母さん
ぼくの血は
あの鳩の眼よりも
薄い色なのですか
すでに色褪せてしまった繃帯が
風になびくのです

母さん
ぼくはまだ
あのデパートの屋上で
迷子のままなのですか
いまでも ....
わたしにまつわる
もろもろをかなぐりすてて
たびにでよう
ちいさなロディを
だきしめて

月のかたちのポシェットに
ハンドタオルとちりがみと
うすく赤いマニキュアと
それから桃のくち ....
指でかきあつめた空を
誰かが道ばたで食べている
遠い指の跡を見上げながら



傾いだ光ばかりが降り立つ
目の前にのびる一本道は
どこにもつながっていないように見える

 ....
はじめてがいなくなってこまってます
なにしろそんなことは
はじめてで

自転車がなくなったら
あの公園がきゅうに遠く感じてさみしくなったみたいに

もしも神様がいなかったらどうしよう
 ....
どうしようかと
暮れている一日
些細な段差に躓いてみたり
心の縁を爪弾いてみたり


火の上で
ゆれるやかんに
お日様が降りていく
じゅっと
音を立てて
沈んで落ちていく

 ....
あばら骨を浮き立たせたまま
空はどこへ埋まろうとするのか
墓地の土は硬すぎるのに
操車場の跡は狭すぎるのに



まわりながら燃えあがるかたちを
位置も時間も持たないものが
 ....
虹を ばらばら に します
少し きららん を ふって

指の隙間から 消えていこうとした
お祭 の 花火 で 

かりん かりん 
心持ち 軽く いためます

虹は い ....
みず の たま
くわえた くち

さえずる
ささやき

とおれない きのう は
おっこちたよ 

まぶしい
あさ
点と線と千
繋がらない夜があって
道に迷っては
迷いっぱなしになる

街灯は
月明かりに似せようと
目には見えない点滅を繰り返すけど
足元を照らすには
まだ足りない
らしい

 ....
鴉のはばたきに覆われて
夜の鐘は少しだけ揺れる
刃の音 鋼の音
夏とともに終わる音
音はただ音としてはじまり
やがて静かに変わってゆく



前転する光と
前転する黒羽が ....
敷かれて行く なごり葉
ほつれた 眼線 が吹く

いつとも いわない 
いつかも しれない

点けられた なつ 

すすき の 香り に
消されてく

十重 の 隙間 に
刷か ....
つぶやきみたいなものです。

○私にとっての詩

私にとって詩は、言葉で表せないものを言葉で表してくれるありがたいもの。

表せないものってなんじゃ・・・小川に素足を浸した時の、「あの感じ ....
白い杭と鉄条網が
鉄の獣を取り囲んでいる
天気雨がなまぬるく
獣の背の光を流す
欠けた虹がすべるように
ひとつふたつと遠去かる



溶けるように昇る空
指の跡のつ ....
蝉が時雨れている8月の
呼吸がぴたりと止まる時がある
子供達は公園でぶら下がっていて
突然の静寂にゆれている

初めてついた嘘はどこへやったかと
懐かしい引き出しをひっくり返すと
初めて ....
あなたは水玉のような言葉を発し
わたしをとてつもなく
自由にした


解き放たれてわたしは
見上げるべき空を見失い
夏の果て


なにもかも忘れないように
呼吸をとめて
なにも ....
さけた ひびき
さらす ふたば

つち の はじらい
かぜ の ふくいき

まかれた からだ
ゆらしてる
早稲田にも
青山にもなれなかった
予備校の街で
私はその年の夏を過ごした。

現役生のフリしたまま
講義を受けて
教室を出ると
ミンミンゼミの大合唱。

ミンミンゼミは
ミンミン ....
アスファルトの上を

一匹の蟻が

一匹の蟻だったモノを 

引き摺って行く




 突然の
    雨










     は、上が ....
たましいに といかける
ほんのちょこっとした ぎもんを けずってみる
けずりきる ようすなんて みじんもない
いちばん このからだに かんじて
いちばん わかりやすい はずなのに
すこし ....
街の隙間を流れる音が
曇り空の信号をつややかにする
22時すぎを唱う点滅
夜の湿り気にまわりひろがり
車輪の音を手招いている



