いそしぎの浜で
ぼくは三輪バギーをあやつりながら
海風を浴びている
砂の轍をつくってゆくのは
自分自身だ
はげしくジャンプするが
腰を浮か ....
ねえ
あなたにであってから
あたしはほかのひとにであわなくなったの
ねえ
あなたにであわなくなっても
あたしはほかのひとにはであわなかったの
でも
あなた ....
輝度信号が弱くなってシアンがかってしまう
空高く見えるように
屈折率が変わったなら
気温も湿度も計測しなくて良いんだと思った
弱くなった輝度信号がセピアに見えた
唯の故障でしかないの ....
台風何号だかが
東の海上を通過中
暴風警報のため 人影もまばら
公園の遊具は鉄錆のにおい
体中がミシミシ音を立てる
のぼり棒 上まで登れない
小さい頃と同じよう
今も上手くいかない
....
裏ビデオ穴の深さにたち塞ぎ
こころから穴の深さのらっきょかな
やわ肌の燃える蝋燭消しがたし
乳飲み子と共有している乳房かな
祈らずにいられはしな ....
世界で最も軟らかな朝を迎えるのは
波止場に立つカカシだろう
なにかを守る分けでもなく
ただ海原を眺めて
往来する船を見つめているんだ
肩に止まってたカモメが大空に飛び立って
少し振りか ....
沈んでゆく まま
煙る 山の稜線に
つながれた 足首
舐め 影 さすり
行けども 喰らえない
案山子の ぼうふらに
低く うめき ひそむ
まだ 試した事のない
....
壁も、床も、家具も、俺の服も、全て白い部屋、目を瞑れば黒に満たされてしまうのに、それを拒むように、白ばかり並べる俺を、記憶の誰かが、愚かだと言った
いってらっしゃい
ううん、ほんとは寂しいの
でもそんなことを言ったら
笑ったあなたの頬が困ってしまうから
言わない
昼間、楽しいことがあったとき
あなたがいないと、少し寂しいの ....
ネオンの中にまぎれてばかりやと
体に悪いって信じててん
今日なんか変なルートたどってるねん
あのままじゃ、きっと
なじみのないBARで
40代の男の近くに
しらじらしく座りそうやったわ ....
ますます吐く息を白くして近づく そして
炬燵の中の猫がのびをする
香りはすべて あたしと共に在る
ただそれだけなのに 中央分離帯の樹が気になる
排気ガスくさい こたつはねこくさい
ブルガ ....
今回の台風で人が死にました
前回の台風でも人が死んだにもかかわらず今回の台風でも死にました
僕は事前のニュースで、前回の約4倍の規模の台風が来るというのを聞いた時点で
「今回も何人か死ぬだろうな ....
スキップを置き忘れている
忘れえない蛹の心
乾く前に毟り取った羽
むせた猫にも
ピーナッツの殻まで
最近どう
とか、切り崩して
魔性の種を植え付けてくれ
ノート端の汽車に乗っ ....
貫いた後で
さっとすだちを一搾り
おかえりはまだかしら
食卓の前でわたし
もう抑えきれなくて
ぎゅっと握ってしまうの
誰とでも寝てしまうのには理由があって、
彼女のおなかには蛙が棲んでいた。
蛙にも理由があって、
彼女のおなかに、紋黄蝶を獲りに行った帰りみち、
たまたま彼女の恋人のキスをもらってしまったので、 ....
ぽっかり空いたこころの穴に
いつのまにか小さな庭ができ
そこに小さな花が咲きました
どこからか風に乗って
種が飛んできたのでしょう
知らない間に芽を出して
....
チリリン チリリン
眼鏡の君はブーツで漕ぐ
紫雲
オレンジのビル
夕陽と遊べ遊べ
チリリン チリリン
ニセモノみたいな僕の人生の
猫も転がる土手の道
ほんの少し前を漕ぐ ....
一人夜空の星を見上げ、「さみしいな。」とつぶやいた。
いつのまにか、すごく寒くなって、
雪が降っている。
「クシュンッ。」
あぁ。一人でクリスマスかぁ。さびしいな。
そう思っていると ....
結局は自分が独りだと孤独に包まる
人は孤独の中に悲しみや憂いをつくり、その中に埋没する
そういった思い上がりを胸に抱く。
人は繋がり独りではないと信じ泳ぐ
人は繋がりの中に穏やかな ....
友情なんかどこにもない。
ささいなことですぐ壊れ、
友情なんてそんなもんだ。
助けてほしい時にはいない。
友達なんかそんなもんだ。
そんなものなんか、なくてもあってもどうでもいい。
俺 ....
雨で荒れ狂う川。
風で揺れまくる木。
人は自然にびびって、
自然は人間という生き物にこわされて・・・・。
にくしみ、怒りを持ち、自然が怒り狂う中、
僕らは何も出来ずに、
台風の中、 ....
冬は好きではない。失業してから外出が減った。TVを見るか寝ているかだけで、二ヶ月が過ぎた。TVでマーメイド海岸のCMを何度も見る。海面から顔を出し泳ぐマーメイドの姿。面接や職安にも出かけるが、就職先 ....
コラージュ中心?
http://members.at.infoseek.co.jp/kuro725/deathnote-log.htm
詩の批評をしている人と
虫の気持ちを批評をしている人を
交換してみましたけど
これといって何も起こりませんでした
と言ったら
詩を批評している人が怒りました
起こりませんでしたが
怒 ....
船の停泊しない
図書室には
匂いがない
ブラインドの隙間から
斜陽
カウンターに落ちた
向こうで
司書が背中の羽を
二度動かす
白い付箋のはられた
いくつかの椅子は ....
葛飾北斎
の
雨にうたれて
(今年の秋桜は美しかった
豪雨の
中を
歩いてきた
江戸時代にはまだ
ニホン狼はいたとおもうが
獣の匂い ....
ねえさま
ねえさま
ねえねえさまそこにあるお酒をついと
ついついと
ついでくんなまし
あちきはまだかむろなんで
ねえさまのほうが
旦さん方に喜ばれんすぇ
祝いの席にわかめひ ....
るらら と歌いながら 少女は崖の淵に立ったのです
崖は 必要以上に大袈裟に 切り立っていて
下を 見ると白と緑と虹色の川が
三日月湖 を 残して うねうね しています
きょうも おわった かな ....
この街にあるピアノの
ひとつひとつに
シールのようなものを貼っていく
たったそれだけのことで
君との近さや
遠さを
はかることができるのかもしれない
僕の心臓のすぐ側
....
カバーを剥がすと
まっ白な箱で
一つのオブジェになりました
そうっとめくると
黒いものたちが積もってゆき
またまっ白な箱です
それだけでは覚束ないので
次から次へと剥いでゆきました
こ ....
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