まるではみ出した水彩画を上手くごまかそうとするみたいに
わたしはそっと何度も自分自身に修正を加える
涼しい風が吹き二階の部屋の窓からは青く広がる田んぼが見える
ベッドに寝転べば風の音とシャラシャ ....
男は冷蔵庫の中で傘を飼育している
夜の方が良く育つときいたので
朝になるとわくわくしながら傘に定規をあてるのだが
傘の長さが変わっていることはなく
その度にがっかりする
けれど男は知 ....
男はふと時計を見た
まじまじと時計を見たことはなかったが
見れば見るほど
時計は自分に似ていた
あたりまえだ
男は時計なのだから
一方、時計はといえば
すでに着替えを終え
これから ....
時を刻むより他に
自分にはすべきことがあるんじゃないか
時計は思った
けれど何をしようにも
手も足も出るわけがない
ただ柱にぶらさがって
そこはそれ時計の悲しい性なのだろう
正確 ....
「杭 1」

杭を打つ
鍵の形の
杭を打つ

今、一万本打ち終わった

コーン コーン コーン コーン

からっぽのあちらこちらに響いている
杭を打つ音

吹く風
さざ波
 ....
夕景風が鳴る
ふひゅーんあおあお
さざめくざさささ

ふひゅーんあおあおは彼方からの信号で
信号を窓の中から感じている僕は
木のように揺れている頭のなかを巻いて

片頬をうちぬかれたお ....
そのむかし、「キャノンボール」というオールスター総出演の大バカなカーアクション映画があって、バカにしながら見れば楽しいが、本気で楽しみにしながら映画館で見たら悲しくなるようなシロモノだった。本国ではど .... 肉を焼きます
美味しいですから
正解は無いにしても
ミスター
それは髭です
目にしみる煙です

ジーンズには穴が開いてます
そこからは夏が覗けます
もう少し肉の話を
美味し ....
あなたが
中古
静かに軋む二輪車の
匂い
角を曲がる
何かを思い出し
もう一度角を曲がる

イニシャルを失ったまま
あの縄跳びもまた
どこかへ行くの
駆け込み乗車は
錆びて
 ....
坂道の途中にある小さな花屋で
何度か花束を買った

買わない日の方が多いのに
そのことはあまり覚えてない

上り終えるあたりから見えてくるピアノがあって
軟式野球部員のカヂさんがよく曲を ....
こんなに浅い眠りでは
うまく泳ぐこともできない

私はきっと
魚になりたいと

こうやってもがいているのに

軽々とふとんをはねのけても
夜の重さには耐えられない

私はきっと
 ....
「私のひと押し詩人」というテーマでの依頼。
ひと押しというか、好きな詩人は、

1.有名で今さら紹介する必要もない人
2.ひっそりと書いていて紹介なんかされたくない人

だいたいこ ....
六月、朝は煙の中から浮上していく
昨日積み残してきたものは
もう何処にもないかもしれないと
溜まってしまった風の中に体を傾けて
もう一度目を閉じていく
泳げない朝に見る夢は
煙った街から突 ....
夏休み
街から人はいなくなった
窓という窓
木陰という木陰
ベンチというベンチ
そのいたるところから
少しの匂いと
体温を残して

静寂、というには
まだわずかばかりの音 ....
久しぶりに実家に戻ると
父はまた少し小さくなっていた

質量保存の法則というものを
信じるのであれば
生真面目に生きることを止めようとしない父は
きっと
何処かで
何かを
与 ....
毛むくじゃらの家猫が出かけて行ったきり
帰って来ないものだから
庭の木で啼くスズメの声が
遠慮なく鳴る目覚まし時計で
最近は、誰よりも早く窓を開けて
新しい風を味わう

あめ色の古机の上 ....
雲はかすかに薄い。満月はわずかに遠い。星
たちは月の輝く姿に目を細め身を寄せ合いな
がらその眩しさを囁く。塔の下ではいくつか
の波が押し寄せる。浸食は彼方の記憶。崩壊
は遥かな追憶。廻 ....
私が、よく考えることの1つに、作者と詩と読者の関係というのがあります。
関係っていうと、大げさかな・・・。お互いが、お互いをどう思っているか、というの。
それが違えば温度も違うということで・・・。 ....
使い方も覚えた
ようやく
夏が乾き
昨日へと遡ってゆける余裕が生まれる
抱えたことのない問題によって
ひとは計られるとするならば
誰も 誰一人として
濃い青空や
水に濡れた感熱紙に
 ....
最近の自分の作品をざっと読み返してみると
(ああ、これは私信だなあ)って、思う。

