難破船が、出港する。船であるからには。海が。あるからには。心優しい、友人たちよ。惜しまないでくれ。わたしは。幸福とひきかえに、世界を。手にするのだから。



棒のようなものを、ふりまわす。 ....
若葉はしらない
なんにも、しらない
ともすれば己が生きていることも
すっかり忘れて揺れている

瞳のあかるいひとや
髪の毛のうつくしいひとや
ことばに潤いの満ちるひとたちの
名 ....
 耳を
 澄ませば
 夏草の受け止める
 雨音
 さふぁり


 金魚のひれ
 ひらひらと
 漂い
 脱俗を
 せまる


 食うのみに生きたが
 戦後と
 あなたは言 ....
新緑の季節
五月の朝の陽光を浴びた
ニコライ堂 緑青に覆われたドーム屋根

明るい陽光に
くっきりとした陰影を残した
コンドルの遺産は
一二〇年経った今日も
聖橋から靖国通りに向かう坂 ....
               金を使っているもの
               だけでなく
               ほら
               この錆び色の茶碗も
        ....
(春)

伝線したストッキング、国語辞書、スケッチブック、埃、先のまるまった鉛筆、花柄の布団カバー、キオスク、アルミフォイル、たまごサンド、青い軽自動車、浴室のタイル、制服、文房具屋、バス停、スー ....
私は私の言葉を
細く細く出し続ける
水の中で吐く呼吸のように
みえない泡になってゆく

はじけたとき
はじけぬまま
あなたはなにかを感じるでしょう

たとえ
目をそらされたとしても ....
 
 
ページをめくる
本の中にたくさんの
文字が落ちている
こんなにたくさんの文字を
いったいどこの海から拾ってきたのだろう
時刻表を見ると
海行きの最終列車はもう三分ほど前に
近 ....
 
 
イマ カエル

妻に電話する
自分の声がおかしい

イマ カイモノ シテル

妻の声も
カタカナになっている
おかしい

近くで息子の声がする
オツキサン ミエナイ ....
{引用=何本かの鉛筆と
何本かのペンと
何冊かのノートや
散らかった書籍が在って
散らかった書きかけの物語のような
続き話が転がっているところに
書きたての新鮮な言葉が
跳ね回っているの ....
五時のサイレンが鳴ったら
みなさんおうちへ帰りましょう

わざとゆっくり歩いて帰る
うちに着くと
やかましいリビングを通り抜けて
疲れきった階段を上がり
自分の部屋に向か ....
 
 
虫かごと網を持って
虫をとりに行った
どんなに網を振り回しても
虫以外の生物や
生物ではないものしかとれなかった
とったものは逃がしたり
あったところに置いたりした
元の姿に ....
海のはなしをしよう
とりとめもないことでいい
海の青さや広さや深さ
どんなことでもいい
海のはなしをしよう
難しい言葉でなくていい
海の美しさや眩しさを
波のように繰り返しはなそう

 ....
{画像=100518032154.jpg}

幽霊坂という名前の坂は、東京都内にいくつも点在、
していて、神田淡路町、目白台、三田、田端など、に
ある。これらの幽霊坂は昼なお薄暗く幽霊でも、出 ....
伝わらない言葉でしか
想いを表せないことに
気付いた夜


意見の違いを
言い争えず黙る
気まずさ
F1モナコグランプリを見つめている

レースが始まると一斉に

相似のコースどりをうねらせて

バトルの河がながれだす

胸のつかえをとるには

F1の精密なバトルを見つめるに限る ....
 
 
スーパーにいくと
果物ばかり買ってくる

もう一人
いるみたいに

声はしないのに
それはたしかに

+

骨をのこして
魚はいってしまった

これが最後です
 ....
 
 
ぼくのタクシーが壊れてしまった
だからもう、ぼくはタクシーに乗れない
朝食の後、歯を磨いていると
血のような味がして
吐き出すとやはり血だったので
歯槽膿漏か何かかと思い
壊れ ....
 
午後三時

初夏の森は緑の海
風に揺れる光が跳ねている
ひらいたままの図鑑
次のページがめくられるのを待っている
外の景色に気をとられて
どこまで見ていたのか忘れてしまった
図書 ....
どこにも闇は無く
ただ前に見える微かな星に向かう
それは何かの儀式の様に
黙って、黙って
微かに見える島影を頼りに
軋む櫂を漕いで行く

ごらんあれが終わりの岬
幾度も訪れたそれは
 ....
だれかが祈ってくれている


だから祈りをかさねている


まわりを見つめる

まわりを感じる

胸の痛みなくなるまで

まわりを見つめる

まわりを感じる


だれ ....
                    
内地から釣りに来た太陽と恋人たちを
島尻の斎場御嶽にガイドする。
財布から百円玉を取り出し受付機でパンフレットを買うのを指笛に
午後の観光が踊る。
 ....
荒川放水路にかかる鉄橋に
次兄とぼくは向う
川の土手にある踏み切りから
線路にはいる
手をおくと微かな震え
枕木に膝をついて
線路に耳をつける
太鼓の低い音
「電車がくるぞー」
ぼく ....
 
 
やはんすぎから
ふりはじめたあめが
あさめざめると
やんでいる

それはきっと
そぼのしわざだ

まいあさ
ひめくりをめくる
そぼをみていた

しわだらけのゆびで
 ....
いろんなことが 
ぐちゃぐちゃしすぎているから
もう全部 おなべに入れてシチューを作る

真っ白な クリームシチューを作る
いつもの手順で

気持ち抑えて 切るしかない野菜を
ひと呼吸 ....
<上>

暗中模索のキッチンで
夜食を見つけて意気揚揚
紆余曲折のビール腹
逆三角の栄枯盛衰

横行闊歩の食欲を
抑えられない艱難辛苦
気宇壮大の体脂肪
Gパン入らず苦心惨澹

 ....
時が満ちて時が下る
泣いたり笑ったりする間に
スカイツリーが完成して
僕は誕生日を迎える

見失うことを恐れて
見出すことが出来ない
ヘッドフォンから流れる音楽
目の前で見過ごしている ....
 
 
卵に言葉を教えた
教えた言葉を
卵はすべて覚えたけれど
口がなかったので
話をすることはなかった
雲が形を変えながら
夏の空に消えていく
わたしが生まれてから
何度も見たそ ....
社会をはみ出し
坊主とやくざ

空(くう)に

般若心経撒き散らし
それ 有り難がたや
有り難がたや
老若男女が踊り狂

え〜どえ〜どの断末魔
江戸八百八町
と言える都心は ....
 
 
あめがふると
くさがはえていた

いのちが
うまれるのは
なぜだろう

あめに
なまえがないのは
なぜだろう

それで
やくにたっている

ここにいることが
 ....
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