布団カバーを変えるのは

とても煩わしい

かどっこを充分に見定めても

結局何度かやり直す

世の中煩わしいことばかりだよなと

誰かのせいにしたところで

布団カバーは素直 ....
明け方目覚める
喉が痛い
咳が止まらない
身体を丸めながら
台所へ行き鍋に牛乳を入れ火にかける
そこに茶葉を摘まんで放りこみ
しょうがをすりこみ沸騰させ
しばし煮る

囁くような
 ....
私はモノに名前などはつけない

自転車や楽器など愛すべきモノたちへ

名前をつけてはいつくしむ人たちに対して

嫌悪感ほどは抱かないがむず痒くなる

しかし私は毎日牛乳を飲むときや
 ....
小一時間の散歩

誰かが
今日は降ったり止んだりと
言っていたのに

そのままふらふらしてたら
どしゃぶりのずぶぬれ

雨がぱらぱら
なんてこたあないさと
ふんふん歩いてたら
 ....
小学生ぐらいの子供に

軽くおっちゃんと呼ばれる

私は年齢的にも充分おっちゃんの部類に入るのだが

おっちゃんは元々から

そうプラモデルのように

細部に至るまで

おっち ....
遮断機が降りてじっと待つ

ここの踏切は駅の近くだから

電車はゆっくり通り過ぎるので

だいぶん待たされる

踏切の向こうにいる人もじっと待つ

がたんごとん

のろりそろり ....
一晩中明かりを灯した
商店街を
滑らかに自転車で走り抜けていくと

にょきにょき電信柱
わさわさ揺れる電線が
いつもより多い気がする

見上げれば
夜のお化粧をした女性たちが
ピチ ....
ざわつく風に

こみあげる嬉しさ

時間がのびるのびていく

意識がのびるのびていく

膨らむ予感がどこかで会えると

あなたの笑顔が浮かんで消えては

また浮かぶ

そし ....
頭からすっぽりと

覆面をした人たちが歩いている

何十年か前には

こんな恰好をした人たちはいなかったのに

今では当たり前になっている

街は砂で埋もれている

身体の中に ....
週に二、三回ほど通る道の豆腐屋さん

ほんのときたま買って帰る

綺麗な水の中でひっそり漂う豆腐や

甘くてじゅわっと口の中で広がるお揚げさん

グレープフルーツぐらいに大きくて

 ....
私は食事の後の洗いものが嫌いだけれど

洗濯は好きである

もう十年以上使っている洗濯機には

特別な愛着がある訳ではないけれど

頼りなさそうなのに音だけはでかく

ウォンウォン ....
静かな和音がこだまして

鼓膜をかすかに震わす

しかし携帯の履歴はなし

空耳のようだったかなあと

ふと

うしろをふりかえり空を見上げると

やっぱりどこかから

静 ....
途中の駅で降りてふらり

美味しい匂いがする

ラーメンずるり

からころころりと転がる

空のペットボトル

私のこころもからころころり

世界がくるり

飴玉くるむ大き ....
夜目覚める

誰かが眠っている

それは誰なのだろうかと

瞳の奥でじっと眺めていると

皮膚が私の皮膚が空気の重さを感じ

それは私なのだなと気づく

目を開けて腕をさすると ....
スタスタ豚足

いまだいまだとスタスタ逃げる

中華屋のおやじさんさようならと

列をなして街から街へ

森へ川へ山へ

スタスタ逃げる

山のカラスたち豚足たちを見つけて
 ....
雪がひらひら

音符もひらひら

地面を濡らし小さな音を鳴らす

鳥が嬉しそうに鳴く

空からどんどん降ってくる

賑やかなパレードがはじまる

白い残響が地面を覆う

旅 ....
風が運んできたのか

優しい匂い

ほこほこ土が盛り上がり

暖かい感触

もうすぐかなと待ちわびて

木々が揺れる葉々が笑う

私は光を浴びて

川を心地良く流れて

 ....
今は何時頃だろうか

空模様はケチャップと

ウナギやらサンマの

かば焼きの皮の色が混じったような

ギトギト目を逸らしてしまう

私の心模様も

なんだか不愉快なことやら不 ....
久しぶりに紙飛行機を作ってみて

狭い部屋の中を飛ばして見た

ひょいっと

指先から放たれた私は

少しの間だけ時を止めて

音を吸い込み色を無くし

透き通った羽を生やして ....
おおらかでよく笑い
どこを見ているのかわからない優しい女性のように
いつもどこかで遠くからでもわかるように
こちらかあちらを向いてじっと佇んでいます

