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 三日月がいっそう薄目がちにほろほろ涙を零しておりましたので、私まで悲しくなってしまい、ほろほろと泣いてしまっていたのです。

 私が泣いたからといって、月がゆっくり安寧のなかに眠れるわけでもなく ....
              

        ただそのひとでしか
                      それでしか埋まらない
                              ....
そうゆうんじゃない
肌に頬を押しあてて
脈打つ血の
ほんとうの色が浮き出すのを待ちながら
したい理由をききたい
耳もとで
吐く息にまぎれ込ませて
「どうして…?」とききたい
衝動にもゆ ....
宅配便の到着を知らせる呼び鈴に立ち上がると
私の下半身を跨ぐように放屁ひとつ
あけすけな音と不摂生な臭さにパタパタと手にした雑誌で扇ぎながらも
これが夫婦ってことなのかと改めて考え直すまでも無く ....
霧につつまれた煉瓦通りを突当たり、
古いビルの地下にその店はあった
暗い夜の匂いが滲みついた長尺のカウンターには、
いつしか様々な顔と顔が並んでいた
俺は雑音の混じるオスカー・ピーターソンのピ ....
きみはきみをけそうとするかぎりぼくからはけっしてはなれられないことになるわけだし(それはぼくがぼくをおもいだそうとすればするほどぼくをみうしなうこととおなじように)、またぼくをひていするにしたがってそ .... カルピスの底みたいな白濁色に
おぼれてしまう人を笑うことなど出来ない


明かりがいつも灯っているわけではなく
でも闇ばかりというわけでもない
はっきりしない色に囲まれて
遮られた視界を ....
氾濫する
春の本流を立ち泳ぐ
辺りには甘い毒素が満ちていて
脳から先に侵されてゆく

あらゆる感情の結び目は解けて
それがいいことなのか
悪いことなのか
判断さえおぼつかないまま
い ....
まいにちが

わかりやすいしあわせに

みちた日々であれば

ぼくらはそれを

しあわせと呼ぶのだろうか


春のかおりが

夜にひびいている

ぼくらは

さびしく ....
{引用=
その不在については
まだ追求しないで欲しいんだ
空箱を隅隅まで覗き見て
何も入っていないのか、なんて
わざわざ言わなくてもいいじゃないか

責めているんじゃないと言うけれど
 ....
ほ     {引用=すこしゆるむさま}ほっ    {引用=もっとゆるむさま}
ほう    {引用=すこしのびるさま}ほうほう  {引用=もっとのびるさま}
ほ ほうー {引用=かなりのびるさま}
 ....
昨夜、遺伝子と数回にわたって交合したけれど
最後まで、ぼくが触れたのは
ぼく自身の器官だけであったので、
結局のところ どんな言葉でも形容できない



感性や知性を、すべて破壊したい
 ....
私は死におびえている
新宿アルコット 地下三階へ降りる階段で
伊勢丹ガールズのレストルームで
「緊急地震速報が流れたら伏せるなどの安全な体制をとってください」と
女の人の青白い声でアナウンスさ ....
ねえ意地悪いわないでよ
もう少し後にしといてよ
言い値でしとくよ、そら
ほんとさ急かすなよ

もう後になんか引けないし
通る人の目も冷たいし
翻弄されては儘だし
かという訳も手は無し
 ....
心の奥の方で
何か叫ぼうとしている言葉が
詰まって
苦しいままで居る



全てがブレているんだ



目に映るモノ全てがブレているように見えるから
感覚ごとど ....
誕生日の朝に
君から贈られたプレゼントは 
手のひらに乗るほど小さな
砂時計だった
君は透き通った瞳を向けて
僕にこう告げた

僕はこれから眠ることになる
僕は僕の夢のなかで 
タイ ....
ゆきさる鳩が黄昏を警邏し
3丁目の交友関係を伺っている

瞳をまわし 半導体素子を絶えず組みかえて

友人は望遠レンズを拭いていた
南極大陸の岸辺を日々観察した結果
自律型情報衛星による ....
雷鳴よ、
私を垂直方向に裁いてから誘拐してください
アイスピックのようなもので行為を強要し
体で完済できたなら、愛してください

雷鳴よ、
胎児のひらめきと死者の虚偽を報告いたします
行 ....
((ア、

した、明日/
あわく、中に いる(の
遊泳す/る、書物の朗読するなかに/かんたんに
数えられるように、丹念に形成され(て
アネモネの、一文字を、切り、取ります
ア、ア ....
沈丁花の、
高音域の匂いがした

夜半から降り出した雨に
気づくものはなく
ひたひたと地面に染み
羊水となって桜を産む

  きっと
  そこには寂しい幽霊がいる

咲いてしまっ ....
好きな人が好きで
好きな人が居るの
好きな人なんて居ないよ
好きな人に抱きしめてもらいたいけど
好きな人は抱きしめてくれないから
好きな人なんて居ないもん
好きな人が他の子を抱 ....
 
 
象といっしょに
列車を待ってる
朝からの温かな風が
服の繊維をすり抜けて
僕のところにも届く
こうして春になっていくんだね
明日はまた寒くなって
雪が降るそうだ

昔、象 ....
夫がいる週末は楽しいから
なんにもない平日を
早送りする

だけど、今夜は
夫が
携帯電話と間違えて
リモコンを持って行ってしまった



夕飯を食べる時間に
夫がいないので
 ....
あの上り電車で何本見送ったことになるのだろう
別に数えている訳では無いし
有り余った時間を費やせればとストールの毛玉など毟りながら
外界と隔絶された待合室の硬いベンチに腰掛け
あの夜の顛末でも ....
去年の3月から始めた投稿もちょうど1年が
過ぎて投稿数を数えたら108で図った訳で
もないのに煩悩の数に一致して確かにポイン
トに一喜一憂したりいつの間にか自分らしい
と感じるモノに逃げたりし ....
 
誰もいない掌に
ひとり
立っていた気がする

地平線を探して
生命線に沿いながら
ひとり
歩いていた気がする

それはわたし
ではなかったかと思う

陽が落ちて

重 ....
朝 魚だったものが
夕方には生花に変わった
明朝には昭和を生き延びた築堤も
すっかり掘り崩されているだろう
燃え落ちる前々日に新線開通
潮で潤すことができなかったいきもの
忘れた積りはなか ....
一昨日の朝食で
僕の耳に
ピーナツバターを
こびりつかせたまま
サニーレタスと一緒に
皿の隅っこに追いやったのは
誰だ

昨日の朝食で
僕の耳を
ホットミルクに
浸しこんだま ....
僕は切符を買うよ
いつもと同じ場所にむかう
日めくりをちぎるときに
忘れてしまうだろう、今日だから

僕は切符を買うよ
四十九枚の十円玉を投げ入れて
光るボタンで行ける場所
誰もが辿れ ....
さんぜんいん
とおいか ちかいか
あててみよ あててみよ それ
さみだれ よいどれ

ふね は だせんが 
よいよい これりゃ
あすのあしたにゃ 
わたしたろ わたしたろ

ふねは ....
《81》柴田望さんの自由詩おすすめリスト(606)
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ふだんのひと- 恋月 ぴ ...自由詩21*09-3-23
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未完の、ソネット_「残響」- 望月 ゆ ...自由詩20*09-3-14
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はるまち- たもつ自由詩2709-3-3
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創書日和【塩】_黒い石- 大村 浩 ...自由詩10*09-2-28
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僕は切符を買うよ- たりぽん ...自由詩16*09-2-26
わかばやしの囃子- aidanico自由詩409-2-25

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