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午後11時55分の川面に浮かぶ 昨日行きの船は
今日の悲しみを乗せて 海の彼方へ


満ち潮には 増減があるのだと
思い巡らす 詩人の夕暮れる刻
紅葉した太陽が 海へと流れ行く

 ....
入眠の際が瞼の奥で細い光を放っている
生と死の曖昧な絆という楔を
今は、強引に断ち切って 眠りの森へ
木漏れ日を抜けて下方へ沈みたい



怖さに尻込みした夜の
怖さに涙した夜の
夢 ....
薄紫の和紙に 小さなお山のように盛られた氷砂糖を
壊さないように 天辺からそっと摘まんで
可愛らしい唇に つん と付けては
何となく冷たい感触を味わうのよ あの子は。


口溶けは 冷やか ....
干乾びたのだろうか 私は静かに干乾びていくのだろうか

風の強い静かな午後 ほら、耳の裏側で
ガラスの器 丸く並ぶ石粒 揺れる水
指を離す ゆびをはなす 知っているのに・・・
鳴る音は飛沫  ....
空の不思議な明るさを眺めていた
午後のしん とした静けさに
誰もが固唾を呑んで、音が止まるふりをする


脂汗を拭って、開け放った窓に手を掛けた
そろそろ雷子がやって来る
彼女はいつ ....
この世界には もう
ひとつも乾いた場所など無い と
そんな風に思うほど
360度 水浸しの溢れ出る水槽です。



窓を開けると 外は白い縦線で埋まる巨大な水鏡で
映った私の全身から  ....
毛むくじゃらの家猫が出かけて行ったきり
帰って来ないものだから
庭の木で啼くスズメの声が
遠慮なく鳴る目覚まし時計で
最近は、誰よりも早く窓を開けて
新しい風を味わう

あめ色の古机の上 ....
色画用紙に一日の花を描くよに



夏服の少女の贅沢なアトリエは
少し柔らかなメイプルの
敷き詰められた木床の上で
重なるパウダービーズのクッションが
転がる足先まで受け止めた ....
 今日はやたらとカラスが鳴くね

 梅雨の晴れ間の風の強い日

 まるで、おとむらいの鐘の音のよう

 黒い飛行船が青い空に消えていくよ

 風景を切り取って

 荘厳な葬送

 ....
郵便受けに溜まった新聞が日焼けしていた
古い日付は、風に晒されて
更に風化した遠いあなたの
背中に張り付いて 
帰ってこない のに


201号室の、窓から入る西日を受けながら
忘れて ....
    田中君は今日も元気




弧を描くよな風が 短い場所でおおらかに吹いていた
湿度の低い 午後3時



フレアスカート プリーツスカート ふくらんだりして
白桃や北 ....
今頃は、さらさらした風が吹いてきて
いつも 左肩から
あなたを感じる匂いが します。




昨日 通ったことのない
知らない道でデジャヴした
山吹色の花咲く庭の
崩れかけた壁の上 ....
 堆積する僕らの羽で世界は作られるという話。


リノリウムの床を滑らない上履きの爪先
ゴム製の高音が窓に当たる
スーパーボールの見えない躍動
それが、君らの証しだ。 そして


 ....
失いかけた
午後の空白から
歌が聞こえる

 「バイバイ」と言っているんだね

とどまらない風が連れて行く
小さな声の始まり
先端が少し冷たい





君のフライングが
 ....
アネモネの花 流れる小川に
足を浸して赤味差す小さな、ほのか
足先の揺れる水光り
長く尾を引く清流に
白竜の子 触れるという

ロング・ロング・ア・ゴー 昔話の
ロング・ロング・ア・ゴー ....
連立する高層住宅の緑は孤独
メタリックな金魚は
雨の日に口を開けて上昇するんだ


施錠された鍵は傷ついている
何度も何度も何度も
屋上に取り付けられたばかりに
また傷ついている
無 ....
 もうそこに 映る事無く 古道具屋に 
       売られて行くの  三面鏡


正面より左角度横顔の すまし顔
見ては微笑む 私の髪は
ちょうど腰のあたり
窓辺から光り差して 少し赤 ....
 悪い事をしてはいけません 悪い事をしてはいけませんよ

       と 風が運ぶ 風が運ぶ


あなたは 朝8時に 長い坂道を転がって行ってしまう   
隣の人も その隣の人も 意を決 ....
冷たい水で顔を洗うの
指先に赤く血の色滲んで

朝に凍り付く体
包んでも 包んでも
冷たく表層になるばかり

誰か 誰か
隣で眠ってはくれませんか
心安らかな人よ



無音 ....
檸檬の木の下
鈴なりの黄色
緑の葉陰から落下して
ジューシーフルーツ

味わうには酸っぱ過ぎて
口角でしかめ面 する



突風吹いて 気まぐれにつむじ風
旋回して搾取する
自 ....
      反芻する夕食


週末の台所にジャガイモとニンジンが転がっている
牛肉は 今日には使ってしまわなければ
幻の牛の角に突かれる勢いだ
新作の辛口カレールーは
未だ使用された形跡 ....
そのうち 夜は突然やって来るのだろう
こんな日々に
白夜が恋しい、、白夜が恋しい、、
と 唱えてみても
彼方の国の出来事で
暗闇に透明な涙も光りはしない


今 高い声で鳥が鳴いた
 ....
ススキ野 原が 北に向かって揺れている
渇水した南風 けだるい西日
東から 懇願の声が聞こえる

私もそこに加わろう
この手に 白い穂を付けて

太陽の光りがいつまでも照らし続ける体(茎 ....
眩しい空を 眺め過ぎた僕は
涙のように 暖かい 目薬を差しながら
 「タマを探しています。」の
張り紙を 貼った
3丁目の電信柱の 角を曲がる

湿った目に もうすぐ気持ち良い刺激が
訪 ....
霧雨が止んだ午後
兄さんが里山へ 
野いちごを摘みに行こうと言った

空にはかすかな光り
濡れた緑が 濃い空気を吐き出して
後に続く僕の 切れ切れの息を
奪うように纏わり付いてきた

 ....
熱帯夜に 頭寒足熱を無視して眠った 腕枕
あなたとわたし 悪夢を見たので 明日はバイバイ。

じりじりと 転げ回った 空色のシーツ
摺りきれて 明日のゴミ出しで さようなら。

代用品の  ....
雨垂れが髪を伝う 芝刈り機の音は止んでしまった
体に吸い付く服  空に高く抜ける声・声・声・止んでしまった

時はすでに遅く 軒下で震える鼓動は早まり
足止めの靴先で よれる砂利の音と重なる
 ....
広がる上空を囲むように
その日は 曇り空だったのですね

ゆるく波打つ 水面は
際に立つ 私達の少し後ろで
薄暗く 揺れていました

かと言って 私の心が
景色と 同調していた訳ではな ....
初恋は 待ち合わせした 陸橋で。

緑の風が 少女と髪を梳く
甘い香りを連れて来たのだと
あなたが  言った。


いつもあった思い出の情景が鼻をくすぐる

青と緑の溶け合った 海の ....
藤棚に 乱れなく降る薄紫の
花を透かして鳴る音が
シャランシャランと聞こえるようです
風など吹いてもいないのに
感じる心は 無風幻想

鈴蘭の 花びら内に鈴つけて
鳴らせて見たい情景に
 ....
和泉 輪さんの千月 話子さんおすすめリスト(30)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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