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手の上にカプセルの薬あそばせて
次ぎ編む服の配色と決む

夢に見しことくり返し夫語る子等は
留守にて話題ひとこま

硝子戸に写る雪影大きくて二人の夜が
童話めきくる

首すじ ....
里芋の葉に露玉を宿らせて
風も光りて土用に入る日

身体ごとゆるるが如き北山の
杉のみどりが視野に広がる

微熱ある夜を目覚むれば
枕辺に誰がつけくれしか蚊取香匂ふ

熱湯の ....
ストーブの上に煮つまる匂いして
今宵は独り本に寄りゐる

支えゐる心重しと思ふ午後
陽ざしがいつか雪となりゐし

いやされし言葉を胸にあたためて
ショールに頬を埋めて帰る

 ....
妻が勤めに白い朝顔が初めて咲いた雨がしきりに降る

ドビュツシー前奏曲集静かな曲妻を想う悲しさを癒す

鎮めても後からわく不安あくなき心配人は空しきもの



電話線には雀が五六羽さわ ....
バス降りて 草むら行けば足もとに
稲穂ゆるがし イナゴ飛び立つ

秋雨のやうやく上りし宵の月
ジャンケンをして大人賑やか

耳もとに娘がつぶやきぬ生え際の
薄くなりしと夫のことをば
 ....
花選び散散迷いて りんどうと
決めて俄かに秋をさみしむ

帰り来し子にぞ言はれて屋上に
上りて見れば満月清し

木犀の匂へる塀に沿ひ行きて
訪ぬる家を過ぎしも知らず

野生美の紫 ....
冷房のつよきビルより出でてきて
鋪道の照りは肌にほどよし

寝袋を肩に出て行く子等のあと
逝く夏の風追いかけてゆく

留守宅の犬に餌やる三日目を
信頼しきる犬の目と合ふ

矢 ....
無言にて薔薇一枚を差出され
祈りの如きさまに受け取る

抱え持つ洗濯物の子のズボン
ポケットに鳴るは はだか銭らし

かきつばた あやめか しょうぶと論じつつ
床几に寄りて賑はふ ....
扁桃腺腫らして臥せる吾が側に
苺食みつつ子等は饒舌

もの煮ゆる音も親しき独り居の
夜は気ままに猫の相手す

鄙びたる里を吹く風 豌豆の
からめる蔓をゆさぶりて過ぐ

くせのある ....
  宇治橋

夕霧にかすみつ渡る面影に
露けき花の色が重なる―――

  観月橋

しめやかに
欠け満たされぬ夕月の
心を以ってなぞる君の名

   ....
●赤旗が挙がりて暫し少女は踏切見詰む砂も払わず

あかはたがあがりてしばしをとめごはふみきりみつむすなもはらわず

●廃線となりて久しき踏切に草笛を吹く嬰女のあり

はいせんとなりて ....
蛍火の点滅そろふ魔の息はさうしてわれらの耳をかすめる

あれは蛍だつたのかしら言ひそびれ秘密となりしことの幾つか





          {引用=一九九八年七月一七日}
忘れ物思い出し歩を返し言う
独りごと人に聞かれし居しかも

凍る朝素足に草鞋の修行僧
声あげ行くに襟正したり

断絶と言わるる代に独り居の姑に
電話をすれば風邪ひき

家の建つ前 ....
{ルビ静寂=しじま}からもの憂き雨が貫けど
  破れる夢もない熱帯夜



曼珠沙華かさなる闇に{ルビ咲乱=さくらん}す
  狂おしいまま抱く情に似て



熱き夜に悶える ....
単純に奇声を上げて喜こべる
子等に渇きし心ほぐるる

ねぎらいの言葉を明日はかけるべく
目覚時計の ねじを巻きつつ

奴凧吹かるるさまに幼子が
犬を追い行く 梅雨の晴れ間を

苔庭に ....
単純もよきときあると自らと
慰むるとき 時雨の音する


ふれ合いし手の冷たさは言はずして
春雪消ゆる早きを語る

尋ねきし人は留守にて山茶花の
散り敷く庭に一人ごちする

我が裡 ....
満たされぬ言葉想いて立ちつくす
足元に身をすり寄せる猫

故里のなまりやさしく語る友
友も故里をとく出でしなり

何着ても似合はずなりし我が年を
哀れがりつつせめて紅さす

故里の老 ....
ほこりせしゴムの鉢をば雨に打たせ
ついでに心もなどと思えり

梅雨明けの豊かになりし賀茂川の
水しわに照る夏陽が眩し

云ひわけの言葉聞くとき掌に
猫のまばたく感触も知る

忘れたき ....
傘持ちて吾子を迎えに行くことも
久し振りなり雨もまたよし

さりげなく扇風機の風 吾が方に
向けてくれし子は漫画読み継ぐ

見知らぬ子 通りがかりの吾れに寄り
トンボが居るよと ささやき ....
カラヤンのレコード買いきて おもむろに
