驚くべきことに土佐日記はおとこがおんなになっておとこのことばを使うしか日常の文学が書けなかったという困難を表している。日本語を使うときそんな歴史があったことを考えるといろんなことがみえてきそうだ。おと .... 山月記の中島敦は32歳のときに南洋の信託統治領へ教科書編修の旅に出た

トラック島とパラオ島間は
4発の水上飛行機
朝潮に乗り
2000m上空から
輝く海の
小さい島を眺め
 ....
焼き鳥が
香ばしい匂いを振りまきながら
暁の空を行く
カルシウムでできた複雑な骨を失い
たった一本の竹串を骨にすることで
初めて得た飛行を
力の限り大切にしながら
もうコケコッコ ....
手に触れるすべての
温度と湿度が
いつもより優しく感じられる
マリオをやれば
たくさんコインを取れる気がする
喪服に袖を通す
今日はもう
泣かずに済むのだと思う

+

 ....
ぴりか ぴりか いつかの空の あなたは知らない
敷き詰められて 赤い木の実
啄んだ日に 消えた

ぴりか ぴりか 最果ての木の実は 甘い ほろほろ
ほろほろ漂って染まる
茜の水面に 消えた ....
好きなものを頼みなさい
メニューを渡すと
娘はしばらくうつむいて
星が見たいと言う
隣のテーブルにバスがいたので
手を繋ぎ乗る
ひとつ前の停留所で
サーカスを見るために
大半の客は ....
たもつさんの詩集が届く。注文してから、すでに2ヶ月が過ぎていた。発送元には何の罪もない。メールで注文したのはいいが、自分のアドレスを間違って入力していたのだ。いつまでも連絡がこないはずだ。ネットは、す .... よく晴れた日
ハンガーに吊るして
自分を干してみる
きっと人はこのように
優しく干からびていくのだろう
水分も記憶も失いながら
+

鏡に向かって
笑う
そんな嘘
ばかり ....
たぶんぼくはぐちゃぐちゃのどろどろのけつえきのかけめぐるたいないのはじけるだろう


傷口を更に深める部屋を出てぐいっとひらく赤い雨傘


ドライヤーで髪を乾かすときに目を閉じる あなたの ....
尖った粘土に
刺さった虫
のように
息だけ
している
息しか
できない

+

明方
キリンの群れが横断歩道を
渡っていく
あれは首長竜の一種だ
と弟に教える
弟は悲しそ ....
しだいに近づいてくる足音
ずしん
ずしん
わたしにはわかる
あなたが来ているのが

あなたはわたしを手に入れたい
それが幻想でしかないとわかっていても
あなたはわたしを手に入れたい
 ....
ショパンね
午後のダージリン
微睡みの中に
小さじ一杯の冒険心?
それとも
ただの気まぐれ?
スコット君(文鳥)に問いかけたら
肩をすくめて
ナ・マ・イ・キ
わかっているの
 ....
わらう
あなにむかって
ここはおうのしま

おうゆれる
まゆーん
まゆーん
びしゃ

おうはあつい
おうはわらわれている
かしんどもから
まるでしんだねこみたいにやわらかいのに ....
人の嘘で
鳥は空を飛ぶ
鳥の嘘で
ドアは人を
閉じ込める
ドアの中で
人は鳥を
飛ばし続ける

+

いつも
三人なのに
いつも
八等分
してしまう

+

 ....
朝のやかん
なぞって
もう一度寝る
エビの夢を
見ながら

+

階段
すべてが
階段
そんな
建物

+

夕刊の
「帰」という字を
黄色く
塗っていく ....
もし僕がDJだったら
もっとカオルのことを愛せたのに

整理していた父の荷物の中に
見慣れた筆跡で
そう書かれた紙切れを見つけた

母は屈み込んで
机の下にある二箱目のダンボー ....
爆弾は
言いたいことを言うと
爆発
することもなく
カラスミのスパゲッティを
平らげる
それって美味しいの?
爆発的に美味しいッス
それから
小春日和の日差しに
少し傾いた
丸い ....
uminekoさん 「sky」に寄せて。
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=48600




読者の心を揺り動かすだけなら、
技巧はいら ....
口をふさいだ人と
耳をふさいだ人が
ただ見詰め合ってる

目をふさいでいるぼくに
きみが教えてくれた

冷え性のきみの手が
ぼくの身体のどこかに触れていて
少し温かい

何も見な ....
タクシー未満の部屋を
間借りすると
運転手がいません
タクシー未満の部屋なので
運転手未満の僕がいます
それから線路のように
どこまでも間延びした
顔の恋人
そのために僕は ....
秋の色や形に
よく似た人と走る

