剃刀を敷き詰めた絨毯に彼女は寝っ転がって
「私の血液で刃先がだんだんと優しくなる」と
天使みたいな笑顔で笑う
それから俺にそんな顔をしないでと言う
「これで死ん ....
わたしのなかを
あなたのなかを
風がいちど
吹きぬける
あつくもなく
さむくもない
温度とは
呼べそうもない風
放浪、漂流、点在、葬 ....
血管の内壁に致命的な亀裂が走り始める瞬間神経に走る火花の種類、慟哭と憎悪と憐憫と憤怒と悲哀と渇望と安堵が不明瞭な融合を果たすその種類、瞬く内に様々なものの終焉を知る時の震撼する自我、暗 ....
死から始まるものたち、死から始まるものたちの臭いは、退屈と無色に満ちて、俺はまぶたと口を縫われ鼻を塞がれたもののようにいらだって声をあげる、そんなものになんの意味もありはしない、しかし、ひ ....
脳漿の絨毯の上を
俺は歩いていた
それが誰のものなのか
なるべく考えないようにした
靴の底の感触は
あまりなかった
ただ
ときどき
ところどころ凝固したジャムのよう ....
そして夜が更けて俺は考え込むのだ、詩なんてものが俺をどこにも連れて行きはしないことに
それは痛みを鎮めるためのモルヒネと、ほとんどなんの変りもないことがあるのだと、そういうことについて ....
あとで何も思い出せないくらいの人生を生きたい
あの時あそこで何をどんだけ食べたとか
そのあと誰かと湖の閉鎖中のボート乗り場で
かなりきわどいところまで乳繰り合ったとか
そんなことど ....
死産、の様な意味合いを濃くした
陰鬱な夕焼けが最後の太陽の口を塞ぐ
低く唸る鎮魂歌が
少し離れた高架から微かに聞こえて
出来の悪いドブ鼠が時代錯誤な罠にかかって
そ ....
チェンバースは
やりかたってもんを
とても、よく
心得ている
それは
おれの寝床で
今日に
踏ん切りがつかない
おれの意識を
疾走させる
果てし ....
室外機、の
吐き出す蒸気
粘っこい舌で
べろりとやられる
そんなウンザリに
似てる
八月の終わりのこと
ブッとんだヴァイブが欲しくて
歓迎されない扉をくぐる ....
生きている感触が廊下でひしゃげて転がっている
仕方がないから裸足の爪先でそこそこに蹴飛ばして
やたらとブラスがぶうぶう言う古いロックを聴いた
並べてみた言葉はどれもこれも不器 ....
臓腑の裏側にまで入り込んだ言葉を引きずり出して
今夜俺はあらゆるカテゴリーに唾を吐きかける神になる
すでにあるものならもう二度と追いかける必要はない
安全圏で無頼漢気取るなら筆 ....
君の用事を手伝って古い港に僕はゆく
頭上は悲惨な曇り空、八時というのに薄闇で
足下転がる野良の子猫は適度に餌を期待する
「午後には雨が降るらしいからなるべく早いうちがいい」
....
ぼくは遠い火になりたかった
ビルのかげや
山のむこうで
ちらちらと
ときおり
消えたみたいに見える
ながくながく燃える遠い火に
....
夏の踊り子たちが、フロントラインで
そろそろお終いみたいな
けだるさをステップし始めた
ウェイターは素知らぬ顔、だけど少し冷汗をにじませて
「お帰りはあちら」と色褪せたドア ....
ひかりの加減を気にし過ぎるとき、音楽の音量を気にし過ぎるとき、階下の物音を気にし過ぎるとき、窓の外のトラックのバック警告音を気にし過ぎるとき、しんとしたノイズを求めて、しんとしたノイズだけ ....
虚ろな階層で
落ち窪んだ眼を見開いて
小鼻のあたりをうろつく
蜉蝣のような情熱を追いかけていた
窓には汚れがあり
隣人は頭がおかしかった
サイケデリック、を ....
ふたつ向うの窓を
開けることを夢見ていたよ
椅子に張り付いた
呪わしい身体を半ば見捨てながら
シングされるソング
穏やかな旋律ほど
ぞっとする狂気を秘めなが ....
脳天から血液を吹き上げる貨物列車の
積荷のひとつに俺は忍び込んだが
激しい振動に揺さぶられ続けて気を失った
振動と鈍痛のふたつの感触が交錯しながら
脳下垂体に直接描きつけら ....
「今日も暑い」
と
言いながら僕は
汗まみれになりながら
近所を散歩してしまう
「今日も暑い」
と
言いながら君は
ベランダの洗濯物を
いくつか
床に落としてし ....
鼻濁音めいた目覚めが蛭のように耳の裏に吸いつくから俺は三時間あまりしかレムを貪れない、ターコイズ・ブルーの遮光カーテンのひだには読み損ねた言葉たちが潜み、「今度は上手くやれよ」と舌なめ ....
