お弁当忘れてるわよ
という声が
10km先のパパの会社まで聞こえて
あ、まだ作ってないんだ ....
とおく とおく
はなれた街にいる 膝を抱えた少女を迎えに行かねば
夢の中の少女は夕日の沈 ....
日陰に咲く花の
黒々と生えそろう髪とは対照的に
透けるように肌の白い
女を都会で見かけた ....
もう後は
いつお迎えが来ても構わないだの
早くお迎えが来ないかしらだの
そんなことを、此処のみ ....
貴方に抱きつこう。
ぎゅっ。と優しく。
好き。って言葉を
染み込ませるように。
あた ....
今まであったものが、全く違って見える。かつて「他人だった自分」が、空に浮かんでいる。「自分」は近づ ....
あの穴の中を覗いた
そこに所定の置石があったなら私は私の宝石を置かないし
誰もいない ....
恋愛の詩、とくに相手のことを必要だ、という詩を書こうとして、書いたら全く違うところに行ってしまうとい ....
人間は固体だから
何とかして分かりあおうと
言葉という液体を使うんだ
それでもなかなか混ざらな ....
ねぇ いつもより少し冷たい風が吹く夜
あなたは 言ったよね?
「もっと強くなりたいんだ。 ....
ラプンツェル、ランプ灯して
真夜中のキャベツ畑で何をしている?
キャベツ畑そぞろ歩きのラプン ....
空に放った矢が雲を引き剥がしてくる、その時刻の塊。一面に熱い空、概念の残像で傷つく。空に入浴する鳥た ....
あのそらは遠い
重い空気の鎖に阻まれて
息をすることさえ
億劫だ
見慣れた日本橋を歩いていたが、風景がいつもと違って見えた。どうやら午前中のお祭り目当ての人出があっ ....
家に帰る
玄関のドアノブに冷たい握手を求められ
蛍光灯の白い紐に疲れをのせて引っ張る
おか ....
呼吸を確かめるように
胸の一番奥から
茶柱を吹くように
耳元にささやくように
わたし ....
繋いだ手を
離れないように
強く握った
丸川はグラスを飲み干すと
辛い話をはじめた
世の中には
知らないほうが良いこともあるのな
彼 ....
いとも簡単に
超えていけそうな気がして
窓の枠に手をかけた
ぐらりと揺れた鉄格子
....
君の部屋に行くとぼんやりした僕がいるからポンプで少しずつ邪魔にならないところへ追いやって欲しい/髪の ....
僕はああ
はたらく 街を
どこかアメリカへと
景色をけずれ コンクリートブロックを
合流して ....
いつもと違い
皆何でも話してしまう
正直に話してしまう。
人が分かる
嫌な奴
文句言う ....
エロオヤジ 宴会隊長 ひかれてナンボ
わが妻をカマキリと思い頭差し出す
パンツ脱ぎ「の」 ....
ひとこいし と鏡月を仰ぐ
目覚めると君はいなくて
僕は、すべてが夢だったことを知る
どうやら絶望を抱きしめて眠っていたみた ....
怖くない
戦う理由さえあれば
寂しくない
愛することをやめてしまえば
なんていうこともなく秋が来て。
分厚くなった手帳をめくっていたら
仕事かライブか恋かして ....
アイガー北壁に
陽光が差し込み
それは血の色になり
ホテルのデッキから見ていた
俺は微動だに ....
私は知りたい 眠らない夜のこと
貴方を止めない 何処へでも行けばいい
彼は忘れたい ....
クリアブルーのスカイの中に融けてゆく影、背中に置手紙は無く
風に混じる最後の言葉も無か ....
さかさまに作業療法士の寝息
繊毛が(気づかなかった)揺れている
剥かれつつなぞられて ....
リラックスしたくて
家の近くを独り旅。
独りで堂々と
猫や空を撮っていて
変な ....
おそらく
だれもなんら関係のない所に
夜のキリンは住んでいる。
林の隙間から
青い光がぽ ....
1
昔、ひとりの修行僧がいた。彼は、心が完全に澄み、あらゆる悩みや欲望が彼を通過していき、何物 ....
あのこの首がもげたときに
ぼくは
なんていったらいいかわからなかった
あのこに向けての言葉 ....
ピアノの一音が消えた跡を追うように
虫が数匹宙を舞う
夏が終わったね
古い畳の上で
....
苦手だったメールと電話。
つながれる、そう思ったらやめられなくて。
他の子と過ごせば、更 ....
たどり着いた
彼女のメルヘン
きみのかわいいルール
そのうえで
しずかな有頂 ....
{ルビ藍玉=あいだま}の光に舞ひし 秋桜
遠き{ルビ海彼=かいひ}の 空に似たれ ....
流産して亡くなった、
弟の御霊(みたま)を
ひこうきぐもの
のこりかすに
重ねて、ないてみる ....
準工業地域を抜け
畦道を抜けると
大きな門構えに
由緒ある大ケヤキ
視線のかたすみに
....
誰もいなくなった店
BGM と ペン
を叩く音だけが呼吸する
灰皿からこぼれた灰 ....
中指は上に向けてよその中の愛を探っているつもりなら
嬉しげにぬらぬらの指見せつける…絡め捕られ ....
わたしの声帯から延びた
蔦が
ビリジアンの意地悪だった
集合体は頑丈で 瑞々しい
唇をつたっ ....
川辺にて、そっぽ向く猫背
歌を口ずさんでは知らんふり
肌寒い夜が君を照らして
片思いし ....
ああ死にたい
死んでしまいたい
指の先から煙になって
心臓まで燃えてしまえ(なるべく痛くないよ ....
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