自由詩12*04-11-20
寺山修司- 天野茂典自由詩804-11-14
ふたつ- e R i自由詩8*04-11-13
誘惑以前- 佐々宝砂自由詩304-11-13
せいかつ- 馬野ミキ自由詩12*04-11-12
キリエ- 佐々宝砂自由詩7*04-11-12
聖餐- 佐々宝砂自由詩204-11-12
娘たちのパン- 佐々宝砂自由詩504-11-12
秋冬- e R i自由詩2*04-11-8
母国語を持たない人々- ななひと自由詩504-11-8
探索者- ダーザイ ...自由詩1204-11-5
宛先不明の少女- ななひと自由詩704-11-5
地雷原- ダーザイ ...自由詩1404-11-4
ムニエル- 純太自由詩9*04-11-2
- ダーザイ ...自由詩26*04-11-2
血_(2004.10.29)- 和泉 輪自由詩1904-10-29
夢みるひとのためのソネット- 佐々宝砂自由詩3*04-10-28
朝の言葉- 佐々宝砂自由詩304-10-26
- ソラノツ ...自由詩304-10-23
飛行訓練- 木葉 揺自由詩24*04-10-23
おやさいかって_まっすぐかえるわ- 木葉 揺自由詩20*04-10-23
マーメイド海岸(連作集5)- 光冨郁也自由詩11*04-10-22
- カワグチ ...自由詩6*04-10-22

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