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乱暴に脱がす手
手に刻まれた三日月が
赤紫に腫れていた

いつもは白い月なのに
哀しい目をしてのぞきこむ

水晶体に光景が////


湿った砂山
ふもとから
少しずつ掘ってゆ ....
カワバタの車のなかでヨシミはこのまえ見た小鳥とカラスの話をした
お父さんが山で汲んできた水をポリタンクに入れてお母さんに持ってゆくのだった

まだかわいてねえな、

さんざんドライヤーで乾か ....
カワバタからのメールを朝めがさめて見ようとしたらメールが三件になっていた
ひとつはユキオから
ユキオからは、四月の六月、そのひとことだけだった
ヨシミはたまにユキオに写メだけを送る
ヨシミはそ ....
湯をもとめ

山林にはいる

猪か、獣の臭いがする

腐葉土を踏み

靴底を滑らせてゆく

真実は

湯をもとめてはいない

獣を撃つことのみ

思考している、否、体が ....
まえの席に

こどもを連れた奥さんがふたり

ひとりの奥さんの横顔を見ながら

出張さきのファミレス

まだしずかな店内で仕事している

このひとの抱えている

幸福という価値 ....
まいにちが

わかりやすいしあわせに

みちた日々であれば

ぼくらはそれを

しあわせと呼ぶのだろうか


春のかおりが

夜にひびいている

ぼくらは

さびしく ....
真夜中

出張さきに着いて

部屋にはいる

FMにあわせると

モーツァルトが軽くながれた

4時間まえは

海をこえたところで

会合の司会をぐだぐだやっていた

 ....
大きな光、強い光

夜に入るまで

どこでなにをしてた

いちばんぼーしいみいつけたあ

闇に包まれることで

見えてくるものがある

これをだれかに伝えなくちゃ


ど ....
みずうみに音楽の破片

どうして夜なんだろう

さいごの肉のまじわり


滝まであと少しだった

きみとだったらぼくは


みずうみに音楽の破片

どうして夜なんだろう
 ....
二十代が終わるときは

なにも響いてこなかったのに

きょう三十代が終わる

なぜか十代さいごのときが

懐かしくなっている

べつに追憶を重ねているわけではない

ただほんと ....
夏休みぼくは

叔父の自転車のうしろに乗って

少年将棋大会に通った

叔父といっても

いま思うとまだ20代の若者だった

叔父は近所の中高生を呼んで

自宅で家庭教師みたい ....
舎弟格の男に

姐さんのことで嫉妬した

組の大義名分を叫んで

その男にきつく接した

男は侠として私に惚れていた

私の子をうんだ女は三人いた

私がいちばん好きだっのは
 ....
そうだ、中三のとき

愛について、いつも考えていた

こころの灯、なんて題名つけて

愛について、ノートまでつけていた

母が死んで整理していたら

耕太郎関係、って書いた段ボール ....
《81》柴田望さんの吉岡ペペロさんおすすめリスト(13)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
人工水晶体- 吉岡ペペ ...自由詩1210-6-17
小鳥とカラス- 吉岡ペペ ...自由詩610-6-10
影いろの世界- 吉岡ペペ ...自由詩510-6-7
久しく忘れず- 吉岡ペペ ...自由詩809-10-13
若い奥さん- 吉岡ペペ ...自由詩509-3-29
春の夜- 吉岡ペペ ...自由詩2009-3-18
人生の森- 吉岡ペペ ...自由詩1009-2-20
この夜に- 吉岡ペペ ...自由詩809-1-27
月の光- 吉岡ペペ ...自由詩508-9-25
懐かしくて- 吉岡ペペ ...自由詩608-9-21
叔父の背中- 吉岡ペペ ...自由詩308-9-15
嫉妬- 吉岡ペペ ...自由詩208-9-7
愛について- 吉岡ペペ ...自由詩2708-8-28

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