夕焼け
じゅらいち

アイガー北壁に
陽光が差し込み
それは血の色になり
ホテルのデッキから見ていた
俺は微動だに出来なかった

トランペットの輝きになり
トリスタン和音を奏で
ブルックナーのフィナーレを
迎える

最後の灯火が消えたら
山は灰色となる
それは
ヒトの骸に等しい


自由詩 夕焼け Copyright じゅらいち 2008-10-26 11:14:16
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