知らない街を心細く歩いていても
いつ ....
茹でてふやけて

むいて食べる

ほっこほこの里芋にっころ

喉がころころ鳴っており

何かおるのかな

うっすら朝もやけのなか

鳥の声と緑の香りがする畑の中から

里芋 ....
ビニール傘から眺める景色は

どこか私がもう存在しない

未来の街を眺めているようだ

柔らかくて弾力のある筋肉で覆われた景色の下には

機械化された金属のリズムとメロディが

コ ....
街を歩きながら

スナック菓子の箱を開けて

袋を破いて口に放り込むように

雑踏に落ちていくことばを拾い上げ

軽くて浮いていることばをつまんで

ひょいっとむしゃりことばを噛む ....
冷たい空から降ってくる

鮮やかな光

あんまり冷たいから

女の子はしかめっつら

行き交う人々に注がれる

輝く肌は薄くて一枚一枚剥がれてゆき

筋肉が想う心が躍動し

 ....
川沿いを歩いていると
色鮮やかな
もげた螺旋階段がくるりと横たわっていた

私は危ういバランスを保ちながら
登ってみると
先に透明色の螺旋階段が伸びている

そうっとゆっくり
どっこ ....
雑木林に捨てられた
大きなブラウン管テレビが
ただ転がっている

近づいて中を覗くと
ガラスの外には
私の知らない家族が映っていて
こちらを何も考えずに

ぼうっと
のぼうっと眺め ....
自転車を走らせながら

夜空を眺める

近くて軽い

感触が迫っている

もう少しで届くよ

立ち上がり私は伸びていく

ビルよりも高く

今日食べたラーメン

箸です ....
風が冷たい
身体が冷たい
だけれども街から溢れだす明りは
なんだか暖かそう
溢れ出す人々は優しそう

私がぽそぽそとつぶやく
他愛のない言葉に
そうだよねと
頷いてくれているようだ
 ....
私は穴ぼこだらけ

のそのそと歩きまわり

山の斜面にぼろぼろ突き出た粘土を掴んで

くにゃくにゃ捏ねて

ちぎって少しずつ穴ぼこを埋めていく

何だか安心する

舗装された山 ....
親指と人差し指をくっつけて

くるくると

小さな切れ端か何かをまわしてごらん

そよそよと

煙がうっすら流れていって

誰かがあれれと

寄ってきて楽しそうに笑うよ
灰泥軽茶(443)
タイトル カテゴリ Point 日付
布団カバーにおもう自由詩5*13/3/17 22:57
明け方チャイ自由詩5*13/3/16 1:25
牛三郎自由詩7*13/3/15 0:22
ざんざん降り自由詩6*13/3/14 1:20
昭和式おっちゃん自由詩7*13/3/13 10:43
踏切にて自由詩9*13/3/12 14:00
夜のサーカス自由詩7*13/3/11 14:20
ちゅういんがむ自由詩2*13/3/10 23:55
砂の街自由詩13*13/3/9 19:10
豆腐夫婦自由詩5*13/3/8 22:10
ロートル洗濯機自由詩10*13/3/7 23:44
蒼い影自由詩5*13/3/6 22:47
途中下車自由詩7*13/3/5 23:43
ゴム人形自由詩4*13/3/4 23:05
逃げる豚足自由詩6*13/3/3 23:07
冬のパレード自由詩6*13/3/2 23:23
春じゃないかい自由詩9*13/3/1 4:38
空模様心模様自由詩5*13/2/24 23:18
紙飛行機自由詩7*13/2/20 1:01
たばこの看板自由詩11*13/2/19 1:05
里芋にっころ自由詩8*13/2/15 2:16
雨フル傘フル自由詩6*13/2/13 2:42
むしゃりことば自由詩5*13/2/9 1:59
冬の躍動自由詩12*13/1/19 19:44
もげた螺旋階段自由詩10*13/1/4 1:38
ブラウン管テレビ自由詩5*13/1/3 1:38
軽い夜には自転車はよく進む自由詩6*12/12/28 2:43
街の明りは溢れだす自由詩6*12/12/25 23:39
百穴人自由詩7*12/12/19 0:30
これも何かの縁だから自由詩4*12/12/12 1:21

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