娘灯を消して聞くがよしと言う

萬緑を濡らして夕立過ぎゆくに
近江の里の深き静もり

緑濃き萩の道もいく曲りか
蓮の花咲く池に出にけり
     ....
加茂川に降る雨と共に昭和逝く
 何時もと変わらぬ景色まぶしく

編隊のかたちに鴉帰りゆく平成となる日の夕空を

永かりし昭和の御代も終焉となりて
小雨降る 夜となりけり

親しめぬ言 ....
 心より一切の欲消え去りて青き紅葉の葉は揺れており

 水無月に外郎を求め与えてし母の眼鏡の顔浮かびくる

 さえずりの混じりて聞こゆ玄関の机に田山花袋を読む
暗闇に目が慣れた頃見えてくる何万匹ものヒツジの群れが

専属のスタイリストが欲しいです あなたとデートの日はいつも

会ってすぐ「ラブホに行こう」と言う君が清々しくて妙に愛しい

好 ....
闇空に 轟き咲いた 火の花束 川辺に並び 見る人々よ

浴衣着て 二人で花火 眺めつつ 悟られぬよう そっと手握る

冷めやらぬ 昂ぶり胸に 抱きつつ 人込みの中 紛れて帰る

熱帯夜 ....
大抵の車は白き色にして街も大概白き夏かな さよならは青い背もたれ始発にて四月の夢を温めにいく



アンニュイな晴間が秘める春雷に片目をとじて君を待つ午後



ないしょです。星くず燃える屋根裏で子猫と愛し合った日々など

 ....
吹きぬける冷たい風の空高く
ひかりの鼓動は
静かにそそぐ



雪解けをあつめて川は哭いている
生まれたばかりのわたしの春に


ひとひらの可憐な花は弓使い
瞳砕けて曇りをうるむ ....
 
あの頃の
二人に捧ぐ
カスミソウ
無邪気なままの
君は遠くて
 
 
歩き出す
二人の旅に
タンポポを
また逢える日を
祈りて贈る
 
瞳孔に赤い花束しのばせて指揮棒で追う蝶の白さよ

シンバルの彼はスポーツ選手の眼、100mとか、なんかそうゆうの



部長から提案があります「なんでしょう」もっと白目を剥いてください
 ....
夏蝶が越ゆる沼にて逢ふものなし意思なきわれの明日浮かぶのみ

青胡桃にぎって家に帰る道街灯の影を父と信じて

夏空の鎮魂終わらず煙草火を擦り消し煙空に広がる
石瀬琳々さんの短歌おすすめリスト(327)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
36P_「短歌2」より- むさこ短歌6*07-7-17
33P_「短歌2」より- むさこ短歌12*07-7-14
31P_「短歌2」より- むさこ短歌9*07-7-11
白い朝顔- 生田 稔短歌7*07-7-10
27P_「短歌2」より- むさこ短歌11*07-6-29
26P_「短歌2」より- むさこ短歌8*07-6-28
25P_「短歌2」より- むさこ短歌12*07-6-26
24P_「短歌2」より- むさこ短歌7*07-6-25
22P_「短歌2」より- むさこ短歌16*07-6-23
京都八ツ橋- Rin K短歌35+*07-6-23
詠題「踏切」あれこれ- 山田せば ...短歌207-6-21
- 渦巻二三 ...短歌507-6-21
20P_「短歌2」より_昭和四十六年- むさこ短歌11*07-6-18
熱帯夜- Rin K短歌24*07-6-17
18P_「短歌2」より- むさこ短歌8*07-6-14
14P_「短歌2」より- むさこ短歌12*07-6-9
10P_「短歌2」より- むさこ短歌13*07-6-7
9P_「短歌2」より- むさこ短歌11*07-6-6
8P_「短歌2」より_〜_昭和四十年- むさこ短歌10*07-6-5
7P_「短歌2」より_〜_昭和四十年頃- むさこ短歌13*07-6-4
12,13P_「短歌2」より_平成元年- むさこ短歌11*07-6-3
水無月の朝- 生田 稔短歌9*07-6-1
こぼれおちるもの(其の三)- 快晴短歌5*07-5-29
夏—花火と恋にまつわる歌四首—- 凍雲 月 ...短歌1*07-5-28
夏始まる- A-29短歌5*07-5-18
さくらさくら- まほし短歌17*07-5-17
◆春の扉- 千波 一 ...短歌24*07-5-13
花言葉- 秋桜短歌8*07-5-12
青春狂想曲- たたたろ ...短歌10*07-5-11
鎮魂歌- 村木正成短歌4*07-5-9

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