横断歩道の上の白線は
決して真っ白であったためしがありません。
必ず、幾多の轍が、靴の踏み跡が刻印されています。
もしも、真っ白な白線がひかれていたなら
ぼくは、その上を這って渡りましょ ....
幾つものブイが並び浮かんだ沖合、幾つものカラフルなパラソルが立ち並んだ岸辺。その中間に、畳二枚ほどの広さの休憩台がある。金属パイプの支柱に、木でできた幾枚もの細長い板を張って造られた空間。その空間の ....
「今日の貨物も 重そうだな」
「ああ 空の雲も 重そうだな」
凍り付く森の枝先 すり抜けて
貨物列車がゆく
港の駅まで たんたたんと
コンテナの奥はガラスの水槽です
銀の平原を ....
いくら きみをひきよせようとしても
きみは {ルビ水面=みなも}に浮かぶ果実のように
ぼくのほうには ちっとも戻ってこなかった
むしろ かたをすかして 遠く
さらに遠くへと きみは ....
アハッ
雨のなか、走ってきたよ
出された水をぐっと飲み込んで
プロポーズした
でもきみは
窓の外は目まぐるしく動いているから
せめてわたしたちはこのま ....
夜の上水を歩く時に目の前の暗黒と後ろの暗黒の継ぎ目がなくなる
ごうごうごう、と発電機が鳴る場所の街灯はずっと夜のままだ
欅の大きな木が暗黒を作っていた、そうわかったのは月が見えたからだ
塾の ....
高原で野営する
鋭い冷気に
脚を震わせる
焚き火台で
爆ぜた火の粉が
ひとつ ふたつと
空へと昇り
風に流れて消えていく
魂のようだった
僕は思い出す
毀たれた幼獣の宝物や
....
いますこし
あなたのかたわらで
あなたのつくる木陰に
わたしをやすめさせてください
かつて
あなたから遠く
遠くはなれていったわたしを
あなたの幹にもたげさせてくだ ....
順番がきて
名前を呼ばれて立ちあがったけれど
なんて言えばいいのか、なにを言えばいいのか
わからなくって、ぼくはだまったまま
(だまったまま)うつむいて立っていた。
しばら ....
1.夢のあわいにて
ホームベーカリーだけが
空虚をこねている午前4時
退屈した彗星が
1.5人分の足首をまたいでいく
死にゆくものたちが膨らませる
気球にのってそれを追いかけた ....
底浅の透き通った水の流れが
昨日の雨で嵩を増して随分と濁っていた
川端に立ってバスを待ちながら
ぼくは水面に映った岸辺の草を見ていた
それはゆらゆらと揺れながら
黄土色の画布に黒く染みていた ....
●マドル●マドラー●マドラスト●子供たちは●頭をマドラーのようにぐるぐる回している●マドラーは●肩の上でぐるぐる回っている●ぐちゃぐちゃと●血と肉と骨をこねくりまわしている●そうして●子供たちは●真っ ....
●本来ならば●シェイクスピアがいるべきところに●地球座の舞台の上に●立方体の海を配置する●その立方体の一辺の長さは●五十センチメートルとする●この海は●どの面も●大気に触れることがなく●どの面も● ....
●ぼくの金魚鉢になってくれる●草原の上の●ビチグソ●しかもクリスチャン●笑●それでいいのかもね●そだね●行けなさそうな顔をしてる●道路の上の赤い円錐がジャマだ●百の赤い円錐●スイ●きのう●ジミーちゃん ....
●ゴホン●ゴホン●ある日●風景が咳をひとつ●ふたつ●ゴホン●ゴホン●そしたら●そばの風景も●ゴホン●ゴホン●咳をしだした●そしたらまた●そのそばにある風景まで●最初に咳をした風景に似てきて●ゴホン ....
●それでは●明日のあっくんの「意味予報」をお送りいたします●明日は●午前中ずっと意味が明瞭ですが●昼ごろから晦渋となり●午後から夕方にかけて●ときどき意味不明となるでしょう●夜は●明後日の未明まで ....
●森川さん●過去の出来事が自分のことのように思えない●って書かれましたが●たしかに人生ってドラマティックですよね●齢をとってもいいことはたくさんありますが●じっさいにそれがわかるのもそのうちのひと ....
OVER THE HILLS AND FAR AWAY。
●「なんていうの●名前?」●「なんで言わなあかんねん」●「べつに●ほんとの名前でなくってもいいんだけど」●「エイジ」●「ふううん ....
●コップに入れた吉田くんを●空気が乾燥した日に●風通しのよい部屋に二日のあいだ放置しておくと●蒸発して半分になっていた●これは●吉田くんが●常温でも空気中に蒸発する性質があるからである●コ ....
●捜さないでください●現実は失敗だらけで●芸術も失敗だらけ●ちゃんと生きていく自身がありません●ハー●コリャコリャ●突然●自由なんだよって言われたってねえ●恋人没収!●だども●おらには●現実がいっ ....
引越しした
駅から2.4km
少しの不便さと
引き換えの
静かな毎日
一人部屋を持てた
妻の機嫌もいいようだし
正月
きりりとした
冷気が肌をつねる
私の心の逍遥は
駅へ ....
