すべてのおすすめ
急いでいるつもりもないのに
今日があっという間に過ぎてしまう
つまづいて転んでも
どうせなら明日のほうを向いていたい
あたりまえに埋もれてしまったものを
振り返って探すことは難しいか ....
ひろった貝殻をスコップにして砂浜をほると
そこには少し離れた海とつながる
小さな海ができる
何度かの波の繰り返しで
まるで何もなかったみたいに消えてしまう
小さな海ができる
....
「どこかにいきたい」と
ふいにあなたはいった
ぼくは
「どこにいきたいの」と
あたりまえのようにきいた
「やさしさのあるところ」と
さびしそうにあなたはいった
ぼくは
「こ ....
ほら 深呼吸するみたいに
ゆっくりと吐いて
おもいきり吸いこんで
どんなに深いところにいても
どんなに重たいものを背負っていても
水底から見上げているだけじゃ
ただ苦しいだけだって ....
山を登る
足を一歩踏み出すたび
落ち葉の鳴く音や枯れ枝の折れる衝撃が
全身を流れるのを感じる
それが大地だ
風を感じる
見上げれば少しずつ形を変えてゆく雲が
途切れ途切れでも ....
かなしいと つぶやいたはずの くちびるが
さびしいと きこえてしまいそうな よる
しずけさは するどい はもののかたちをして
よわいわたしの かんじょうを なぞる
けれど ふるえるゆび ....
人差指の腹を噛む
ある痛みを他の痛みに置き換えるのは
人が持つ特技なのかもしれない
レモンをかじる
酸っぱくて涙がこぼれてくる
その涙は瞳から流れてきているのに
何となく軽 ....
そんなにふるえていたら
じょうずにかけないよ
ゆめとかいても
きぼうとかいても
すぐにくずれてしまうじゃないか
冬空の下で花の種をまく
乾燥して凍てついた大地に
ピリッとやぶいた袋の中には
同じように見えても違う一粒ずつの種が
寒さに震えるように寄り添っている
手のひらにひろげると
小さな風 ....
雨は世界が流す涙なのだと
誰かが言った
あらゆる痛みが雫となって
ひとしく僕らの真上から
降りてくるのだと言っていた
それが本当か嘘なのかなんて
どうだっていい
季節が冬のせ ....
波打ち際は
まるで境界線のように横たわる
砂浜に描かれる風紋も
うねりを繰り返す波も
その姿をとどめることはない
刹那、
わたしはわたしを見るように
視界いっぱいに広がる世界を見 ....
家族といっても母とふたり
小さな箱のような部屋を
小さく切り取ったテーブルに
向かい合うことは少ない
たとえば小さい頃は鍵っ子で
学校から帰っても一人
母は生きるために働くことに懸 ....
あなたの瞳にうつるものが
どんなにあなたを悲しくしているか
どれほど考えてもわかりません
あなたの背中がいったいなにを
どれだけ背負ってそんなにも
淋しく見えるのかわかりません
け ....
海のはなしをしよう
とりとめもないことでいい
海の青さや広さや深さ
どんなことでもいい
海のはなしをしよう
難しい言葉でなくていい
海の美しさや眩しさを
波のように繰り返しはなそう
....
生きるほどに
すり減ってゆくとしても
僕は原石のままでありたい
たとえ自分の中に
トパアズやエメラルドみたいな
そんなきれいなものが隠れていても
僕は原石でありたい
たとえいびつ ....
新鮮な一日が、しっかりと刻まれて
そうやって日々は降り積もる記憶の集積とともに
思い出という曖昧な残像を胸に刻む
けれどそれは曖昧がゆえに
それ以上あせることのない色を保つこ ....
小さな塵が蒸気を集めて
やがて雨になっておちてくるように
僕の小さな悲しみを
あなたが優しくくるんでくれるから
ほら
こんな簡単に泣けるのを
僕は雨のせいにしている
ピンクのクレヨンで太陽を描いた
みさちゃんが先生に怒られてるのをみて泣いた
だってみさちゃんはピンクで太陽を描きたくて
それを怒るのは可愛そうだと思ったし
ぼくが赤のクレヨンで描いた太陽よ ....
「せんせいのては やさしいかたちしてるね」
いきなり言われたので
僕は自分の手をじっと見た
どうみても普通の手だ
「どういうところがやさしいの?」
血管がういて筋張っているし ....
ほんとうはね
「ほんとうはね」っていう言葉が嫌いなの
何だか嘘をついてたみたいじゃない
たしかにね
「ほんとうはね」って言う前に言ったこと
やっぱり嘘になっちゃうかもね
でもね ....
お日様の下
おまえはかたく焼かれてしまった
ただ真っすぐ
地中から這いでてきたおまえは
涙をながす瞳さえ
持って生まれてなどいないのに
かたく焼かれたおまえの
その真っすぐな身体
それを泣いてや ....
