春のゆたんぽ
ぽぽぽと踊る草の匂い
たんぽぽ色の光は
そっと鼻をなでる
なでなでゆたんぽ
ほころぶこころは暖まる
ゆっくりとほぐし
軽やかな跳躍
すういすいっと風は
私をどこか遠くへ ....
古本屋をぶらぶらしていると
キーホルダーのついた
鍵が落ちていたので
拾ってレジの人に渡した

お寺の受付に行くと
年季のはいった分厚い
お財布がおいてあったので
受付の人に渡した
 ....
山つつじの花が
ぷっくりぷっくり
つぼみをたくさん
春の風が嬉しくて
絵具で描いたみたい
彩る奏でる春の唄

私にもたくさんの
つぼみがあって
ゆらゆらと今か今かと
心が踊り華やぐ ....
車が少ない
道路は空っぽで静かだ
小さな音が聴こえる
風の音が鳥の声が
太陽の光が囁く声が
だけれど静かだ
しんとしている

信号は赤
ぴたりと止まると
野球のユニホームを着た
 ....
私は小学生高学年の頃
ものもらいを患った
瞼の下がぷっくらと腫れ膿んできたので
近くの総合病院に行くと
診察台に抑えつけられ
はんだごてのようなもので
じゅうと焼かれそうになったので
必 ....
つばきの花が
ぽとりぽとりと落ちている
鮮やかな色
まわりの空気がしんとしている
ひとつ大事に掌に乗せ
匂いを吸い込むと
ふと綺麗なうなじが
日傘をさして横切ったような
滲む掌から消え ....
私は十年ほど前に
リサイクルショップのビラ配りをしていた
すぐやめてしまったけれど
一軒のポストで
お爺さんに呼びとめられて
昔学生時代に何十万もしたというイタリア製の
壊れたアコーディオ ....
私を望遠鏡で覗きこむ
遠くから眺めるとよくわかる
良くないことを考えると顔に出るぞ
もう少し背筋を伸ばしたほうがいいな
人をあまりきょろきょろ
見ないほうがいいかな
口をあけたまま
ぽか ....
さいしょの一口
ほおばる咀嚼
甘くて美味しい
時間が迫る
さあ行かなくちゃと
さいごの一口残して鞄に入れる
時間が流れる
忘れる私の時間を取り戻し
ふうとため息
そういえばとぽろりと ....
私を吐き出し
それを紡ぐ毎日のような
繰り返し繰り返し
季節と同じように
私もあおあおしてきて
めきめきにょきにょき
新しい私が
生えてきたらいいのに
そうはいかない
それでもじっと ....
手首をこねて
フライパンを揺らす
生地がもたつく
蓋をしてもう少し待つ
タイミングが肝心

そろそろいい音ぱちぱちと
ふわっふわっと生地が浮く
気持ちが踊るこの瞬間
今だ今こそえいっ ....
夜中に音楽を鳴らし
ショーウインドウや
マンションのテナントに映る
自分の姿を見つめ踊る若い人たち

かっこよいはかっこわるい
かっこわるいはかっこよい

躍動する身体と一途な眼差し
 ....
新鮮な野菜と果物が並んでいる
形や色がひとつひとつ違って
健やかで美味しそう

旬の葉モノや柑橘類を
ゆっくり眺めながら
そっと触りながら
みずみずしい匂いを吸いこんで
ふんわりした春 ....
飴玉
また噛み砕いちゃった
我慢できずに
ばらばらの気持ち
ゆっくり
舐めたらいいのに
こういうときは
せっかちだから
噛み砕いちゃう
少しでもあなたの気持ちをと
少し時間がたてば ....
私は折り畳み傘が好きだ
しゅっぽと傘を広げるとき
そうっとわくわくする

それはマジックのようで
手を広げれば花束や
白い鳩が出てきそうな予感がする

それはまた魔法のようで
手を広 ....
春かな
雨がしとしと
しとしと心に
目をつぶり
何をしようか考える

春かも
傘をさして外へ出れば
何かあったのかな
皆嬉しそうに少し笑っている

春だよ
手は冷たい
頬を撫 ....
コトコトと
コトコトと
お鍋の中でじっくりと煮る
お肉のような気分

身体も気持ちも柔らかくなって
景色も回想も流れる流れる
ここはどこだか知らない街で古い町

コトコトと
コトコ ....
ぽこぽこ生まれる
春の訪れ
風はまだ冷たいのに
鼻をくすぐらせる
漂う甘い匂い

団子のような
もちっとした梅の花が
ぽこぽこと
まだなの
いまかいまかと
春を待つ
その道にさしかかると
いつも私は空っぽになり
ぼわんと身体が共鳴して
ふんふんふうんと
ハミングが漏れていく

