お母さんが汗水玉一生懸命作っている

色とりどりの水風船

兄弟二人ははしゃいではしゃいで

弟は一番大きな声で叫んでいる

水風船を道路に力いっぱい叩きつけて

あちこち破裂お母 ....
久しぶりの自転車はちょっと浮く
なんて軽やかなんだろうと
鼻歌ふふとふふふんと
身体がリズムを刻み
心が風景を纏い
なんでもない一瞬がぱちりと
はじめて砂利道でペダルをこいで路地を出ていく ....
澄んだ空気が笑っている
雪だるまがへしゃげて転がって
もう命もわずかだからと笑っている
小さな女の子とお母さんが凧を持ち
みんな一緒に小走り助走して
わらわらとふわり凧が浮く
念入りにフォ ....
肉屋のコロッケ
ラードが踊るパチパチと
手書きのメニューと
いいカメラでとらえた自然に生きる
魚や鳥たちが額に入れられている
それとは別にスナップドアップ孫が
二列に並んでおじいちゃんって ....
こんなに暑いんだから
心も身体もうだる
歩くのもやっとで早く日陰に入りたい
そんなとき
おかあさんと可愛い声が歌っている
あっちのほうから
自転車のペダルがリズミカルにやってきて
夏のカ ....
すうっと眠くなって
文庫本をそのまま胸におくと
パタパタと浮いて羽ばたいて
パタパタと空中旋回
ひらりひらりと文字が落ちてきて
すうっと染みる
ひとつのひとつの言葉がぐるぐると
身体を巡 ....
ふるふる白い
雪を掬ってみると
こんなに軽かったけ
ぎゅぎゅっと丸めて
あの枝めがけて放ったら
その枝ぱしゃんと弾けたよと
誰かがいたようないつかの雪合戦
あちこちから飛んできそうな
 ....
ガラス戸越し縁側に
いろとりどりの風船が
あちこちと横たわっている
今にもふわり浮きそうな
楽しさの余韻
あかいろあおいろきいろ
丸々ふとっちょわははと笑う
膨らませてうーんと膨らませて ....
園児たちがかけっこ夢中
先生混じってゴールで転げたまね
車がそろそろと動き出すと
粒々いっぱい手のひらいっぱい
バイバーイバイバーイ
バイバーイバイバーイ
嬉しさいっぱい
さよならいっぱ ....
お肉屋さんで牛肉一五〇
切り落としであんまり見栄えはよくないけれど
赤く染まる白く映える
霜降りふりふりお尻ふり
じっとり牛脂
快感弾けるフライパン
にんにくと大葉を刻んで
大根をおろし ....
地方の町のラーメン屋
小汚くて愛想のない
何か独り言いっている
味噌ラーメンひとつと言っても
聴こえているのか無視されたのか
よろよろ歩くお婆さん
お客がひとりまたひとり
注文しても
 ....
「ここは抱っこおう」と
駅の構内に響く声
電車の中は我慢したんだから
ここは抱っこでしょ
我儘いうよ全力で
「ママここは抱っこ抱っこおう」
跳ね飛ぶ小さな身体とくつくつと
若い女性が振り ....
餃子の餡を皮で包む
自宅で作るときは鶏肉だ
あれとこれとを目分量
ああしたら美味しくなるから
こうしておこうと刻むリズム
そうそう胡椒を忘れず粗挽きぐりぐり
よく捏ねてよよく捏ねて
優し ....
小さなお婆さんが
ベビーカーに乗っている
少し楽しそうで少し寂しそうな
ベビーカーを押している業務的な人
うっすら笑って他人行儀
信号機が青に変わってすれ違う
私は能面カタカタ足音
段差 ....
少しくたびれた一軒家の生垣に
一面たくさんツバキが咲いていた
手のひら二つ
ひとつひとつを包みこめば
家族の笑顔が蘇る
赤い花がぽっと消えていく
家族で過ごすなんでもない一日は
もう戻っ ....
ドアをあけると天気雨
さぁ行こうかじっとしていようか
見上げるとうっすら虹が
描く頭のなか心のなか
ひととき呆然虹色に染まり幸せの予感
雨はつうつう降っているけれど
さぁ出かけよう歩いてい ....
牛乳を大きなカップに注いで
取っ手をぐるぐる豆を挽く
すうっと匂いを嗅いでホンジュラス
充分に沸騰させたお湯が好き
泡が立つ滴が落ちて
ゆっくりとゆっくりと流れて
お腹の底に渦を描いて満ち ....
とても疲れた夜はシュークリームひとつ

