ぼくを見捨てたもののためにぼくは死ねるだろうか


晴れた日の正午に
だれの記憶にも残らないやり口で


光のなかで明かりを消すように


永遠より午後の芝居を好むように夜は長 ....
そこにあったことなどないことを忘れそうに満ちる野花


水底にねをはる陽の匂いをそこねることなく永遠の死を生き続ける置物に


なによりもそこに似合う置き場のない静けさとして


 ....
生まれつき
泥じゃなく砂をかためたふたりのからだは穏やかな波にさらわれ
いつしか跡形もなく
消えて
しまって
から

さらさらふたりきりで 小さな
肌のかけら
となり

青い ....
花びらと油虫-


さらさらと指のすき間からなにも零れない


さらさらと指のすき間からなにもかもを零す美少女は
なにかを留める気などさらさらなく
校舎のような屋上から
花びらへと ....
小さな手袋に握られた冬は灰 尾を切りさるヤモリのみたしろいろのクモは
闇に裂いた
光の

┼┴


夜露のつきるぎんいろの落雷にからまりしずかに身悶える
サーカス

極 ....
-孤独な誤読-

あんたが死んでも世界はなんも変わらん。──
わたしが死んでも世界はなんも変わらんよ。だからあんたが死んだら世界は変わるんよ──


わたしの呼び掛けたあなたトワ 主語 ....
ええ、生まれて一度もこの家の敷地を出たことはありません/はい、生まれて一度だけこの家の屋根から海に飛び込んだことがあります/
いつかの夏、この家を飛び出して七日のあいだ何処かを彷徨い歩いていまし ....
-ピクセルの1つ-

一番大切なものがないんです



-中華-

シナは国ではなく現象にすぎない ─勝海舟─


スマホが爆発する大陸で家族と毛蟹を割り

みそをすする母の ....
手にしたとたん重くなるスノウグローブを覚えていて

なにかを覚えていることを思いださせてくれる風景にわたしがよみがえる


木製の土台に細工されたオルゴールは壊れていて  少しの揺れでま ....
観葉植物を真似るクリームソーダが
夕焼けに溶けていく
散々

カフェインに浸れた
町角で
段々
赤い花を咲かせた
砂漠の
あるいは密林の植物がひけらかす
肉厚な葉のように
ク ....
赤ちゃんを引っ張りだすように大根を抜いていくかあちゃん
タオルを風に飛ばされても大根の泥をはらいしなやかに太陽にかざすかあちゃん

袋売りの切り干し大根にしか興味のないあたしは中立を気取る麦 ....
水平線のような雨に沈むステージに ヘッドライナーは来ない

透明なレインコートのフードを叩く光のかたさが
右の頬を歩き
左の耳から
プラグを抜いた足音がいくつも遠のいていく

引き潮のよ ....
この夏に北アメリカから来たバックパッカーの女と友人が意気投合して数日を共に過ごした。
駅前の英会話教室に通う友人にとっては願ったりの相手だ。

三人でしこたま酒を呑み、そのまま友人宅で寝た日の朝 ....
カチカチ 歯と鳩 カウントマシーンが音をたてる

台風がそれた朝の
まだ肌寒い堤防によせかえす波をカウントして ガラスの水滴を震わせて回る数字
鳥と虫とドローン 飛行機をみつけては指で隠す ....
アコーディオン的肋骨に眼も反らせん瓦解
孤高の乾布摩擦
露骨に股間パシャ
否メイン
天華
アキバの懐
しらん掟
@ @
ミンチ機チックにアップリフティングな友愛のはしたなき中指から ....
チャリのストッパーを跳ね上げた音が
八月の折り目に
鋭めに響いて
バイバイした


終わりが始まりに触れようとして、外側を内側に折り込み
内側を外側に折り返して発達する八月に沿って
 ....
買っておいた胡瓜と茄子に割り箸をさして
精霊馬をつくり
朝の玄関に置いた

