すべてのおすすめ
爆発の映画一瞬とめられて電気店に{ルビ花圃=かほ}のごときTV

直ぐ咲ける花なりとわが贖ひし硝煙のにほひ仄かなる種 

ながれくる知らざる曲にあわせつつ{ルビ白昼夢=ゆめ}にはカフェのみなご ....
美しき{ルビ雄雌=おすめす}の花とぢこめていちじくはたれのうちなる{ルビ倫理学=エチカ}

をとめには水をあたえよをとこにはつね火のごとく勃つものあるを

ひきしむるベルトのしたに青年はつね戒 ....
高速の高架と高架の間より降り来る雨を見上げてをりぬ 春過ぎて夏が来たらしい照り返す薄着に肩が香る具合に


雨の朝、彼女と夜が脱皮してベッドに落ちた抜け殻2つ


服を脱ぐだけでは足りず皮膚を脱ぎ自己を脱いでも僕ら玉葱


生花持ち短 ....
夜伽無精卵温めをり立ちいづる半音階の夢

橋懸りに若き裸身ありて放火の予感にさいなまれ
アヰイロの階調遥けく うすくうすく遠ざかるいくつもの記憶(トキ)

剥落ある写真の眼差し夕暮れて今日と明日(アス)の間(アハヒ)を行き来せる
春日さす畑の瓶の水に浮く雀の遺骸青き空かな 春夜まとふ身いつしか見えざる東北(トウボク)の桜花幻視する 人気(ヒトケ)なき通りをマネキン誘拐され行く春の日うらら

早婚の少女の睡眠浅し桃色の指先のプレリュード
中耳に日章旗解けをり回廊に夥しき英霊

王国蜃気楼の彼方呼べども昔々在りしとて
ケイタイより幻聴の狂想曲(カプリチオ)その日の午後少年失踪す

杳として知れざれば黄昏に少年マッチすりをり
 
遠吠えの先端を夜に梳きこんで星にまぎれた魂ひとつ




恒星は渦巻く夜を抱きしめる 輝いている自覚はなしに




思い出が次の一歩の糧となる 今はもう亡きあの赤い星

 ....
満月に映える団地の鉄格子 その荘厳さバスティーユにも似て


百幾の魂を吸う土の上 色鮮やかに夜桜ぞ咲く


息子散る場所に両親夜毎来て手向けるコーヒー
湯気立ち上る
ディスプレイさよなら告げる絵文字二つそっとぼやけてリフレインする


携帯を握って震えを待っている眠りについても消えない夜空


さよならは暗闇に浮かび流れ星あなたにきっと受け止められたら ....
長雨に猫も畳も冷ゆるかな里の離れのネット重たく 砂浜のない水たまりがさみしくて砂時計から補充した陸



