距離が捲れて
ゾウたち湧き返る
餌をやる手が喰いつかれ
餌になる
くらいなら
喰ワネバナルマイ!
何も売りはしない日
うららかうららか 
うるおうか
鼻も耳も牙もなくした
ゾウ .... 
それはモノゴトとの距離の問題
モノゴトが遠くにあれば小さく感じて
モノゴトが近くにあれば大きく感じる
時間もひとつの距離だ
あるいは他のモノゴトとの比較の問題
モノゴトの傍にもっと大きな .... 
山ぶかい
精進料理の
聖らは
芽吹く若葉の
命を知らず 
{ルビ子供=ガキ}の頃はよく褒められた
「聞きわけのいい子」だなんて
言いたいことが無かっただけで
やりたいことが無かっただけで
歳を食ってそれに気付いて
今さら何をする気もねぇ
とり .... 
詩はシワが多いほどいい
珈琲はサトウが多いほどいい
すいもあまいも知っているなら
愛と平和のために
甘い方をえらぶだろう
水くみに7キロ歩く友がいてもだ
 .... 
ビー玉みたいでキレイな目
この目がほしくて
飼い猫を見つめる
猫の光る目と見つめ合うと
この目の奥の世界は
この猫の頭蓋骨以上の広がりがあるようだ
この目の奥に広がる暗い光 .... 
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            |
           ごく、
         近視眼的思考で
      詩のようなものを書いたなら
     .... 
強くはないと
自覚していても
強い人になりたくて
強がりばかり言っているから
その分余計に痛い目にあう
優しい人にはなれないと
解っているのに
優しい人の振りをするから
その分 .... 
てのひらからこぼれるままに
ことばを拾う
忘れていた物の色やかたち
あてはまる隙間のない断片をかかえて歩く
なつかしい風景に返すためにあたためる
星々をめぐる
それは散在する島々のよう .... 
読みかけの詩集をめくる春の風 
ありがとう
僕を空っぽにしてくれて
大きな歌で
満たされることだろう
ありがとう
僕をつかまえていてくれて
トンボになって
飛んでいくところだった
ありがとう
僕を自由にして .... 
死にたい って
やっぱ
逃げたい ってことなんよな
何から って
せめないで ってことなんよな
みかたがいるよ
ひとりじゃないってことに
すがらないと
生きられないよ
桜 .... 
朝の電車は何かを探している
遠くにある理想的なものを探すのではなく
近くにあるけど
いつもの通路にあるけど
まだ発掘されていないもの
新しく降り注いで来るものを探している
 .... 
泣かない奴だと思われてる
感じない奴だと云われてる
まともな人間になんかとてもなれないし
好かれる人間になんかもっとなれない 
誰かが嘲笑ってるのが聞こえる
あからさまに 聞こえるようにわざ .... 
ふたつの目をひらいて走る
風がつよい 景色がめまぐるしく 変わる
うつりかわりを
楽しく思う人もいるだろう
目があけていられないほど
怖いと感じる人もいるだろう
だからこそ
 .... 
終日への覚悟
月輪はかわらずに美しくも
みだれ滲む余韻は
あなたへのyellなのです
聖めの静寂は
それでも意気揚々とする
魂への讃美歌
生ききるのは
姿かたちではなく 
笑顔をもらうと
うれしくなる
いてもいいんだ
って気になる
言葉はわからなくても
タッチをしたくなる
迷いながらきたけど
ありがとう
あなたの笑顔で
また歩きだせます 
私と彼の趣味はかぶらないのだが
なぜ今でも会うのだろう
そんなことを暗闇の中で考えていた
しかし口に出しても 仕方のないことだ
今では昔のようにわかりあえる部分も少ない
いくら気があっても
 .... 
化石になって
鳥になって
ご飯食べて
海になって
道になって
林檎になって
蜂蜜をなめて
空を掻いて
小鳥になって
うまれかわって
リンネして
はこばれて
まわされて
洗濯機 .... 
横浜・野毛の老舗「村田屋」の座敷にて
鰯丼の傍らに、置いた
味噌汁の真ん中に
豆腐がひとつ、浮いている
(天井のらんぷを、小さく映し)
澱んだ味噌汁の、只中に
くっきりと、立体的に .... 
いちばんだいじなものは
とっておきなさい
といって
せんせいは
おおきなみぎめをぎょろぎょろさせて
きょうしつをあるきまわる
みんなしくしくなきながら
にばんめをつくえにおいて
い .... 
俺は、風を探している。
退屈極まり無い日々を
ぶおおおうっと一掃する、一陣の風を。
――それは、生きてる本を
  開いた頁のすき間から、吹き
――それは、熱いライブを
  終えた無人の .... 
私の中に生まれた
この変な気持ちを溶かした
私の水を飲め
薄紫色の
少し甘い水は
一度飲めば
麻薬のようで
きっと君は染まるでしょう
きっと私も染めるでしょう
不確か .... 
僅かばかりの幸せを
漉し取るように味わう日々
まるで奴隷か囚人だな
思い当たる罪なら山ほどあるが
これでも少しはマシな方らしい
だからどうしたと言うんだ
俺より不幸な人間がいたところで .... 
ザザ ンブ ララ ア
ルル ルウ ザンブ
寄せては返す
奪ったら返してくれない
怨んでもシオマネキ
黙ったら塩辛い
ザザ ンブ ララ ア
ルル ルウ ザンブ
 .... 
焼却炉から出る煙が冬の高いところへ 
  
おとうさん
あとどのくらい
私は生きるのでしょうか
あなたの
居ない世界に
あなたのことなど
ほとんど忘れて
生きてきた年月
これ以上なにが
見えてくるのか
知 .... 
眠気に包まれた祈りが煙の海を泳いでいる
硝子越しに並んだ雑誌の女たち
未だ馴れない携帯メール
     たどたどしい指先
男性誌と女性誌では
同じ美人でも漂う匂いが違っている
雄と .... 
物語は語られて
語られるたびに
姿を変える
物語は硝子に映えて
地の図と混じり合い
姿を変える
物語は受像機を通り
壊れるまで繰返し流れ
姿を変える
そして猫たちは
物 .... 
嗚呼、今日もまた
死んだ目で笑う作業が始まる
虚像を作るのも楽じゃない
けれど今さら捨てられもしない
慰めの言葉なんかじゃ傷は癒えない
そんなことわかりきってるはずなのに
ほらまた
 .... 
 
 
 
 
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