いつからなのか
サンダルの隙間に
しろい腹をみせてころがる
蝉の死骸を拾い
リウマチの指を思い出す

 ....
だれかを待つ時間がだれかを想う時間に変わるスタバの女の子たちって砂場の女の子たちじゃん

しゃがんでパンツ汚してペタペタ固めたお城でアフタヌーンティー赤いスコップと小さなおててでほじくる穴に砂型セ ....
暑い夏の通夜にゆるんだネックタイ

どの家の戸も開け放たれ
箪笥の匂いが軒先からあふれてくる

ガラスの風鈴が涼やかに鳴り
カラスの群れが電線で毛づくろいし
包丁座が夜空に輝き
エンバ ....
英雄とは母から強く愛された者のことだ ─ ゲーテ


虎の匂いしかない
泳げないきょだいなきょうだいがきょうだいな海に飛び込んだ夏

裸足で夏草の深い抜け道を抜け
踏み板が腐って外れ ....
まだはやいと
手毛を抜いて
ハンドクリームを塗ると
夕星が棚引く

テフロンの夜空

そういえば
ぼくは椅子を持っていない
だれかぼくのところに来なくてはならない日が来たら
ぼくの ....
公園の枯れ枝を踏んで拠点のヤードに帰る
今夜もカレーだ

閉め忘れた窓 閉め忘れた蛇口 閉め忘れたガス栓 咲き忘れた花を
言葉が覚えている
小蠅が絶えない
部屋の
言葉が

モノが  ....
ティッシュのような毎日を配って

水を飲み
汗を拭いて

赤い屋根の 濃紺の影が灼熱の四つ角をひんやり濡らす 一軒家の
ドアーに爪先をはさみ入れた


靴幅の隙間に
斜めに顔を近づ ....
Tシャツが臭すぎてきみの風下から風下へと渡り歩く 書けることを書けない夏の教室で
好きな子の隠し事と嘘すら見誤る最低に


これとそれはこれとそれに似ているという点として線にのみこまれようとする夏の営みから逃れようとして線をくしゃくしゃ丸 ....
万引き家族のブルーレイを万引き家族が万引きして青空市場で売っていた
新鮮な青リンゴみたいに

コンビニに行く途中で足の裏の影に落ちて
トランポリンみたくぽよーんぽよーんと夜道で跳ねた
膝をピ ....
蝉が鳴いたしだいに

夏のみすぼらしさを飾って ぬけ殻をくわえてくるってゆう君
小汚い綴れ織りや押し花を蒐集して

あしの爪をのばしっぱなしなのに
やっぱしさみしいのかしらんって
だれか ....
結局、遅かれ早かれ、人は影を出しっぱなしにしておくことも、見逃すこともできないわ ─ウェンディ─


夏のピーナツ バターを冬眠する舌で舐めれば法外な朝はしめやかにはじまり華やかな金曜日に鮮や ....
蛍の光のなかに二人はもういないし 蛍もいない
きれいな緑色の軌跡ばかりが
薄いパネルの表面を掠めて 涼しげな川岸の草葉を揺らしている

蒸気と霧が立ち込める、ネオンと接合車が溢れかえる、四六時 ....
パチプロを自認するヤスくんはこのごろずっとパチスロに文字通りハマってるという

ちゃぶ台をひっくり返して戻ってきたキラキラの振り出しでヤスくんは煙草をふかして貧乏揺すりして早速フリーズしてる

 ....
末下りょう(197)
タイトル カテゴリ Point 日付
観光バス自由詩5*21/3/18 13:00
置き場のない置物自由詩6*21/3/10 23:21
ロングバケーション自由詩4*21/3/6 12:28
2Χ0自由詩2*21/3/4 11:58
衣がえ自由詩021/3/2 14:17
4Χ0 2自由詩021/2/28 12:09
姉妹の家自由詩1*21/2/26 1:43
4Χ0自由詩1*21/2/23 11:00
スノウグローブ自由詩5*21/2/18 11:10
コーラのちコーヒー、所によりクリームソーダ自由詩5*21/2/14 11:53
大根狩り自由詩3*21/2/12 13:06
アフター フェス自由詩1*19/8/31 21:05
北アメリカから来た女自由詩10*19/8/27 20:38
カウントスタッフ自由詩4*19/8/20 21:20
アキバカゲロウ自由詩2*19/8/17 19:35
八月の折り目自由詩8*19/8/17 19:33
自由詩9*19/8/13 20:40
バニラクリームフラペチーノグランデ自由詩3*19/8/9 0:24
暑い夏の通夜自由詩2*19/8/6 19:34
虎と稲妻と向日葵自由詩3*19/8/5 20:43
手毛自由詩3*19/8/3 13:24
サレンダー自由詩1*19/7/31 20:19
シュー イン ザ ドアー自由詩2*19/7/29 21:21
夏休み短歌1*19/7/27 22:01
夏の教室自由詩4*19/7/22 20:30
テレビでやるって言うから自由詩019/7/22 20:27
ゆう君自由詩2*19/7/19 21:01
ロストボーイ自由詩2*19/7/13 21:13
自由詩2*19/7/10 19:54
パチンコとパチスロとヤスくんとぼく自由詩1*19/7/6 15:48

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