或いはもう捕らえられているのかもしれない  この一歩は前進なのか 後退なのか
走っているのは内側なのか 外側なのか
内も外もクソもないのか
ここは何処で何処を目指していつ何処からなぜ走り出し ....
白い影が毛皮の悲鳴* を羽織り さまようのは雨の樹海



触れられないものに触れて 指紋の消え去った手に

嵌まる
指環のように

仮説の極限で燃え尽きる



巨 ....
細く
細かい
光線を
縫い通すような
風が
白日の
一月の
男を
一人
死なそうとしていた


カクシンは
カクシンに
届かないことに うろ たえ


永遠と ....
空は曇り


街は曇り ビルの谷間の 冷えたぬくもりに躓き  吹き抜けるかぜ  なぜ と  灰とかげ──背広の音色が波のように行き交う歩道に落としたピルは
奈落の白い底


騙したあとの ....
わたしという輪郭の綻びから わたしと呼ばれた質量のような体積を 面積として再現するドットの集積の確率に 虚ろに ───



わたしが感じているか感じていないかに一切 関心を示さず運動を完 ....
激しい濁流と錆びた鉄橋はゆきずりの光景でしかない

ビニ傘で行く手をさえぎる横暴なエスコートがわたしと雨粒を斜めに切断する


無限を接写する賭博者たちは必ず破綻した

二度目に犯した過 ....
子供たちが三輪車で走り回る公園に 精子が乾燥して凝結した模様の透けるピンクのコンドームが落ちている


長閑な公園の中央に なにかの脱け殻のように



ピンクのワンピースを着た ....
クソ溜めでも進むしかない。


ティーンだったわたし、ブルーカラーの髪に黒ぶちのダテ眼鏡。
パンクス気取りのしがないガール。

ガムテでぐるぐる巻きにしたコンバースにレッドタータン ....
跡形もなく明け渡したのは  風のような空白の領地


秋めいた空気のなかを
所在なげにゆれる

遊び紙


コーネルにかけた
繊細で散漫な指の終ろうとする
記憶の産声を
 ....
話しそびれてしまって浅い水路で風がわらう


ぼくたちのてのひらで火傷した蛙の


フリーズと


ラケットを肩にかけた生徒たちが


それぞれの家に帰る


ざ ....
詩人に嫉妬して咄嗟に拒絶した


同じ人間と思えなくて思いたくなくて
深く関わっちゃだめだ
人生を壊される
笑うけど本気でそう思ったし
教室の席でじっと教科書を眺めながら 生まれ ....
炭酸ジュースしゃかしゃか振ってプシュッ た ら、あ
シュワッ 近未来

キリンみたい 、な
水銀灯の 塗り絵みたいな光のなかを
コンビニ袋が
虫の知らせみたいに応答して
海の ....
その夏、軒先の巣から落下した雛鳥を拾い、かたい土の庭に埋めて
はじめて心の
奥底に──
夏を感じた


(図書館の傘立てから盗んだ傘がわたしの唯一の武器で
傘にはマジックと紙とテープで名 ....
わたしけっきょく書きたいことなんてないからノート引っ掻きまわしてるだけなんですって言ったら、おまえそんないいもんじゃねえだろって、そりゃそだ



雨上がりの虹をマフラーにして ブラックホール ....
静電気さえとどかないみなそこにデモクラシーとその日暮らしはこない


泥と石のくにのくるわの
火のないねむりの
起源と痕跡

ふと 火山に生まれ 地震で育ち 桃をくわえたカラスはしら ....
とっくにいない子のとしをかぞえる 母の夏 蒸す子も蒸す芽のゆげを嗅ぎ あさがたの星のようなこめを噛み 麻と稲は波のように朝つゆに濡れひかり おやゆびでおさえたこめかみから蒸すひめの結びめがほどけるよう .... オセアニアの少女たちのように 裸足でさまよい 歩くことを覚えた
夏の
ネオンに透き通る
それぞれの肌


色鮮やかな光の波に漂うビジネスマンと ふれた肩
ゴムボールを落とした子供を
 ....
蝉の鳴き声と赤ん坊の泣き声がこだます 夏の朝に
いくつめかの台風の いくつもの風が小さく渦巻いている