●桃●って呼んだら●仔犬のように走ってきて●手を開いて受けとめたら●皮がジュルンッて剥けて●カパッて口をあけたら●桃の実が口いっぱいに入ってきて●めっちゃ●おいしかったわ●テーブルのうえの桃が ....
●先斗町通りから木屋町通りに抜ける狭い路地の一つに●坂本龍馬が暗殺されかかったときの刀の傷跡があるって●だれかから聞いて●自分でもその傷跡を見た記憶があるんだけど●二十年以上も前の話だから●記憶違いか ....
二〇二二年十一月一日 「夢」
お金を盗まれる夢を見た。
二〇二二年十一月二日 「夢」
また盗まれる夢を見た。こんどは靴だ。修学旅行先でだ。ぼくは高校生だった。
....
二〇二二年十月一日 「ネモ船長の最後の冒険」
海外SF傑作選『異邦からの眺め』6作目は、ヨゼフ・ネスヴァドバの「ネモ船長の最後の冒険」太陽系を破壊しに来た異星人たちをやっつけに地球から ....
だいこんを抜く
よく太って近年にない出来映えだ
ぢの痛みを我慢しつつ植えつけたから
ご褒美なのかもしれない
この冬は
だいこん、たまねぎ、そらまめ、茎ブロッコリーが
畑で育つ
いつも ....
二〇二二年九月一日 「フィリップ・ホセ・ファーマー」
ぼくの大好きなフィリップ・ホセ・ファーマーの本が Amazon のネット古書店で、1円とか2円で売っている。なかには数千円のものもある ....
二〇二二年八月一日 「海東セラさん」
あしたは高木精神科医院に行く日だ。
ワールズ・ベスト1965『時のはざま』5作目は、ウィリアム・F・テンプルの「時のはざま」ゴッホのいる時代にタ ....
傷ついてはいけない
傷ついてはいけないと
そんな祝詞の壁の扉に鍵をかけた
風嵐の舞う暗闇に影を放り込んで
流す血の吹荒びを捉えきれずに
錆びつきと凍てつきを押さえ込めずに ....
二〇二二年七月一日 「バスカヴィル家の宇宙犬」
海外SF傑作選『クレージー・ユーモア』5作目は、ポール・アンダースン&ゴードン・R・ディクスンの「バスカヴィル家の宇宙犬」地球人の真似をする ....
レタスさんのおすすめリスト
(4157)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
白線。
-
田中宏輔
自由詩
13*
23-4-24
反射光。
-
田中宏輔
自由詩
13*
23-4-17
水_槽_列_車
-
松岡宮
自由詩
15*
23-4-12
水面に浮かぶ果実のように_____
-
田中宏輔
自由詩
12*
23-4-10
RAIN_SONG。
-
田中宏輔
自由詩
15*
23-4-3
原君
-
XIAO
自由詩
6*
23-4-2
Adieu
-
Giovanni
自由詩
7*
23-4-2
いますこし、あなたの木陰に
-
田中宏輔
自由詩
23*
23-3-27
四月になると
-
田中宏輔
自由詩
17*
23-3-20
孤独の形成
-
平井容子
自由詩
4
23-3-18
高野川
-
田中宏輔
自由詩
17*
23-3-13
LA_LA_MEANS_I_LOVE_YOU。
-
田中宏輔
自由詩
10*
23-3-6
TUMBLING_DICE。
-
田中宏輔
自由詩
10*
23-2-27
CLOSE_TO_THE_EDGE。
-
田中宏輔
自由詩
9*
23-2-20
AMUSED_TO_DEATH。
-
田中宏輔
自由詩
10*
23-2-13
WISH_YOU_WERE_HERE。
-
田中宏輔
自由詩
10*
23-2-6
A_DAY_IN_THE_LIFE。―だれよりも美しい花であ ...
-
田中宏輔
自由詩
11*
23-1-30
HOUSES_OF_HOLY。
-
田中宏輔
自由詩
13*
23-1-23
FEEL_LIKE_MAKIN’LOVE_。
-
田中宏輔
自由詩
10*
23-1-16
Jumpin'_Jack_Flash。
-
田中宏輔
自由詩
9*
23-1-9
跳ぶように翔ぶように
-
Giovanni
自由詩
4
23-1-4
ROUND_ABOUT。
-
田中宏輔
自由詩
13*
23-1-2
MILK/THE_WHITE_ALBUM。_──乳用牛ホルス ...
-
田中宏輔
自由詩
13*
22-12-26
詩の日めくり_二〇二二年十一月一日─三十一日
-
田中宏輔
自由詩
11*
22-12-19
詩の日めくり_二〇二二年十月一日─三十一日
-
田中宏輔
自由詩
14*
22-12-12
続_ち、に濁点
-
たま
自由詩
11*
22-12-8
詩の日めくり_二〇二二年九月一日─三十一日
-
田中宏輔
自由詩
11*
22-12-5
詩の日めくり_二〇二二年八月一日─三十一日
-
田中宏輔
自由詩
14*
22-11-28
歩んで償う
-
静
自由詩
1
22-11-26
詩の日めくり_二〇二二年七月一日─三十一日
-
田中宏輔
自由詩
15*
22-11-21
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