それが特定の誰かだったり、特定でない誰かだったり
あるいは過去や未来、さらには
時制を持たない自分だったり ....
友達と仲直りをした娘は
昼食を食べ終え
さっさと青空の下に飛び出していった

子供同士っていいね
うん

娘たちは今ごろ
どのあたりを走っているのだろう
昨夜の小さなほころび ....
わたしは、ほんとうは楽譜なのです
と 告げたなら
音を鳴らしてくれるでしょうか
指をつまびいて
すこしだけ耳をすましてくれるでしょうか
それとも声で
わたしを世界へと放ってくれるでしょうか ....
家具屋に行った
広いフロアを丹念に見て歩いたが
家具はどれも高くて
困ってしまった
結局小さな置時計をひとつだけ
買って帰ることにした
また時計を買ってきたの?
呆れ顔でそう言う妻に ....
さよならの「さ」は
さよならの「さ」

さよならの「よ」は
さよならの「よ」

さよならの「な」は
さよならの「な」

さよならの「ら」は
らっぱの「ら」

突撃らっぱ ....
ムーニールーがありんこを相手取って
裁判をしているころ
お日様は林檎を
真っ赤に染めて
林檎はムーニールーに食べられるのを待っている

カタツムリが雨の中
小さくくしゃみしたけれど
ム ....
赤らんでゆくトマト、
緑に染まってゆくピーマン。
畑のトマトはトマトくさい、
畑のピーマンはピーマンくさい。
八百屋で買ったピーマンを台所で切る、
ピーマンの匂いがしない。
当たり前かもし ....
やさしく
なれるか心配でした
でも
きっと大丈夫

5年とか
10年とか
そんな
小さな枠でなく

次の地球が生まれるまでの
そんな
雨の降る日まで

この場所から見送るよ ....
池袋のスクランブル交差点
ど真ん中で俺は
釣り糸をたれる
ジョニー にぼしのジョニー
おまえはどこか
白い皿の上で美しく
干からびている
ジョニー にぼしのジョニー
おまえもかつて ....
あなたからの手紙、
「。」が全部ミジンコで
「、」が全部ゾウリムシ
だったよ
どうでもいいから
早く会いたい
たくさんの葉のなかの
ひとつだけが震えていて
どこか見えないやわらかなものへ
届かないくちづけを繰り返している
みつべえさんのおすすめリスト(1351)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
静かな午後- チアーヌ自由詩705-7-8
七人の男(傘を育てる男)- たもつ自由詩4705-7-7
七人の男(時計を見る男)- たもつ自由詩1405-7-6
時計- たもつ自由詩3205-7-4
- ふるる自由詩10*05-7-4
ふひゅーんあおあお- 石川和広自由詩9*05-7-4
スーパーガールはキャノンボールで死霊と盆踊り- 佐々宝砂散文(批評 ...805-7-3
焼肉- たもつ自由詩605-7-2
中古- たもつ自由詩705-7-2
月日- たもつ自由詩5*05-7-1
溺れそうな夜に- ベンジャ ...自由詩6*05-7-1
良い詩人は、、、- いとう散文(批評 ...23*05-7-1
泳げない朝に- 霜天自由詩1105-6-30
夏休み- たもつ自由詩1805-6-29
法則- たもつ自由詩1305-6-26
_臭う家- 千月 話 ...自由詩18*05-6-25
塔の上でワルツを踊る- いとう未詩・独白10*05-6-25
作者と詩と読者の関係について(ネットの詩の温度差)- ふるる未詩・独白8*05-6-24
ボート・デイズ- 吉岡孝次自由詩805-6-22
空に星座を描くように- umineko散文(批評 ...10*05-6-22
青空- たもつ自由詩1405-6-21
アンダンテ- 望月 ゆ ...自由詩53*05-6-19
- たもつ自由詩1105-6-19
さよなら- たもつ自由詩1405-6-17
ムーニールー- ふるる自由詩35*05-6-17
畑の匂い- 佐々宝砂自由詩705-6-17
紫・陽花(むらさきひばな)- umineko自由詩2*05-6-17
にぼしのジョニー- たもつ自由詩14*05-6-16
。、- たもつ自由詩12*05-6-15
ノート(くちづけ)- 木立 悟未詩・独白605-6-15

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45