震える身体はとても気持ちよくて
ふわあわとか
よいやいもやおやだとか
 ....
少しずつこそぎ落していく
へらで余分な私を
色んな好奇心がこびりついて

何をしたいのか
何が必要なのか
わからない

埋もれてしまう
忘れてしまう
本当の自分はここにいるのだから ....
想いはつのる
ゆっくりと流れる時間
耳を傾けて音を聴く
誰かに向けての独り言
横になりながら
縦にうなずくと
だんだん
瞼が閉じていく
静寂が身体を包み
心がしっとりまどろみ
ゆっ ....
木の芽噴く
柔らかい温かい
心の中でそっと噴く
もう少しで春だから
のそのそとフリースも
脱ぎ捨てて
纏う風も暖かい
新しい生命の息吹
耳元でそっと
くすぐって
春の予感が心地良い ....
古いのや新しいの
ひびだらけや穴ぼこだらけ
人の生活
車が走る
すき間から雑草が伸び花を咲かす
犬がくんくん歩いている

今日もどこかで工事している
せっせと耕して平らにするけれど
 ....
湯船に
お湯を溜めている時間
時間はゆっくりと進む

湯船に
身体を投げ出す
目を閉じて浮く
時間を忘れゆっくり休む

身体を洗い
湯船に浸かる
つやつや朗らか
声を出して声を ....
冬の寒い空
空が澄んでいて
星が輝いている

清らかな気持ちが
コポコポ湧いて
シュワシュワ
浮いて弾けて
飛んで星になる

夜空に浮かんでいる
星々は親しげで
すぐそこまで行 ....
トントントンと
整理整頓
埃を落として
塵を集めて
汚れを拭き取る

これとこれはこっちで
揃えて並べて
あれとあれはまとめて
しまっておいて
さすがにこれはさようなら
捨ててし ....
卵と牛乳
砂糖を入れて
シュコシュコかきまぜ
食パン浸す
フライパンにマーガリンを溶かし
焼いたらシンプル出来上がり

小さな頃に初めた食べた
異国の香りは
本物ではないけれど
う ....
むしゃくしゃくしゅん
気持ちのスイッチパチンと
切り替えられたらいいのにな
どうでもいいことが
どうにもよくないからよくないね

むしゃくしゃくしゅん
花粉の前触れか
誰かが噂している ....
空を見上げれば
見たこともないような
すいぶんと長い飛行機雲

どこから伸びているのかと
空のてっぺん
頭を反らして反らしていくと
山の向こうの端から伸びていて
空をまっぷたつ
遠く ....
たくさんの人と
映画を観るのもいいものだ
レンタルビデオ世代の私は
ワタクシの空間で
ムキムキのヒーローや最新技術のおとぎ話
古今東西憧れて漁るように
観てきたけれど
最近映画館で観るの ....
灰泥軽茶(443)
タイトル カテゴリ Point 日付
ゆたんぽぽ自由詩815/4/15 23:00
こつんと自由詩715/4/11 0:42
山つつじ自由詩515/4/3 22:27
日曜日の朝自由詩315/3/29 22:54
ヤブ医者の根性焼き自由詩815/3/24 1:42
つばき自由詩615/3/22 23:15
アコーディオンの旅自由詩715/3/19 22:24
望遠鏡自由詩815/3/17 23:41
さいしょの一口自由詩415/3/13 22:12
紡ぐ私自由詩1415/3/10 23:26
宙返り自由詩515/3/8 21:53
夜の灯りと姿見自由詩515/3/6 23:28
直売所自由詩315/3/5 23:58
飴玉自由詩615/3/4 23:58
折り畳み傘自由詩1215/3/3 23:02
春の雨自由詩615/3/1 22:47
列車に揺られて自由詩815/2/28 0:44
梅の花自由詩515/2/27 22:25
ひとつのうた自由詩615/2/26 0:32
へらで自由詩515/2/25 22:42
かたつむりの夜自由詩715/2/24 23:59
木の芽噴く自由詩415/2/23 21:33
アスファルト舗装自由詩615/2/22 20:37
湯船に浸かる自由詩515/2/21 21:26
冬の星自由詩615/2/20 23:53
トントン整理トン整頓自由詩415/2/19 20:33
フレンチトースト自由詩1015/2/18 23:51
気持ちのスイッチ自由詩615/2/17 22:51
飛行機雲自由詩515/2/16 21:48
映画と人々自由詩815/2/15 22:49

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