まだ
窓辺の風鈴を鳴らすこともなく

起き抜けの肌を
割れた鏡のような朝の破片に
 ....
-遠い今日-

破り捨てなくてはならない手のひらを 遠い今日に
忘れたまま

昨日の近さに怯えている


いくつもの明日へと 逃げることから逃げて




-きみとぼくの、夏 ....
あらゆるコトバがゲーム的に響くあなたの わたしのライフはあと1つ
裏技めいた手技とサプライズはあてにしない

愛してるアイテムを吐いてむせるわたしの瀬戸際はいつもクソゲー

生まれな ....
ユーモアは悲しみから生まれると、マーク トウェインは書いたけれど、
彼女の明るさも悲しみから生まれてくるものだろうと彼はなんとなく思った。
夏の遊戯のようにとてもユーモラスに。なんとなく。

 ....
妹よ 夕暮れの卓袱台にまごころがなくなり説得しか残らないのは淋しい
りかいしないままりようしようとしないでおくれ


日がな
海水浴に
明け暮れる
まだ胸のない妹よ

淡水学派と海水 ....
脳は頭がわるい

と顔が笑う



混色と純色をまだしらない

まだらのだらしない原っぱで


家を建てない


美と死と箸をすっともってしまうと

テレビのタモリと暗 ....
-セザンヌ-

塗られた白が浮き立たせる キャンバスの白


-ゴッホ-

そのキャンバスは色彩で彫られている
-ストレンジャー 世界 十字路-

よそ者は よそ者が分かる


-アモルファス-

わたしの叫びに振り向くことであなたはわたしに背を向ける
ひとひらの葉を森に隠すように  ひとつぶの砂を海辺に隠すように 

胸の奥に隠した いつかの傷が 
桜の 花びらといっしょに   風に 飛ばされた  

春の  並木通り
傘が必要な ながいながいおしっこに出掛けたあなたを追いかけて握った手


いっぱい我慢したおしっこの音がじょじょに 雨音にかき消されてくのを
聞きながら

ずっと
あなたと手を
繋いで ....
糸の切れた凧のように歩く同類たちと覚えた遊びにも飽きた蔓延防止等重点措置の
月の綺麗な
街角で

夜になると花を咲かせる沼地の水草のように萎びた仮性包茎の尿道が
静かに
星空を吸い込み続け ....
うすきいろとかうすむらさきいろの点滴がたぷたぷとぼくの血液を薄めて

風変わりなガラスに映る壊れた野菜とか果物にしてくれる

お見舞いのメロンのあみあみのやみやみの隙間から

週末の夜 ....
印象が色彩に溺死していた  絶え間なく腐乱する光の ──  氾濫  、或いは復活の反復に
末下りょう(197)
タイトル カテゴリ Point 日付
或いはもう捕らえられているのかもしれない自由詩0*22/1/9 9:47
巨像自由詩2*22/1/9 9:45
一月を一人自由詩1*22/1/8 9:40
自由詩6*21/10/5 14:07
静物自由詩3*21/10/2 13:50
郊外自由詩7*21/9/29 13:17
ちょこっと寒いところにちょこっと長居しただけですぐ体調を崩す ...自由詩3*21/9/26 14:26
だいぶダイブ / ある女の子篇自由詩4*21/9/21 14:27
ある読書家の肖像自由詩4*21/9/14 14:06
見分けのつかない分身自由詩12*21/9/10 15:02
いま考えると / ある女の子篇自由詩4*21/9/8 13:42
リヴィジョン / ある女の子篇自由詩2*21/9/5 14:50
鳥の息 / ある女の子篇自由詩2*21/9/3 15:09
べつにお前のリアルなんてどうでもいいよ / ある女の子篇自由詩3*21/8/30 14:09
アンペア自由詩3*21/8/26 13:35
母の夏自由詩2*21/8/23 13:30
輪郭の明確な分からなさ自由詩7*21/8/11 12:31
夜にそなえる自由詩5*21/8/7 13:51
2Χ0 3自由詩021/8/7 13:50
ライフ自由詩2*21/8/3 14:32
彼女の明るさ自由詩1*21/8/3 14:30
妹よ自由詩7*21/7/26 12:52
居間自由詩5*21/7/23 22:24
セザンヌとゴッホ自由詩4*21/7/20 12:59
2Χ0 2自由詩1*21/7/20 12:57
この春自由詩3*21/7/18 14:03
ステイ自由詩5*21/7/16 13:25
マンボウの街角自由詩2*21/7/12 12:26
メロンのあみあみのやみやみ自由詩6*21/4/4 13:54
印象派展自由詩3*21/3/25 13:45

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