生暖かい
風が吹く
油の臭いが
鼻をつく
イソメでぬめった
指先で
何本目かのビィルをあける
ゆらゆら
揺れる
電気浮き
つられた
人魂
ゆらゆら
揺れる
困っ ....
カルテを書き写すのはルール違反だ。回し読みするな。学校で習っただろ
「むやみにヒトを傷つけてはいけない。」
「アンネはかわいそうだ。けどヒトラーならいい」
ちゃんと習っただろジャイアン以外。
....
置き去りにされた愛のように
ロックグラスはひび割れて
紫陽花のように水を欲しがる
日々の我らの営みが零れて
絨毯に染みが増えてゆく
地球が檸檬だなんて嘘
誰も信じちゃくれないよ
....
私は、たくさんのジレンマを抱えています
僕は、たくさんの矛盾を抱えています
おれは、たくさんのダニを抱えています
あたしは、たくさんのあたしのようなものを抱えています
あいつは、たくさんのライ ....
土手で三角座りしていると
サマータイムブルースが聞こえてきて
おまえ死ねよっていわれてるように思う
で やばいなって思うんだけど
何をしているのかと聞かれて
アリの観察をしているのです
....
右目からビームが出るのはいいけどその間見えないんだよね
ほいで別にビームといっても熱かったり痛かったりしないんだよね
しかも自分で制御出来なかったりするから若干だるい
朝ご飯を食べない日はあんま ....
牛タンゲーム イェーイ!
そんなことを一人でつぶやくようになったら終わりだ
わたしはとうとう終わってしまったのだ
朝から晩までそんなことを一人でつぶやいているのだ
ぎゅう たん ぎゅう たん ....
天空から地表にまで続く螺旋階段を一段一段辿って下る。
錆びた鉄版にしか見えない踏み板は、実際、電気の通う生きたシステムである。
また一歩、寒、と音を立てて爪先立つ。すると踏み板に若草色が灯る ....
与えられた三つのだんごが
汚れた着物の中にあった。
公園に生えた草をむしりとり
走り去る自動車に向けて草笛を吹く
誰にも向けられない目
こっそりとおかれる週刊誌は
一日分の給料と同じだった ....
彼女は普通です
眼球で真っすぐになりますが
理想郷が洗われている状態でそれを拭いて
左の頬をそうする 私の菖蒲です
または塩の髪は
私の指紋を使用することでいつも流れ出ます
....
入場料を奢って貰ってラムバックで吐く
あたしは恐らく悪いことをしたのだろう
入場料まで奢ってもらって夕食まで
あたしは悪いことをしたんだろうラムバックでラムバックでラムバックで吐く
....
1/4
あしのした と うなじ と あばら に
くものすがはっているので うごけません
女の子だから くものすを
やぶるようなおいたは いかんのです
1/5
....
騒ぐ火空に馴染み食む噴出口を北に
板張りの床反り返る双子を抜け
憂えば街は閉じられ日没後の表紙
工場の窓に万力つけ口吹く
ビン持つ手と逆の片目に格子戸ひらく
字も画数もや ....
前回書いた詩には嘘が含まれていた
祈りがどうとかいうやつ
嘘っていうか違うだろというか
そのせいかどうかは知らないが
今日加藤さんにあったとき何も思わなかったし
しゃべることもないし
....
肉のベン・ハー途中からだもん
もう頭もふやけてボリューム満点の水増し感
1つ冷凍しとこうか絆創膏が必要になった時
それを思い出せるようにペットの如雨露も一緒だよ
おえ、おえ、始まりそうなんだマ ....
空晴れて上手にさよなら出来たから卵を一つ割ってお祝い
晴れて空開けた窓から草いきれ鳥は去って海は残った
空晴れて二匹のいもむし糸を吐く指に絡まる欲と欲と欲
晴 ....
自慰行為を撮られながら
いつも私思うんです
誰かがこれを見て喜んでくれるのなら
ほんとにうれしいなって
ただ困ることがひとつあって
私もお金をもらってる以上はプロなわけだし
相手を ....
字喰虫といふ虫あり。
その虫、蟻に似て「掘る」と「喰う」、「蓄える」に長ける。
頁を捲って、小麦色の紙にトンネルが開いていればそれ即ち字喰虫の食事後なり。
垂れる糞は喰ろうた字と同量 ....
瀕死の夕日がこっちを見たままで
もう三十分が過ぎようとしている
愛しさえしなければ
関係は容易に築けただろうに
名前も知らなければ
容易に愛しあえただろうに
昔あった出来事か
昔 ....
梁にしがみつく蝶を引き剥がすたび
親指と人を指す指が情けなく震える
コロシヤシナイカと懼れながら
ただ善意を偽って助けようとして
羽を掴む、その度に
燐粉が指先に着いてしまい
その後でゴシ ....
散文ってのはなんだ。散らかった文のことか。
言葉が散らかった文か。心が散れぢれになった文か。
算数の時間には習わなかった。せめて選挙には行っておけば良かった。
散文詩ではない散文はきっと1つのこ ....
手首のそれらは
恰好の題材となったことだろう
吐き気をもよおしながらも
最悪という名の底からすくいとることを
忘れてはいない
口をつぐむしかなかった
振る舞いに不協和音が混じってい ....
ああ嫌だ嫌だ
因業だ因業だ
こんなに晴れて空気の乾いた日には
きっとまた降って来なさる
かさかさかさかさ嫌な音立てて
お役所を
お済みになった
お役人様が
夥しい数の
お役人様が ....
散文は「私はコレ」であり散文詩は「私のコレ」である。
と明治の哲学者兼文学者兼畳職人の増臣武人は言った。
詩と小説の違いは目の逸らし方にある。
と18世紀ヨーロッパの作家モント・ノッペルは言 ....
「やっぱ無理だわ」と言って長女はブラウザを閉じた。
「音声だけなら大丈夫じゃない?」と次女。
「いや、それでもダメだった」
「なんで無理なの?」と三女。
「いやなんつうか、分かんないけど無理」 ....
すげぇいい女が絡んできて俺の皮膚を奪った
いい女の定義がよく分からないが
神経は過敏に空気に炸裂した
すげぇいい女が花瓶に差し込まれて飾られる事件
口から血を垂らし「おはよう」「おはよう」 ....
僕と君は鉄パイプのような人間だから
鉄砲の所持を許されてもいいはずだった
僕は可愛い赤いリボンをつけてもらった鉄パイプを持っていた
君はキラキラのラメが散りばめられた鉄パイプを持っていた
....
雨を待つえぐれた頬塀から突き出し
銀河身の投げようもないほど暗い
影ひろい大木おもう紙のこと
大円盤の片鱗星座と触れ合い光る
裾千里ほども隔たるぼくとほか
ずっと昼ハの字 ....
紙の資料と液晶の画面を見比べながら
音のない空間で独り言を繰り返す
大概が自身への愚痴でしかなく
誰かに聞かせる類とは言い難い
大型連休の中日とはいえ
どうせ家に居てもやる事もなく
約 ....
年老いた彼はいつも
解剖学者の手つきで
本を読む
夏草が道を覆い隠す勢いで家中に繁茂した本達は
彼の手が触れた瞬間にほんとうは
喜びでかすかに震えてしまうのだが
自分たちは死体 ....
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