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三時間眠ったと思えば30分しか経っていなかった。もはや時間は意味をなさない。眠って見る夢と現実が激しく入り乱れ、私という輪郭がほどけていきそうになる。
自分自身を証明できるものは、もはや五感しかない ....
旅行鞄ひとつ手にもち
冬の夜を渡る夜鷹
哀しい瞳に行く先知らぬ望郷の念
子守唄が引き返す
吹き荒れる冬の嵐は枯れ葉を纏い
切なく胸を焦がすのは
浜辺で拾う貝殻のせい
....
愛に名前を付けるとしたら
私はお弁当と名付けよう
お弁当には
たくさんの思いやりや祈りが入っているから
愛に名前を付けるとしたら
私は嘘と名付けよう
自分のこころが痛くても
誰かのた ....
世界は
とても残酷で
とても冷酷で
とても醜悪で
とても我儘で
とても薄情で
とても無慈悲で
とても極悪非道で
とてもおぞましい
世界は
とても優しさ満 ....
死者のあしおと散るこえの
花息吹だき{ルビ御霊=みたま}ふる
{ルビ永久=とわ}をかぎりと{ルビ去年=こぞ}を問う
晴れるや明日は靴飛ばし
あまどい伝うなみだかな
空に灰が降り積もってゆく。
透明な青を閉ざし
憂鬱と呼ぶには白すぎる山梔子の死化粧よ。
そうやって黙ったまま強く薫る秘密の甘さを
蜘蛛の巣みたいに絡み付かせ
左の中指だけで
僅かに藻掻 ....
月明かり
その灯りのもと
読み耽りたいのは
ラブレター