橋の下には
川が流れている
たくさんの落ち葉の側には
木が立っている
枕の上には僕の頭がある今、
天井の片隅からきみが僕を見ている
庭で猫が鳴いている
ああ、僕は死んでいるんだね
暗い ....
銀の柄を握って
車輪を回していました

沢山の貝が車輪の下から生まれてきたので
焼いて食べたり
髪に飾ったりしたのです

髪は細かく編んで
魚を獲るのにつかいました
魚のヒレはいつま ....
いかつい アスファルトに
息のように 降り続けていた
電柱の 灯

夜の空に おしかえされた
雨に 流されている

かきん と ついてる
ガラス の 冷たさ

なじまない  ....
風も木も滅びゆくときわれもまた等しく愛に抱かれて過ぎよ



降りしきる雨でおまえの声は途切 れ遠い異国である公衆電話


たった今、落ちた花びらだけ見えたった今見えなくなったただ風 ....
毛むくじゃらの家猫が出かけて行ったきり
帰って来ないものだから
庭の木で啼くスズメの声が
遠慮なく鳴る目覚まし時計で
最近は、誰よりも早く窓を開けて
新しい風を味わう

あめ色の古机の上 ....
どうしようもないくらいの
空の返還が
わたしに帰ってきた
わたしの唇は青いことでいっぱいになる

空に着歴がある
それは長い長い数列
雲は遠くの蒸気と会話したりするけど
やがて話が尽き ....
り りく 

蝶 の 足は
おもくなり

つかまっていた 草葉
そっと 目を 開ける

大きな杉の木 のてっぺん
見る間に越えて

生まれたすべてを かけて
のぼり ....
僕が雨のような水性のものを纏うみたいに
彼女は単純
分類する歴史の過程と起こりうるすべての結果について
彼女は明確に区別する
偶然と必然の隔たりを超えて
彼女は読書する
運命でも垣間見るよ ....
好奇心ひろげて崖から飛び立てば ああ、こんなにも太陽のせい


幾たびも安易な夜を貪ってぼくら獣のように純粋


僕たちはすでにレッドを飛び越えて蒸発してゆく抱擁のあと


妊娠をし ....
亡霊ときみの名付けし少年の漕ぎしブランコ揺れている初夏


遠ざかる白い小舟の行く先を流れる水や風に聞く午後


紫陽花を抱きしめているパレットにきみの瞳の色を混ぜつつ


防波堤越 ....
遠くはならない
それ以上はどこへも
窓辺に並んだ椅子は
白く塗り変えられていた
捕まえ損ねた手は誰のものか
白く塗られる前も
その前も
そこに在るだけで
忘れていくことばかりで
遠く ....
使い方も覚えた
ようやく
夏が乾き
昨日へと遡ってゆける余裕が生まれる
抱えたことのない問題によって
ひとは計られるとするならば
誰も 誰一人として
濃い青空や
水に濡れた感熱紙に
 ....
遮断機が下り
列車は近づき
他の音は止み
鉄路になびく
草の背は蒼
草の背は蒼


薄い曇が
空を覆い
星は絶えず
北へ流れ
呼びつづけても
夜はひとり
月はま ....
忘れてきた思い出がある。夜になると、頭の中で記憶と感情が騒ぎ出す。乱雑に、不規則に。忘れてきた思い出が疼きだす。ひっそりと現実をかみ殺そうとしている。いや、現実にかみ殺された感情が、現実を見返してやろ .... 走ったけれど
間に合わなかった

道の傍らで
途方に暮れていた

側に立っているのは
コンクリートの塊で支えられた
錆びた看板

バスは未だやってこないらしい

乗り遅れたのが ....
  ふしちょう

ねのまに さるまい


  ゆき

うみ

なみ


  うみ

はくえんの だん


  かぜ

ち の ひ


  つき

 ....
波がたっているからといって海ではない

しずかな水 おしよせ おしよせ
塩のない水 おしよせ おしよせ
こちらにやってくるときは なにか言いたそうなのに
いざ、到着すると そんな素振りはみじ ....
土のなかの心臓から
水煙の姿に羽はのび
雨の色
樹の下の冷たさ
したたる音の葉を伝えてゆく


雨の奥を飛ぶ声があり
ゆるやかに近づき通りすぎ
高みへ高みへ去ってゆく
 ....
玄関のドアを引く
駆け込むようにして進入してくる朝は
少しだけ暗い白
今日も天辺まで積み上がった世界で
濡れたままの人たちが歩いていく