きちがいのきれいな歌声が
鞠のように転がる夜明けの街路
途切れた記憶が空気に触れて
朝露となってショーウィンドウでこと切れる
ぼくは眠れなかった
きちがいの歌声 ....
何を言ったって駄目だぜ
お前が
どんな言葉を吐いたって
俺には
あてがわれたイデーにそって
踊っているだけの白痴にしか見えない
だらしなく開いた
唇のはしが拍車をかけ ....
彼女に会うのは二年ぶりになる。声優としての人気が定着し始めた当時、「シンガー」篠田美優としての再起を賭けた入魂のシングル、「Kick Off!」では初の作詞にも挑戦し、「殻を破りたい」という気持ち ....
真夏がアスファルトに喰らいついてる
だらりと垂れた野良犬どもの舌は
桜のころより一〇センチは長くて細い
渋滞気味の二車線に鳴り響くクラクションのブルース
運転席にいる連中はみんなが ....
雷光が俺の胸骨を遊ぶように這うのさ
叫び声は不遇な路地裏に捨ておかれ
雨雲に浸食された魂を救いだそうとポケットの奥深くをまさぐると
黄色く日焼けした汚れた名刺が一枚
記され ....
やたらに愛を歌ったりするやつになりたくない
やたらに夢を語ったりするやつになりたくない
やたらにフェバリッツを吹聴するやつになりたくない
やたらに周りに当たり散らすやつなん ....
リアルの始まりはいつだって白濁に過ぎない、毛髪の根本に仕込まれた飛び道具がわずかに余計な色を添え、36度あたりの赤い水力がタービンを回し始める…ハロゲンライトの灯りはまるで、ちょっとくらい ....
日曜の
午前三時
手足のない男が
金網に入り
手足のある男と
2ラウンドを戦う動画を見る
手足のない男は
手足があるときは
アマレスの
....
おれが日中、腰を据えて
ハシタ仕事をやっているところにゃあ
育ちの悪い10匹ばかりの豚が居て
資本主義という餌を食べて肥えに肥えている
無差別爆撃的に身体に張り付いた ....
ホロウ・シカエルボク
(1229)
タイトル
カテゴリ
Point
日付
Don't Let Me Down
自由詩
1*
10/10/7 23:46
どちらにしても風は吹き続けるのだから
自由詩
4*
10/10/6 7:17
そしてまた、得体のしれない色を壁面に塗りつけるために
自由詩
0
10/10/4 1:11
輪郭は絹糸の様に緩やかでそれは触れることなくただ行先を追いな ...
自由詩
2*
10/9/29 15:38
カナリヤ
自由詩
1*
10/9/22 22:29
そうして夜が更けて俺は考え込むのだ
自由詩
0*
10/9/13 0:12
あとで何も思い出せないくらいの人生を生きたい
自由詩
7*
10/9/5 15:16
ナイト・クルージング(乗員も客も数える必要はない)
自由詩
1*
10/9/4 23:56
生身のものにはノイズが混じるものさ
自由詩
3*
10/9/2 0:04
だけど、そういうことって
自由詩
4*
10/8/30 22:14
スリーパー
自由詩
1*
10/8/26 7:23
シンプルでエンドレスな、そんな遊びが好きな産まれさ
自由詩
1*
10/8/23 0:12
太陽
自由詩
3*
10/8/19 16:11
ぼくは遠い火になりたかった
自由詩
6*
10/8/18 23:06
そうして夏は行ってしまった、翼竜の化石のように
自由詩
1*
10/8/17 22:15
真夜中の箱の中
自由詩
2*
10/8/11 22:52
保存しますか?
自由詩
3*
10/8/8 23:05
この雨の未明
自由詩
1*
10/7/28 2:10
ボヘミアン
自由詩
0*
10/7/26 22:00
夏のサンデイ
自由詩
0
10/7/22 18:58
デッド・フラワーズ(7の月)
自由詩
0
10/7/21 16:14
まるでおだやかな宿命みたいに
自由詩
3*
10/7/20 22:09
雨の音がメトロノームみたいに聞こえる
自由詩
0*
10/7/11 10:34
アイドル2
[group]
散文(批評 ...
1*
10/7/8 22:19
ブルースは熱と湿度で少し間延びしている
自由詩
2*
10/7/4 13:00
多忙な週末
自由詩
1*
10/7/3 23:24
スピリット オブ ゴースト
自由詩
2*
10/6/30 23:16
まずまず
自由詩
1*
10/6/29 22:13
日曜の午前三時に
自由詩
4*
10/6/27 3:42
育ちの悪い10匹ばかりの豚
自由詩
1*
10/6/23 17:47
14
15
16
17
18
19
20
21
22
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