151130
バブル景気の頃はと
中年の男が懐かしげに回顧する
逆輸入車なんて、国内では買えないバイクを
すぐ近くの国に輸出して、直ぐさま国内に戻して
外車として売り ....
夢のなかでわたしたちは詩を書いている
できるだけすくない言葉ですむように
皿がいち枚しかないから
間違ったことは言いたくなかった
でもただしいことも正しく思えなかった
あなたは始める ....
雪をふらせる雲を
「ゆきぐも」と呼ぶのだ、と
あなたに教えられて
それが
すっかり
気に入ったので
つい独り言してしまう
「あれは雪雲だろうか」と
冬をうつした窓辺で
わ ....
夜明けの淡い光が ゆるやかな
丘の木立を 悪夢から救い出すとき
白い衣の少女たちが 透明な微笑を
ローリエ樹の 木末の葉先に 露を宿す
遠い思い出に浸って 白い午後は
菜の花畑の ....
永遠が一億を超えた島を見て 賄えない と嘆く神さま
まなざしを空へと教え導いてそのまま飛んでいってしまった
つぶやきにうなずくきみをみあげると秋の日差しのなかの黄葉
....
小さな町は大きな街に憧れて
いつも大きな街の姿をテレビで見ていた
小さな町は大きな街が大好きだったけど
大きな街に行くと自分がいかに
小さな町であるか知ってしまうことを恐れて ....
父さん居るのなら聴いて
日日ほがらかに楽しいです
あなたの最後の願いのとおりに
日日はとてもさいわいに満ちています
私の右手は人を指差すためにあるのではない
私の左手は施しを掴むためにあるのではない
日が短い秋の夕暮れに気づいた
俺はあとをつけられている、
たしかに後ろで何かが擦れてリズムを刻んでいる
こうして気づくことはその音速と
歩くスピードの関係で起こる現象だ
俺は尾行者に通告して ....
カキフライだもん
大丈夫だと思うだろうよ
確かに生焼け感が
ハンパなかったけどさ
新鮮さを生かした
シェフの技術だと
納得して食っちゃったじゃんか!
おかげでゲゲゲの下痢だよ!
巨大な画面のなかにキミがいる
わたしはあなたをにくんでいません
とてもスキで大切にしてる
そちら側
わたしは全身で
泣いているそばから
涙が雪になって風花みたいに消えていく
体の中心 ....
わたしをつくったのはだれですか
どうしてつくったのですか
びょうどうとはなんですか
それはいいものですか
わからないことだらけです
わからないままおとなになってもいいので ....
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僕は勢いよく駆け出した!!
身体が軽い、痛みも消えた
毛並みも艶やかで若々しい
僕は解放されたのだ!
僕は夜の街を走る
いつもの散歩道、僕の街
家の中から地球の裏側まで
....
あなたの息づかい
あなたの体温
ほんとはね、わたし、それだけで生きていけるの
葱鮪汁啜るふたりはもう他人
たった一言の返答で
見たくなかった物を見た。
「これは、捨てなければならない感情だ。」と言うことを。
選ばれなかった私。
選ばれたあなた。
(何かを吹っ切れた。)と思ったら
....
「離してなるものか。」とは言わないで
父の顔に触れている。
「別れ際に泣くのは、銀幕の中だけだ。」と考えた。
これからは
ケーキを切るときも
饅頭を分けるときも
きっちり測らなくて ....
愛妻が愛人に出す葱鮪汁
葱鮪鍋血液型の話題から
揺るぎない態度が歩むアスファルトの硬さで
両腕を失ったのは誰か
絶えず歩み続けることで
身体の抱擁を犯されたのは誰か
足跡は連なり
その道は物語を一つ語りだす
独りの表現を誇張し
劇 ....
向こうの林の梢の上に
三角からすを止まらせて
昨日のぼくの ろくでなし
あしたに恃む すべもなし
雲にまかれた梢の陰に
三角からすを潜ませて
(三角からすっていうのがいるんです ....
目が口ほどにモノを言う人たちに囲まれて
君の視線のフィラメントが闇のように漂う
人見知りがひとり 見知らぬ人たちと
待合室でチェスの駒みたいに包囲され
遠くから黙々と頭を打つ冷たい秒針は亡霊だ ....
野薔薇の咲き乱れる公園で私は待っていた。
ベンチに腰掛けている私の面前を物言わぬ者達が通り過ぎてゆく。
遠い記憶を辿ると確かに私はここで待っていた。
緑に塗られたベンチの端の方、そこ ....
泣いてごらん
言われなくても泣いている
目薬みたいにだらだらだらと
泣き止むことも忘れてもう
鎮まれ鎮まる
ビフォーアフターの音楽ながれる
ぼくはいまから死刑に ....
ササユリの花を 知っているだろうか
市町村の花にしているところも 多いと言う
花言葉は 清浄、上品、珍しい
そう 貴女の 人生みたいだ
浄化されるべき 道を求めて
転がり込ん ....
哲学書一冊借りて秋刀魚焼く
気怠い午後だ。
こんな凪いだ白昼夢に溺れそうな空気には
ジムノペディがよく似合うのだろう。
神々の祭典だ
と、
教わったのだろうか。
アンブローシアは、
不老不死の実 ....
夏 熱苦しかった 公園の立木は
秋 身軽くなって
梢をより軽やかに おどらせている
そして 庭木の葉先も
背伸びし終えて ほほえんでいる
野の鳥たちにむかって
招待状を提示するかのように ....
たいせつをさがしている
大袈裟でもなく控えすぎず弾力をもつもの
空は低いが僕の中にそれをおしあげる力があるだろうか
誰も風化しない星々も変化しないのではちょっと困るのだ
粘土のように塑 ....
雨が降っている、と 長い髪を翻して駆けていった
レティシア 君を探して見知らぬ夢をさまよっている
あれは君だったの 夢のなかでそっとくちづけをかわした
誰もいない図書室で本をひら ....
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