傘を忘れたわけでもなく
濡れることに気付かないわ ....
わたしは わたしの中に
帰る仕度をしている
わたしは わたしの中に帰るために
たくさんの本を読んで
否 そんなに本を読まなくても
大丈夫な気はするが
帰る仕度をしている

わたしは わ ....
わたしは、ほんとうは楽譜なのです
と 告げたなら
音を鳴らしてくれるでしょうか
指をつまびいて
すこしだけ耳をすましてくれるでしょうか
それとも声で
わたしを世界へと放ってくれるでしょうか ....
色画用紙に一日の花を描くよに



夏服の少女の贅沢なアトリエは
少し柔らかなメイプルの
敷き詰められた木床の上で
重なるパウダービーズのクッションが
転がる足先まで受け止めた ....
いくつか 折りたたんでいくうちに
角が たくさんできるから

どこかの角で
会えればいい

続かない我慢が
言葉を避ける

触れるものは きちんと
きちんと きちんと
 ....
風を含んだふくらみが
道からひとり飛び立とうとしていた
波は空を洗いつづけて
地平に着いては羽になった


指は闇に触れていき
倒れたままのかたちを知る
波を無色の魚 ....
思い出の森をさまよう僕はもう少年時代の歌詞から遠い


おにぎりの形している山登る今はまだまだ海苔の真ん中


紫陽花に紋白蝶の眠る午後わたしが汚れているのが解る


花粉から誘われ ....
雨に濡れるのを忘れた人が、信号の前で返り血を浴びている。どんよりと、ただどんよりと生きていけ。おまえの夜の病はいまだ進行中だ。魚群探知機に映る影の人びと。探そうとしてもけっして探し当てられない影の呼吸 .... ヒトに生まれてきたのでした

死を放った放物線に
何も絡ませる事も無く
時の歪むのも構わず
日を含んだ風に戦ぐ葉に
影をゆらす

私が揺れている
火の声を聞くようになってから
いつ ....
かんにんえ。

しなやかな指で 黒髪をすく
うなじはうつむき
{ルビ石榴=ざくろ}のきれつに遠さをおぼえて
その甘酸っぱさをささえる
やり切れなさの仕打ちが 私語する
きしむ本音が
空 ....
高村光太郎が
智恵子の首を彫ったのは
34歳の頃だという


写真では
苔生したような絨毯の上に
白い
智恵子の首が
ぼそり と
載っている


愛なのか
悲痛なのか
 ....
ムーニールーがありんこを相手取って
裁判をしているころ
お日様は林檎を
真っ赤に染めて
林檎はムーニールーに食べられるのを待っている

カタツムリが雨の中
小さくくしゃみしたけれど
ム ....
和泉 輪さんのおすすめリスト(1215)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
不安- 鮎川自由詩405-6-28
車輪- ふるる自由詩15*05-6-27
寄り添う- 砂木自由詩12*05-6-27
G- 本木はじ ...短歌1205-6-26
_臭う家- 千月 話 ...自由詩18*05-6-25
空の形- tonpekep自由詩45*05-6-25
朝_わたる- 砂木自由詩11*05-6-25
月明かり- 鮎川自由詩205-6-25
レッドを飛び越える- 本木はじ ...短歌705-6-23
思い出のひと- 本木はじ ...短歌805-6-23
そこに佇む- 霜天自由詩505-6-23
ボート・デイズ- 吉岡孝次自由詩805-6-22
鉄夜- 木立 悟自由詩605-6-22
縁取られる光、闇に消えていく思い出- チャオ散文(批評 ...3*05-6-22
- ねなぎ自由詩205-6-22
陽光月(ようこうつき)____おうぎの_まい- 砂木自由詩7*05-6-21
水、おしよせる- かなりや自由詩305-6-20
土と素足- 木立 悟自由詩205-6-20
雨が積もると- 霜天自由詩1205-6-20
帰る- tonpekep自由詩7*05-6-19
アンダンテ- 望月 ゆ ...自由詩53*05-6-19
花模様スケッチ- 千月 話 ...自由詩9*05-6-19
つばさのゆくえ- 砂木自由詩11*05-6-19
朝水- 木立 悟自由詩405-6-19
雲の上のレタス- 本木はじ ...短歌1205-6-19
蒸し焼きの雨- 岡部淳太 ...自由詩37*05-6-18
- こしごえ自由詩7*05-6-18
贅沢な骨- こしごえ自由詩5*05-6-18
首を彫る- 銀太自由詩6*05-6-18
ムーニールー- ふるる自由詩35*05-6-17

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