祭の粒が匂っては消える
草 灯  ....
真夏の渓谷の薄暗い木陰で
川音を聞きながら
ひっそり息をしていた
ひとりといっぴき

濡れた岩のうえ
つんとまっすぐに伸びた胴
行儀よく揃えて閉じた翅
その黒曜石の輝き

日の当た ....
蜜柑色した西空を探るように
行ったりきたりするのは
連れ添いを求めているから。
でなければ飢えているから。

しかしその飛翔の優雅なこと!
ヘリコプターのホバリングも
グライダーの滑空も ....
おーい
と呼ぶ声に
波線を見ています
空の上
海の下
その間の曖昧な辺りで


いつだったか春の衣装だった頃
それでは暑すぎると文句を言った頃
山沿いの海沿いのラジオも響かない場所 ....
熱帯夜に 頭寒足熱を無視して眠った 腕枕
あなたとわたし 悪夢を見たので 明日はバイバイ。

じりじりと 転げ回った 空色のシーツ
摺りきれて 明日のゴミ出しで さようなら。

代用品の  ....
夜半から降り出した雨は

追いつけなかった枕を飲み込み

昨日までの湿度は

情に包まれた朝に変わる



取り付いた島には

虫たちの生活は無く

子供たちが響きあいなが ....
一滴の水の中へと
沈殿してゆくひと夏の青空が
無呼吸で深遠へと降りてゆくので
圧迫された半円の夏空その低空ばかり
飛び回る鴉たち
重たく旋回しては羽を乱散させ
またしても映り込む水の中
 ....
べつにタバコを、
続けて何本吸っても
何かが変わるわけじゃないんだ
咳すらも今日はない、残念ながら。

めずらしく今日は友人が来ない、
それにかこつけて
だらけてはみたけれど、
なんだ ....
街外れで
唸りだす自動販売機の理由を
僕は知らない
全てに理由があると仮定して
その唸りの意味を
誰も知らない

振り向いてしまう癖は
いつかの草笛のせいで
僅かな違いを聞き分けるこ ....
羊歯が葉を裏返し
白い歯を見せて笑う
日陰の庭で
ちいさな神様が
泣いている

山じゅうの
虹を融かしこみ
熱い涙をながし
泣いている

(ちいさな神様の
 まっかな
 まっ ....
真夜中の海を着て
子はひとり
見えない冬を聴いている
袖を握る手をひらき
ゆるりと腕を南へひらく



いつからか子は歌えなくなっていて
窓を流れる午後のむこうを
雨と雨の ....
和泉 輪さんのおすすめリスト(1215)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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沸騰するやかんの底- 霜天自由詩904-8-23
空は響いて- 木立 悟自由詩604-8-23
おつまみ- 砂木自由詩10*04-8-22
とぶ- 砂木自由詩6*04-8-19
サウザンド- 霜天自由詩804-8-18
夜鳥- 木立 悟自由詩504-8-16
夏絵- 砂木自由詩8*04-8-15
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凪いだ8月- 霜天自由詩2504-8-5
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けずりかす- 玉兎自由詩7*04-8-3
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ハグロトンボ(百蟲譜28)- 佐々宝砂自由詩704-8-3
オニヤンマ(百蟲譜26)- 佐々宝砂自由詩304-8-3
波線- 霜天自由詩504-8-3
涼しいつ(すずシーツ)- 千月 話 ...自由詩4*04-8-3
午後、水飲み場で- あとら自由詩3*04-8-2
刹那- 本木はじ ...自由詩704-8-2
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八月- 青色銀河 ...自由詩704-8-1
こがねうた- 木立 悟自由詩304-8-1

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