頬張る前に胸いっぱい息吸い込んで

放射線状に広がる口いっぱいの甘さ

幸せ歩く足音

横断歩道を渡らずに

何処かの惑星にいるような

 ....
コップにお水をいっぱい

こぼれそう

レモンを垂らして

ごくごくと飲み干せば

ため息一息ついて

落ち着いて立ち上がる
飴玉が溶けるまでじっとして
唾を飲み込み目を閉じる
飴玉が溶けるまでそっとして
軽くジャンプして
芝生と柴犬の撫で心地
飴玉が溶けるまでほっとして
息を吸い込み起きあがる
広い公園をぶらぶら探検
女の子が嬉しそうに背筋を伸ばして
自転車を漕いでいる
いつのまにかゆったりダンスしているような
大木が切られている
切り株と木の根はまだ生き生きとしているのに
そっ ....
どこかの町の帰り道
駅に向かって歩いていると
ふと足元たぬきの置物が三匹目に入る
それぞれ違う楽しそうな
わははと笑い
おっとっと戸惑って
今にもおしゃべりしだしそうな
通り過ぎるには惜 ....
雪がひらひら落ちてきて

皆少し嬉しそう

お父さんが両腕を前に出して

赤ちゃんを仰向けに抱えて

ゆらゆらゆら

嬉しそうに笑う二人

そばを歩くお母さんも微笑んで

 ....
大きな目覚まし時計が鳴っている

戸が少し傾いて

人気のない古い平屋から物が少しはみ出している

誰もいないのに

隙間を埋める古い記憶

戸に少し手をかけ躊躇い

後にする ....
あの海はどこにあるのだろうか

光り輝く波に乗せられて漂う

時折記憶の中で身体の中でさざ波うつ

色彩が揺れ包まれる温かい感触

いつの間にか私は山の中を歩いている

光り輝く緑 ....
家のすぐそこ
静かに営む町のケーキ屋さん
ジングルベルを鳴らしながら
年に一度せっかくだからと
一つ二つと食べる人数分
去年は息子さんのような
小さなその息子さんのような
幸せそうに笑う ....
月明りに照らされて
山によじのぼって行く人達
小さな粒はきらきら光り暗闇に吸い込まれていく
私も地面をしっかりとつかんで
山と月に包まれて
きらきらとした星々のような一瞬の
喜びと悲しみを ....
その角を
ふいに右に曲がると
道はのびていく
たくさんの家
人々が喋っている
知らない人たちの日々日常
町は広がる
車はびゅんびゅん
自転車はすいすい
放射線状に
沸き立つ生活
 ....
煙草をくわえて自転車漕いでる
大福のような
ちょこんと後ろにおばあちゃんのっけて
坂をゆっくりと登っていく
自分はまだおっさんだとは思っていないようだけれど
もうとっくの昔におっさんだよ
 ....
朝はごはん
でもときどきパンが食べたくなる
フライパンで焼くパン
1枚出来上がり
マーガリンを塗って
アツアツ立ち食い
そうしているうちに
もう1枚出来上がり
アチチとアチチ
フンワ ....
灰泥軽茶(443)
タイトル カテゴリ Point 日付
水風船自由詩221/10/11 21:31
自転車私自由詩321/1/3 21:38
公園散歩お正月自由詩221/1/3 21:19
バンザイ人間自由詩220/8/24 23:41
真夏のメロディ自由詩120/8/22 9:36
背表紙の彼方自由詩320/4/15 18:43
雪の玉自由詩120/2/10 21:55
風船いろいろ自由詩320/1/18 20:45
バイバーイ自由詩120/1/18 20:02
贅沢お肉自由詩220/1/10 20:27
味噌ラーメン自由詩220/1/8 1:24
ここは抱っこ自由詩120/1/8 1:05
手作り餃子自由詩220/1/6 22:14
ベビーカーお婆さん自由詩220/1/6 22:08
ツバキと家族自由詩320/1/1 21:24
大晦日の虹自由詩220/1/1 10:22
朝カフェオレ自由詩318/9/10 12:18
吸い込むシュー自由詩218/8/26 0:04
コップ一杯自由詩218/5/21 21:24
飴玉舐めて自由詩318/5/12 10:19
長閑な探検自由詩318/4/14 14:54
たぬきの置物自由詩418/3/10 14:55
雪ひらひら自由詩418/3/9 10:54
大きな目覚まし時計自由詩118/3/9 10:45
何処パラダイス自由詩218/3/9 10:32
町のケーキ屋さん自由詩117/12/24 12:32
山と月自由詩417/12/22 10:52
その角を右に自由詩217/2/12 11:18
二人乗り自由詩317/2/11 23:51
朝ときどきパン自由詩717/2/6 20:02

Home 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 
0.12sec.