さようなら ― もとは接続詞なのだから ― 悲しむ理由はどこにもない



「リコーダーを縦笛とよぶ日 ....
つま先に続く未来と対峙する 不安に引き裂かれそうになる


独り 独り 独り 独り 俺の未来はどこまでも独りぼっち


二人はきっと同じ生き物なんだ 孤独な僕と 孤独な君と


朝を ....
春はそう、不誠実にも始まってリセットボタンに手が出る日曜

不意に鳴る着信音は君からで、春が終われば設定消さなきゃ

口笛をエプリルフールに吹いてみる、嘘としておくひとつの別れ

さよ ....
水際立って幸せなレースクィーン光る木の実を拾いけるかも

解体されつつある自動車のボンネットに座る漲る太腿

あれは鳥でなく鳥という言葉だと思えば悲し椋鳥三羽
瓶詰めの淡い桜の花びらに葬られている背骨がふたつ



水仙を手折った君の指先が夕陽で赤くて綺麗で恐くて



ぬるいよる鏡の自分と目が合ってさびしそうだねって笑ってあげたの ....
空中に浮かんだ花を掴みたい無理して夢を壊してみせて



顔の無いひととたくさんすれ違う朝のホームに溢れるひかり



階段があるなら上がる本当は下っているとわかっていても
 ....
空爆に叫ぶ地もあり どんよりと優雅な午後のこの一時に

雨よりももっと激しい晴れの日が過ぎていく 広い広い世界で

対岸の大病院の灯り皆消えて 天井の闇 見つめる人も

台風の接近告げる声 ....
無造作に枯れ花捨てる気安さで 我も誰かを傷つけ来たり

マニキュアの光は鈍く武器にすらならぬ女の小道具として

雲隠れしたのはわたし 月もまた夕雲の陰泣いているだろう

愛こそが熱の媒体  ....
灰皿につもる吸殻 砂時計よりも確かに時を刻んで

思春期は置いてけぼりで悼みすらなく見上げいる二十歳の空よ

夕焼けに溶かされてしまえ 毎日をつくる形のあるものすべて

くすぶってむしばん ....
吾の中に沈んだ言葉掘り返す道具を空に忘れてきたり

一人でもよし我が言葉狂うほど愛する人と出会ってみたく

稚なさを勢いで継ぐ時期は過ぎ底をさぐれど我見つからず

雪降らぬあたたかき冬 成 ....
「あの海は何色ですか」
 
 「鉛色」
   「かもめの羽のような色です」



「あの空は何色ですか」

 「真珠色」
   「冷たい霧を重ねた色です」
クレーン車のフック空荷で巻き上げられ冬の日暮れの月に届きぬ {引用=


水底で送受信を繰り返すようなあなたのさびしさが好き



水道水注いだグラスを一度きり鳴らして僕らは夜へと、流れて



満月の灼熱のようなかなしみに入水してゆ ....
穴の夜に可憐な花を引きちぎる 心の底から憎まれたくて


『やさしさ』という字はとても丸いのでやわらかなものと誤解していた


ワンピースに西のワインがふりかかる とれない染みに焦がれど、 ....
沈んでく夕日みつめてひとりきり誰を待つのか知らない黄昏

さよならと言えないままに日は暮れて君と二人でどこまで行こう

終わらないあの日と同じ夕間暮れ悪夢にも似た遊戯は続く

いつまでも日 ....
石瀬琳々さんの短歌おすすめリスト(327)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
街にて- 短歌108-5-30
隣人- 短歌208-5-29
- A-29短歌3*08-5-12
愛は天下の回り物- 木屋 亞 ...短歌5*08-5-7
夢の浮橋- フクスケ短歌108-4-21
記憶と時間- フクスケ短歌108-4-13
青空- A-29短歌3*08-4-13
うすくれなゐ- フクスケ短歌1*08-4-11
春の温室- フクスケ短歌308-4-10
時の彼方へ- フクスケ短歌208-4-8
少年- フクスケ短歌208-4-7
私の夜空- 石畑由紀 ...短歌5*08-4-6
高島平いんそむにあ- 紅林短歌208-3-28
グッドバイ- 春日短歌2*08-3-27
- A-29短歌2*08-3-25
【短歌祭参加作品】グッド・バイ- 簑田伶子短歌24*08-3-18
立ち止まる。_そしてまた一歩- poorguy短歌108-3-14
【短歌祭参加作品】春は不誠実にも始まって- たにがわ ...短歌1208-3-12
スズカ- 右肩良久短歌2*08-3-9
青色遊戯- しろいろ短歌1208-3-4
如月銀河- 本木はじ ...短歌508-3-1
世界のパーツの一つとしての- 伊那 果短歌4*08-2-29
別れの一日(ひとひ)- 伊那 果短歌4*08-2-27
二十歳のころ②- 伊那 果短歌2*08-2-25
二十歳のころ- 伊那 果短歌508-2-24
色々色- 亜樹短歌708-2-20
- A-29短歌4*08-2-16
夜の進水式/車輪- しろいろ短歌11*08-2-16
穴の夜に- 石畑由紀 ...短歌3508-2-10
黄昏遊戯- 未有花短歌12*08-2-5

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