僕の右手には優しさがにぎられている
だから僕は人と握手をするときに右手を使っている
僕は右利きだから右手に優しさをにぎっている
それは誰かに優しい気持ちを伝えてくれる
だから僕は左手を隠している
....
塾の講師なんて仕事をしていると
子供の心に触れてしまうことがある
前に受け持っていた女子生徒が
授業中に突然飛び出して
二階のベランダから飛び降りようとした
「死んでやるー!」と何度 ....
ふと遠いところへ行きたくなる
通過電車に手をのばせば届きそうで届かない
本気で身を乗り出すと本当に連れ去られてしまうから
「危険ですから、黄色い線の内側までお下がりください」
というアナウ ....
始まりの声に耳をすませば
それは静かでも力強いことに気づく
あなたは
不確かな未来を希望にからめて
堅く結んだ約束を口ずさむ
こぼれたいくつかは落下して砕け散っても
受け止めたいく ....
「純粋とはこの世でひとつの病気です」
(吉原幸子詩集オンディーヌより)
吉原幸子の詩を語ろうとするとき、僕はよく「病的な」という言葉を使う。
その美し ....
仄暗い公園のベンチで
みかんの皮を食べろと言われている老人が
喜んでと言って頬張っていたのは新聞紙
これでいいですかとにこにこしながら
鳩の目で少年たちを睨みつける
ぽおっぽっぽっぽ ぽ ....
昔はやった多機能筆箱、○○戦隊シリーズ
押すと、えんぴつが飛び出す仕掛けがあったり
小さすぎる消しゴム収納があったり
あぁ 電卓の電池は切れている
いろいろいじくっていたら
まだ押し ....
登校拒否をしようとしたのに
何年も前に卒業していたことを思い出した
しかたないので出社拒否をしようとしたら
数ヶ月前に退職していたことを思い出した
やけになって生きることを拒否しようと ....
僕はブーメランを期待して
君にくさいセリフを言ったのだけど
ちっとも返事が返ってこない
心配して見に行ったら
しまった
君はイチコロでまいっていたらしい
るるりらさんのベンジャミンさんおすすめリスト
(61)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
明日のほうへ
-
ベンジャ ...
自由詩
2*
11-2-23
「小さな海で」
-
ベンジャ ...
自由詩
3*
11-2-21
やさしさのあるところ
-
ベンジャ ...
自由詩
10*
11-2-18
「息継ぎ」
-
ベンジャ ...
自由詩
5*
11-2-12
「リハビリ」
-
ベンジャ ...
自由詩
2*
11-2-10
ながいよるにためいきのようなことばがこぼれる
-
ベンジャ ...
自由詩
6*
11-2-9
「レモン」
-
ベンジャ ...
自由詩
4*
11-2-7
指先
-
ベンジャ ...
自由詩
5*
11-2-5
「冬空の下で花の種をまく」
-
ベンジャ ...
自由詩
3*
11-2-3
「ペイン・レイン」
-
ベンジャ ...
自由詩
5*
11-1-30
「帰る場所を知らない」
-
ベンジャ ...
自由詩
4*
11-1-26
家族の時間
-
ベンジャ ...
自由詩
9*
10-11-22
「湿度」
-
ベンジャ ...
自由詩
17*
10-6-11
海のはなしをしよう
-
ベンジャ ...
自由詩
5*
10-5-18
「原石」
-
ベンジャ ...
自由詩
6*
09-6-20
「そうやって日々は・・・」
-
ベンジャ ...
自由詩
6*
08-10-20
「優しい雨」
-
ベンジャ ...
自由詩
18*
08-8-7
「模索する太陽_(みさちゃんとぼくの色)」
-
ベンジャ ...
自由詩
16+*
08-5-31
「やさしいかたち」
-
ベンジャ ...
自由詩
27*
08-4-5
「ほんとうはね」_(青年詩片)
-
ベンジャ ...
自由詩
5*
07-5-9
みみずの涙
-
ベンジャ ...
自由詩
4*
07-3-27
僕の右手には優しさがにぎられている
-
ベンジャ ...
自由詩
5+*
06-2-28
知らないことを知っている
-
ベンジャ ...
自由詩
42*
06-2-6
夜の地下鉄は海の匂いがする
-
ベンジャ ...
自由詩
53*
05-8-31
四月になればあなたは
-
ベンジャ ...
自由詩
22*
05-3-28
吉原幸子(その「病」について)
-
ベンジャ ...
散文(批評 ...
5
05-3-10
仄暗い公園で
-
ベンジャ ...
自由詩
33*
05-2-12
多機能筆箱
-
ベンジャ ...
自由詩
6*
05-1-7
拒否する
-
ベンジャ ...
自由詩
9*
05-1-6
ブーメラン
-
ベンジャ ...
自由詩
13*
04-12-23
1
2
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