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愛している
と
伝えたかった
でも
そんな重たい言葉を
口にしたら
すべてが消えてしまいそう
で
どうしてもできなかった
想いは深く
心に残されたまま
ふと
気 ....
失っても気にはしなかった たとえ何かを失っていたとしても 気にすることなく 明け方まで友と飲み歩いた ゴールデン街のお店を這出ると 朝の日差しがやけに眩しくて「太陽がいっぱい」だなんて 的外れに大声で ....
偶然に
通りがかったチャットでは
まさに
ログが消されるところ
削除
とあなたがキーを打つ
誰かが
削除とキーを打つ
あなたの
意志でキーを打つ
あなたの
意志で ....
広く浅い湖で
互いの影を揺らしあうふたり
幼い遊びを繰りかえすふたり
太陽が一度も出ないまま
午後がすぎ
夜の蒼が来て
....
想い出は
いいものばかりで
ときどき
あなたの名を呼んでしまうけれど
聞こえたら
ごめん
答えないで
想い出が
更新してしまうから
またきたね、匂う夏が、
むせかえる、草叢のにおいのなかで、
ぼくらは、呼吸をする
過剰な、色彩の、
この、感情の、渦に、巻かれ、
色をもたない、ぼくらは、
草色に、染められてく
....
思いもよらない場所に
手が くちびるが
触れてゆく
思いもよらない場所に
いるはずのないひとの
手が くちびるが
....
美しい手
君の字が右肩あがりなのは
残って
が
翼
右の いるから
つま先で地面にキス
ン プ
ャ
ジ
....
紫の薔薇が咲いている
私の手の中で
薄い花弁は紙で
雨に濡れたら
萎れてしまうのよ
鬱のように
魂の一粒を失ったひ
そらがうみを吸収した
愛したそらも愛したうみも
愛の意味も変わり果てたのに
同じ青だけで泣いているのか
魂の一粒をうしなったひ
夜と朝とが入れ替わった
流れ いき ....
なんにもない
なんにもないから
ビールでも飲もう
なんにもない
なんにもないから
明日の用意でもしよう
なんにもない
昨日までの失敗
過去の辛み
明日から ....
テレビが
下でひとり
さびしそうに
喋っている
わたしは
立ち上がり
階段を降りて
テレビにあいにいく
安心したように
アナウンサーが
元気に喋るので
テレビを消した
....
美しいものを見ると
なぜか哀しくなる
そう言ったあの人は
ときどき
儚さに目をそむけて
今日も人を殴る
何年も
荒れはてていた庭に
野菜の苗が植えられ
植木鉢の
マリーゴールドが置かれた
母と父が水をまいて
コンクリのように
馬車道のように押し固まった土を
いくぶんか、柔らかくさ ....
ことばをください
わたしが一生
元気に生きていけるだけの
強い力をもった
あなたに二度とあえなくても
それを支えにずっと
笑顔でがんばれるような
スマートな優しさや
きれい ....
五月のある晴れた日
思いつきでスウィッチに触れた
何もかもが滑り出し
ある部屋に私は辿り着いた
6月のやっと訪れた静かな夜
私は揺れる影に気が付いた
いつの間に ....
女として
敗北者です
いったい
何に負けたのだろう
それすら
わからないほど
思考が働きません
睡眠中毒者だからでしょうか
前に出ることは
好みませんが
おはじきの ....
たくさんの葉のなかの
ひとつだけが震えていて
どこか見えないやわらかなものへ
届かないくちづけを繰り返している
月など見ない日々が
何ヶ月も過ぎて
気がつけば
もうすぐ夏至が来る
7月の青い
海の日が来る
幸せに向かい
心ならずも
胸はずませ歩いていたのに
いつの間にか
その頂点は過ぎて ....
半歩、まえをゆく
あなたは
鳥の巣を見たいという
つゆの前日
うすみどりのかぜが
わたしたちのあいだをゆききする
わたしの部屋へ ゆくみち
みみを澄ます
ゆるい
花火
....
風がおわるよ。
もうすぐ。
ともだちの
髪もなまえも
風の泡になるね。
ちいさなガラスをとおして
見える視野。
いつもの都会のはずなのに。
それは、
....
ネクタイ
ほどいて
第一ボタン
はずして
ことばのねじを
ゆるめて
外はとても熱いから
そのまま
きれいに別れたりすると
あとで尾を引いて苦しいなんて
そんなこと
もっと早くに教えてよ
そうしたら
最後の夜
あんなに強がることなく
あの人の胸にすがって
どこまでもぶざまに泣いた ....
生まれ変わったら何になる?
いつかそう聞いたのはあなたです
あなたが
パンダになるのなら
わたしも
必ずパンダになります
あたたかい陽だまりで
あなたに寄り添って
新しい命を育 ....
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