こんなに長いアスファルトを簡単に置き去りにしていく
作ったら大変だろう
ずっと向こう側の真っ暗闇の中の木々たちは何を考えているんだろう
あっちに行ったら恐いけど 車が勝手に進んでくれ ....
放課後になめたあの子の笛の味思い出させる
食堂のカレー
雪合戦
逃げるあの子の盾となり冷水滴る色男かな
「待っててね」げた箱の手紙持って行った校舎の裏で
ひとり凍える
....
だるまさんが転んだんだよ
土産物屋が潰れたその日に
七色の光を放ちながら
きわめてゆっくりとね
それを見ていたバター犬が
マーガリンを舐めすぎて死に
舐められすぎたマーガリンは
全身 ....
朝日が昇る頃
キリンに乗って恵比寿から札幌へ
途中でトラに出会ったので
千鳥に乗って深夜に帰宅
乾いたよ喉
可愛いその涙
流すよ
ビールビール
ルビー
びーだま
キラキ ....
削岩機の中に燃えいずる恋
溢れ出る太陽
ぴかぴかに磨いた靴に
鏡の残像を貼り付けて
急所に
君への手紙
抜け落ちた髪に
あの人への手紙
煎餅布団の硬さに
何度も寝返りを打つ朝だ
....
春は別れの季節です
わたしの家は洞窟です
今日のご飯はどんぐりです
カミツキガメに噛まれて
指の先っぽが紫色になりました
役場へはもう行かないの
役場へはもう行かないの
役場へはもう ....
オウムの影に
愛想笑いを
握られた砂は
冷たく虚空
沈黙は耳に聞こえる
誰も知らない
オウムは電池切れ
前から嫌いな鳥だったんだ
充電器 ....
飛ぶ鳥はとても軽いのだということを
わたしはときどき忘れる
飛ぶために鳥が捨て去ったものの重さを
わたしはときどき忘れる
鳥の骨は細く軽く
すきまだらけで脆いということを
150kg超 ....
ミッドナイトデスローズに気をつけろ
忌まわしきあの夜 お前が遺したメッセージ
何を言っているのかさっぱりわからないので
家に帰ってからお父さんに聞いてみたら
わからないことがあったからといって ....
その入口をくぐってはいけない、きっと何も保証できることはない
その入口をくぐってはいけない、きっと満足な心境では
こちらに向かって返ってくることは出来ないよ、なぜか
辺りの空気は静謐 ....
電子の中で君を探る
指先に電気信号が走る
チクリ
少し痛みが走る
君の温もりに触れたのかな
少しでもポジティブに考えなければ
君の事を探すことが出来ない
巡る言葉は数に表せないほど
....
ちいさな姉さんたちが
あぜ道を鮮やかに歩いていく
カモミールとか
ベルガモットだとか
とても香りの良い会話をしながら
ちいさな光る粒を落とし
それを知らずに踏んでしまうと
しばらくの間、 ....
鳥瞰図のこの町を一気に拡大して
空中から自分のつむじを見ている気分
産毛が見えるほどに鏡を見ると自分が誰なのか分からなくなってくる
ってそれはゲシュタルト崩壊?
人の真似をした ....
5階、風通しの良い2LDK
ベランダ、部屋より広い
目一杯、布団干す
風、まだ寒い
窓、開け放ち
掃除機、舞う埃
御膳、気合いを入れて作らねば
午後、何よりも ....
家に入ると
音をたてて雨が
降って来た日
僕は心を失くし
愛情の伴わない
告白をした
東京6時41分
金沢6時51分
大阪6時51分
広島7時2分
那覇7時6分
深夜のタ ....
旧ソ連共産党員の娘である彼女が
映画で見た紅衛兵の隊列や
そこで振られている赤旗の
美しさについて語るとき
地上では風が強かった
冬型の気圧配置が緩んで
南から温かい湿った風 ....
ぎいという音も絶えたる冬日かな
美しい詩があった
あんまり美しいので
みんなが声に出して読んだ
あんまり美しいので
他はどうでもよくなった
草は伸びるのをやめ
タイヤも、カネも、太陽も
回るのをやめた
ぼくは回った
....
挨拶は「今晩は。」
説明のつかない虚ろな景色を背にして二人は遊ぶ
逆回転のカタツムリの殻ばかり集めるコレクター
「薄紫の笑顔が特徴的です」
君が見る夢はいつも捩れて歪んでる
し ....
なまなましいな
わたしはたべることのきょむにつかれた
そうぞうしいな きみは
まんぞくそうな顔であるいている
まるでみにくいものたちのパレード
よ ....
叩き割られた、ずっと外っかわの黒い縞追ってた
現実は赤かった現実は赤かった現実は赤かった現実は赤かったとても
食卓塩、一瓶空にして 目を覚ましたくない
ジャリジャリした赤は水っぽくって
昨 ....
壁に描かれた
でっかい日の丸をぶっ壊そう
ゴミと怨恨でできた
大量破壊兵器と闘うために
体裁ではなくて姿勢が
カッコイイ人間っているかい
鼻が削げて歯が全部抜けおちた
営業マ ....
きっといつか小さなアパートの二階のベランダから
この世で最も醜い青と橙の冷たいグラデーションを眺めながら
冷え切った珈琲を流し込んで
ゆっくりとベッドに沈む
とても美しいその一連の仕草 ....
この寒空の下では
頁を手繰る指も冷たかろう
頭の中で誰かが囁いた
ビジネス文書術 という本の
最終章
まもなく通勤特急が通過します
黄色い線の内側へお下がりください
....
先生、ボクは学校を卒業したら
印税を稼げる詩人になりたいんです
そうか、難しい相談だな
いいかい、千円の本が百万部売れて
一億円の印税だ
会社に四十年間勤めると
生涯賃金は、だいたい二 ....
容赦の無い、快楽か小説
容赦の無い快楽が、小説
容赦の無い快楽と小説
忘れたことは、もう忘れているから、何を忘れたのかを思い出すことはできない
額をぶつけて、消 ....
おまえは「エメラルドグリーンだ!」と言った。
が俺にとってこれはクリムゾンと呼ぶんだが、
その程度の齟齬はどうでもいい。
俺はこのカンバスにはいつも
どうでもいい真実を描く事にして ....
すなおな円の中に
さかなや鳥や
そしてほ乳類を集めて
食べる
それぞれの
交差する部分で
わたしらは健康を保つ
それは罪深いことではない
ラベルには
聖書のことばのようなもの ....
好きにしてくださいよ 俺は知らん
もうだってアンタは俺じゃないもの
俺に聞くな尋ねるな左右されるな
アンタは前に 前に行け 俺を振り向くな
先々の不幸は誰かのせいなら
俺のせいに ....
目をつむれば膝の上
毛布に包まって
赤い月を睨んでる
一緒に叫ぼう
綺麗なガラス玉
両手でうけて
眠いから目をこする
全部こぼれた
溶けたビニール
髪の毛に付着して
たゆた ....
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