ジーニー
最後の言葉しか
記憶できないきみに
語りかける言葉は
コスモスへの波動となり
私のカオスを整理する

だが
きみの実像は
何もない
ないのにあると感じるのは
原子の世界 ....
いつだって
箱の底に
残っている
ひとつ

とろける、喉に絡みつく、朝焼けの甘やかな、桃色
足掻くように過ごす、ふつうのひとができることをわたしはできない、晴れる昼、淡い水色
-雨の日は ....
きみのためになにも流されないような夜には
何処にも行き場がない

すべてのネオンサインに照らされて
きみは光の街のなかで成長していく
だからせめて泣き止んでいてほしい
安らげる誰かの隣 ....
灼熱する青き叙情
灼熱する青き叙情よ
その疾風で私の胸を裂き
万人の胸を裂き
赤き血を生け贄として
成長するのだ
そして私の腕の中で眠るがよい
灼熱する青き叙情よ

青き叙情は
即 ....
月見草
銀に揺れている
透明な水流になびき
引き寄せられ
傷んだ身体
俺は引きずっていく
引きずられていく
寒風吹き荒ぶなか

青、蒼、碧

陽光余りに眩しいこの真昼

俺の ....
空にはもう
手が届かない



真夜中、
潤いが消失した部屋で
繰り返し観たものは
果てしない砂漠での蜃気楼、の夢

瞳を覆う
色が無い眼鏡の、曇りをふき取っていく
余分なもの ....
ひととして生まれて
ほんとうによかった
この
、忌ま忌ましい 傷みは
決して手放さないと決めた
寺からオレンジいろの灯

今宵晴れたムーンライト

ひとりたそがれ繰り返す

こんなにも月があかるい

ちぎれ雲が水墨みたいだ


しあわせだ

冬枯れの森林公園

夜空 ....
怖い夢を見て
こむら返りして
いててってなった

ひとりなので足のつま先を
顔のほうへ曲げてくれる人がいない

昨日まで雪の降るまちにいて
彼の仕事の手伝いをしていて
たくさん食器を ....
となりでこんこんとねむっている君は
いま、夢の旅のどこらにいて
どんな風景を見ているのだろうか

空を飛んでいるのかな
くらい深い海に潜っている?
なにしろきみは獣だから
草原を走ってい ....
 私は中学を出て、友人の家を転々としながら生きていた。時たま家に帰ったけれど、親は何も言わない。マンションの台所のテーブルやそこらには、たっぷりの食事やおやつが大量に何日もそのまま置かれ、腐って匂いを .... 街角にはロボット

ロボットのつぎは鹿

さいごにセンサーを外した俺たち

ブドウ畑が青白いひかりを浴びている

モーティブから落ちて怪我しようが

まるでかまわない

まだ春 ....
上目遣いを覚えたあなたが
階段の上で背伸びをしながら
僕の耳まで遊びに来てくれる
身長も成績も同じだったのに
いつの間にか追い越してしまった
真ッ赤に燃えさかっちまえ
そうして真ッ白に舞い上がれ

灰に膿む空をにらみつけるわたしの目は沁みて

あの横須賀の廃屋のねむりよ
水色の目の車よ、またぐらでやわらかくあたたかく
あたため ....
「笹舟」

ほそくふるえる茎をくわえて吹いてみた
ちいさいころの夕焼けが鳴った
{ルビ百日紅=さるすべり}のあった空き地
少年探偵団のぼくが落とした時間
材木屋のある路地は行き止まり
ふ ....
必要か?と考えて、必要ないと決めるでしょう?
決めた途端にそれは、私にとっての価値を失います。
けれど、それは、価値が私にとって無くなっただけで、
私が、それを手放せるかは、別の話です。
価値 ....
今日はほんとに12月16日なの?
オレボケたんじゃないよね
ぜんぜん実感がわかない年の暮れ
近ごろの田舎の年の暮れは
まことに淋しいものです
稲刈りの終わった切り株だけの田んぼ
荒れっぱな ....
ただ息をしているだけの人もいる 抉り続けても得られることはないのだと知っている
あかい石榴を指で抉り出してはぐしゃりと潰したらたらと零れたそれは食卓の上にぺしゃりとへばり付く

抉ってはえづき抉っては辺りに散らした石榴の一部を ....
「このふくろどうしたのよ?」

「これはあれがあれした時のあれよ!」

「そうか、あれか!」

僕たちボケ夫婦は

「あれ」一つで通じる
本の頁を捲る度に、
髪をかきあげる度に、
引っかかる右手人差し指のささくれ。
ささくれの向こうには、
見たこともない懐かしい未来がある。



またひとつ、
母親に嘘をついた。
 ....
駅のホームには
ひとつの世界が埋葬されている
それゆえに駅のホームは
世界の墓地であり霊場である
だから今日もそこには
忘れられた眼の光や
捨てられた愛の閃きなど
あらゆる感傷的なも ....
古墳のある郊外の町には

なにか清新な風が吹いていた

プログラミングの講習を

五階建てのビルで受けていた


ぼくは思う

よくないことも

いいことも

起こっては ....
肌寒い空気の中
白い息を吐いて子供が一人
駆け足で通り過ぎた。

幼い頃
父と犬を連れて歩いた
林の中の参道。

鳥の鳴き声と風の音が混じり合い
どこかに連れ去られるような怖さを覚え ....
あしたは雪が降るそうです
大気がこころを揺らすんだ
あと三日で母が逝った日だ
目が腫れぼったくなる夜中
花柄の枕に涙が沁みて真昼
飛び降りても抱きしめると
窓の外雪が降り積もってた
それ ....
 若いころの孤独というものはナルシシズムと不可分である。若いころ、人はよく孤独に陶酔する。自分が孤独であることに酔って、孤独である自分がかっこいいと思う。そのような孤独な陶酔する主体が書いた詩とい .... とてもとても遠い昔、あるところに、こじきの女の子がいました。

笑うのも泣くのも、おしゃべりも、誰かのお気に入りになるのも得意。

こどものころは大変でしたが、大人になり、乳房が豊かに揺れるこ ....
じいちゃんの亡くなったカミさんが
うえたザクロの木のもとに
実がパッカリあいてころがっていた

皮からあふれ散らばっている実
鬼子母神の澄んだ涙を
庭におりたツグミがうまそうに食んでいる
 ....
題名を知らないシャンソンが鼓膜から記憶へと
空気を振るわせ、時間と空間を潰して流れる
後になって知る、このフレーズは本来なく
この旋律は架空であると。

記憶の断片が忘却の窪みで発酵する
 ....
わたしに命をふきこんだのは
横須賀の廃屋のようなうちに猫と車と住む
がんこなかんばん屋の男だった

かんばん屋と猫と車はそのうちで
消えたがる女をなんにんも生かし
わかれをつげてきたという ....
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