最初にゴールした僕がふり返ると
その人は手を振って笑っている
もう一度ふり返ると
跡形も無い

一等の賞品に
砕け散ったコップをもらった

 ....
秋の夕暮れに
夕日がふたつ

赤く熟した
太陽と
柿の実と

風に揺られて
見分けがついた
少しだけ、冷たい風が吹いてきたのは
とても遠い場所からだった
人はいなくなる、ということが出来るらしい
世界はいつも通りに明るくて
僕らは同じように電車に乗り込む

乗り継ぎ駅で世界が追い ....
 



 萎れてゆく花ではなく




1.「ゆびぬき」


でんとうの 咲いてゆく中で

ちくりと刺さるところを
そっとつつんで
もう無い 
てのひらの形を
朝 ....
悲しいと言って
君が釣り糸に噛み付くから
僕はまた一つ疑似餌をつける

ショップに並べられた僕らの履歴書は
いつも濡れていて
釣り上げてしまったものを未来と呼んでも
誰も咎めはし ....
僕に露天風呂の中で本を読むという楽しみを教えてくれたのは友人Tだった。Tが言うには、夜の鞍馬温泉は人が少なくて、本を読むのにもってこいだという。僕は鞍馬温泉には行かなかったが、さまざまな旅行先で本を携 .... 承前 http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=33616


繰り返すものたち


ひとつの車輪が回っていった http://po-m.com/foru ....
この大きな水たまりは俺がつくってしまったのか
海を前にして蛇口は茫然と立ち尽くした

もしかしたら俺の栓を大事に開け閉めしてくれた人たちの家も
どこかに沈んでいるのかもしれない

そう ....
飛べないから
ビブラートがかかった
針金の先
ステンレスの廊下
突き当りを見失った
憤死している僕の恋人
片付けられることのない夕食
まだ支度されてないリビングで
共同の指先が
光源 ....
夜空にはウシが瞬いていた
草原では干しが干からびていた

もう一つ出まかせを言おう
この袋には伝えきれないほどの
星が詰まっている

飛行船のように女は笑った
みつべえさんのおすすめリスト(1351)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
土佐日記からおんなへ- 石川和広散文(批評 ...11*05-10-17
ねこみみをつけたがるおんな- あおば未詩・独白5*05-10-17
小詩集「書置き」(六十一〜七十)- たもつ自由詩1305-10-13
小詩集「書置き」(五十一〜六十)- たもつ自由詩1205-10-10
えとぴりか- ひより未詩・独白5*05-10-10
小詩集「書置き」(四十一〜五十)- たもつ自由詩12*05-10-8
こっそりと白の時代〜たもつさん詩集に寄せて- umineko散文(批評 ...18*05-10-8
小詩集「書置き」(三十一〜四十)- たもつ自由詩1705-10-6
殻ー(XXXI)- 本木はじ ...短歌1005-10-5
小詩集「書置き」(二十一〜三十)- たもつ自由詩1805-10-4
あなたはわたしを手に入れたい- チアーヌ自由詩505-10-3
山の手- Monk自由詩405-10-3
うそのこどく- 石川和広自由詩3*05-10-2
小詩集「書置き」(十一〜二十)- たもつ自由詩37*05-10-2
小詩集「書置き」(一〜十)- たもつ自由詩1705-9-30
姿勢- たもつ自由詩1005-9-29
爆弾発言- たもつ自由詩805-9-28
指標を越えて- いとう散文(批評 ...14+*05-9-28
体温- たもつ自由詩1005-9-27
間借り- たもつ自由詩1105-9-26
ゴール付近- たもつ自由詩305-9-25
夕日がふたつ- たもつ自由詩805-9-24
落下傘- 霜天自由詩1805-9-23
列車のような連作- はな 自由詩16*05-9-22
釣り人- たもつ自由詩805-9-22
霧の様な死あるいはナルシシズムについて/立原道造を読む- 渡邉建志散文(批評 ...13*05-9-21
繰り返すものたち/生得(こもん氏の作品について2)- 渡邉建志散文(批評 ...4*05-9-20
濃度- たもつ自由詩16+05-9-19
- たもつ未詩・独白505-9-18
出まかせ- たもつ自由詩1305-9-17

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45